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春が始まり、終わるまで 2

0 キャラクター紹介

青凪 天晴 (あおなぎ ひかる)
この物語の主人公
冷静で、一つ一つの事をしっかりと考える努力家
たまに焦ると人間不信になる。

暁 宇宙 (あかつき そら)
天晴の友達
凄く明るく、天晴とは真逆の天才肌。
何事にも前向きで、行き当たりばったりなところがある。

音咲 未菜兎 (おとざき みなと)
天晴の2人目の友達
凄くおっとりしてして、不思議な感じがする少年
何を考えているのかよく分からないので、いろんなところでばったり会っては、直ぐに何処かに消えてしまう。

夢月 実冬 (むつき みふゆ)
未菜兎の友達
真面目で誰にでも敬語を使う。
少しドジで良く迷子になる。

雪咲 未来 (ゆきざき みく)
設定は最後に記載。
新キャラ

プロローグ

考える、これが最適だったのか。
別れが近づくと、いつも。
そう考えながら、公園で1人卒業アルバムを見返していた。
「明日、卒業....」
虚しいのか、寂しいのか、何かを間違えた気がして、その間違いを探そうとする。
けどそれは、取り返せるものじゃなく、受け止めるものでしかないと、理解している。
「でも....。」
それでも、何処か取り戻せると思ってしまう。
自分にとっての、「間違い」を。
あの日の勝負から、自分の何かが変わった。
それはとても小さくて、些細な変化だけど、
今の自分にとっては、凄く大事なもの。

1 友達勝負 下

2人友達が出来て、浮かれた気分で教室に入る。
そこに、先生以外の姿はなかった。
「遅いじゃない、体育館に行きなさい。」
...は?
分からなかった。
知らない、聞いてない。
どうして、
あいつ?
まさか、嘘だ、
あいつ、普通にやっても勝てるくせに秘策作ったのか?
ふざけるな。
そう早とちりしていた時、
「体育館かぁ〜、行こっかぁ〜」
「そうですね、早く行きましょう。天晴さん」
正気に戻った。
そうだ、早とちりしても仕方ない。
「うん、行こっか」
そう言って体育館えと足を運ぶ。
「それにしても、私たちに伝えずにこんな事して、ずるいと思いませんか?」
「そうかなぁ〜」
「未菜兎君はいっつもそうゆう所が呑気って言うんです。」
「でもぉ〜、実冬は遊びたかったんでしよぉ〜。
僕は別に遊ぶ気なんてないからさぁ〜」
「貴方はそうかもしれませんけど!、私は、..」
「大丈夫、分かってるからぁ〜」
「違います!わかってて済む問題じゃありません!、って、うわぁー!」
「大丈夫!?」
面白いと見ていたからいつもより早く腕が出て彼女を支える。
「ファインプレぇ〜」
「お前は、...」
そう言おうとすると。
「遅かったじゃん」
「っ、お前ふざけんなよ!」
「お怒りな感じかー」
と、煽った様な口調で言い始めるので自然と、
........手が出た。
反応出来なかったのか、モロに顔に喰らい、倒れ込む。
「いつもいつも、ふざけんな!だから嫌いなんだ!お前も、俺も!」
「っ、ああー悪りぃ、気付かなかった。」
「違う!そうゆう事に怒ってるんじゃない!」
叫び続けるので後ろから先生が「何やってるの!」
と近づく。
そんな事には目もくれなかった。
ただ。...
信用できない。
嫌いだ、だからこんな勝負受けるつもりじゃなかった。
だから...
その時、
バチン!
「お前、一回冷静になれ。」
「っ、うるせぇ!」
「は?」
お互いにキレ散らかし殴り合いになりそうなところで面白がって見ていた奴も止めに掛かる。
「なんで、」
「まぁ、彼らだからあり得るでしょぉ〜」
「でも、どうしてなんですか、あんな、軽いことで怒るなんて。」
「君にとっては、でしょぉ〜」
「え?」
「天晴君と宇宙くんは、何か勝負をしていたんじゃないかなぁ〜」
「でも」
「ああ言うのはねぇ〜、彼等みたいならよくある事だよぉ〜」
それが、彼なりの優しさだったと、思えたら、どれほど良かっただろうか。
........
気がつくと、保健室にいた。
「あ、大丈夫ですか」
そこに居たのは、実冬だった
「あいつは?」
「宇宙さんですか?、あの人ならそこに居ますよ。」
ふと、彼女が指をさす。
そこには、元気がなく、落ち込んだ宇宙がいた。
「お前、どうした?」
「どうしたもこうしたもないだろ、急に倒れたんだから」
「そうですよ、あんな急に倒れられて、みんなパニックになったんですから。」
「お前は面倒見がいいんだな」
2枚の濡れたタオルを見て、そう口にする。
「めっ、!からかうのはやめて下さい。」
焦ったのか、頬を赤らめる。
「こいつ真っ先に保健室に連れて行こうとしたからな」
「そうだったんだ、ありがとう。」
「っ、宇宙君まで!」
「ヤッホー、元気ぃ?」
「あ、未菜兎君」
「誰?」
「未菜兎だよぉ〜、同じクラスなのに覚えてないのは心外だなぁ〜」
「ああ、悪りぃ。」
「全然〜」
「そおそぉ〜、ウチの実冬君は、君らには渡さないよぉ〜」
「未菜兎君!?」
「元から欲しがってない」
「同感」
「貴方たち辛辣すぎません?」
「辛辣ぅ〜」
そう3人で実冬をからかっていたら、
「ああそう、勝負は中止な、」
「だろうな。」
「当たり前だろ」
「ふっ、そうだな」
クスッと笑いながら、そう答える。
やっぱり、お前には敵わない。
違いすぎるんだ。
考えるほどに、違いを、あいつの凄さを、分からせられる。

