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第66回 渤海国からの使者 の巻 その1

当時、中国東北地方にあった渤海(ぼっかい)という国から使者が訪れました。接待役に選ばれたのは道真サンとでんチャン。道真サンの外交デビューです!

今も昔も「外国語ができる」はある意味ブランドで、それだけでリスペクトされる一面があります。

道真が外交を担当したのはその語学力を買われてだったと思われます。 受験生時代に王度(おうど)という外国人教授に中国で『論語』を学んでいたらしく、どうも中国語ができたようなのです。

さらに即興で漢詩が作れるとなると、もうこれは神業です。

漢詩は和歌よりもさらに高度な技術を必要とします。韻を踏むだけでなく平仄(ひょうそく)まで整える必要があるのです。平仄を整えられるのは中国語が堪能でないとほぼできないと思われますが、道真の漢詩はこれができているそうです(私は中国語ができないので平仄まではわかりません)。

今でいうなら、日本人が即興でライムをキメて英語のラップができる、、、みたいな感じでしょうか?

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渤海国は「日本の格下」でした。

12年に一度、日本に貢物を持ってご挨拶に来航するのが決まりですが、実際は何度も来ていたようです。

理由は「天皇の徳を慕って」。
つまり「天皇が好きで好きでたまらないから…また来ちゃった♡」という建前ですが、実際は「交易で儲けたい」からでした。

貢物もらえるんだし「12年に一度」なんて制限せずに何回でも来てもらっていいのでは?と思ってしまいますが・・・実はこの頃の日本は財政破綻寸前。海外から子分(格下国)が来れば、親分としては貢物以上のプレゼントを用意しないといけないため、それがキツくて「12年に一度」という制限をかけていたようです。
(期限を守らず来た場合は、国に入れず追い返していたようです)


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