第183回 雁の 巻
「君たち雁は、秋になると暖かい場所を求めて遠く離れた大宰府まで来てるんだから、故郷が恋しくなって鳴(泣)くのはよくわかるんだ。
でも、もう春になって故郷に帰れるんだから鳴(泣)く必要ないじゃないか。
私なんて春になっても故郷に帰れないんだよ。それに比べたら…。」
鎌倉時代『続後撰(しょくごせん)和歌集』より、道真作と伝わる和歌をネタに。
実は道真著『菅家後集』に同じテーマの漢詩があります。 和歌のほうは技法的にも道真作っぽくないので、おそらく後世の人が道真の漢詩を元に和歌にアレンジしたものだと思われます(個人的見解)。