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第139回 問民苦使(もんみんくし) の巻

問民苦使(もんみんくし)とは、諸国をまわって民の現状を調べる調査員のこと。

改革のスタートに平季長などが全国に派遣されました。

季長は、貴族・豪族がやりたい放題してたエリア、山城国(京都南西部、現在の木津川~長岡京あたり)を担当します。

史料によると、季長はここで4つのトラブルに対応しています。

それぞれは小さなトラブルにすぎませんが、一事が万事。これらの事実を通して中央の統治が完全に機能していないことがハッキリ可視化されます。

道真改革チームはこれらの事実を根拠として新たな立法を重ねます(現場の事実を根拠にするのって、無敵!)。

そして中国を手本とするこれまでの律令国家から、日本オリジナルの要素を加えた新国家への進化を図るのです。


問民苦使としての季長の功績については、阿部猛・著『菅原道真』に、わずか数ページですが詳しく記述があります(かなり古い本ですが、当時の税制や政治について詳しく書かれていて、貴重です)。

『菅原道真』阿部猛


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