あの後、教室に戻った時に、クラスの奴からメチャクチャ声を掛けられたが、何食わぬ顔でスルーしていた。
が、1人、気になる奴がいた。
「あんな真剣に怒るの、珍しいね。」
「えっと、君は、」
「未来だよ。同じ小学校の。」
「...ああ、未来か」
「分かるんだ〜、凄いね、私、影薄かったのに...」
明るい様な、優しい感じがする。
その雰囲気に覚えがあったから、気づいた。
雪咲 未来。
小学校の時は、ぱっとせず、一部の人と仲が良いだけで、覚えてる人が少ない。
でも、彼女の雰囲気は人とは違った。
優しさ、それと同時に、何処か辛い、寂しい、
そんな雰囲気。
「えっと...、どうして、珍しいって言ったの?」
「ああ、そのこと?、いやぁ、天晴君みたいな落ち着いてる子が、あんなに怒ってるの珍しいからさ。」
「ああ、確かに」
それで「珍しい」なんて出できたのか。
「これからも、よろしくね」
「ああ、よろしく」
「天晴、次の時間係決めだけど、どこ行く?」
そんな声がした時、
「それじゃあね」
「ああ」
そう言って別れた。
まさか、とても自分にとって、大事な人だと知らずに。

2 部活と体力

係決め、特に考えてなかった。
「適当に余った奴に入れるか」
なんて考えてた。
「なぁ、なんの係入る?」
「考えてない」
「じゃあ一緒のところにしようぜ」
「いやお前は女子か」
「いや普通の事だよ」
そんな会話で時間を割いていた。
「じゃあ係決めするから、やりたいところに入れてね」
「はーい」
一つ、二つと係が決まってく。
教科の係は担任の先生が理科なのもあってか、理科係は直ぐに埋まってしまった
小学校の頃に人気だった体育係は意外と埋まらなかった。
そこにしようかと考えていたが、ふと、とある係が気になった。
記事係
今までに無いタイプの係だったので、興味が湧いた。
しかし、人は居なかった。
定員は2人、これならいけるだろう。
でもなんか入れない気がした。
「やつを犠牲に入るか」
磁石の名札をそこに貼って、宇宙の席に行く。
「どしたん?」
「同じ係に来んなよ」
「ま?」
「俺がそこに入りたいから」
「マジか」
「マジ」
「まあ、良いよ、わかった」
よし、これなら入れる確率も高い。
何とかなるだろう。
高揚したまま終わるのを待った。
結局、記事係に入った。
特に勝負もなく、宇宙が負けて悔しがってだのが面白かったぐらいだ。
「入れなかった」
「乙」
「ひっで」
「そういやもう1人誰?」
「あ、見てなかった」
「アホか」
「知るか」
お互いに言ってる事が変わらない気がするが、今は記事係に入れた事を喜ぼう。
「ま、ラッキーってことで」
「そうだな」
なんかツッコミたくなったが、気にしてなかった
「そういや、部活どうする?」
「明日からだっけ」
「そうそう」
「どうしよっかな」
「一緒にテニス部見に行かね?、後卓球部も」
「良いよ」
そんな会話をしていると、帰りの支度の合図が鳴った。

3 エピローグ
「未菜兎君」
「なぁにぃ〜」
「部活、どうするの?」
「吹部かぁ〜、実冬の行くところぉ」
「そうなんだ、って、え?」
意外な所だった。
そもそも部活に入らないと思ってたから。
それよりも、私と同じ所!?
「何ぃ〜、文句あるのぉ」
「ないけど、ちょっとビックリしちゃって」
「そうなんだぁ」
何気ない会話、でも、ドキッとした。
なんでだろう、何か、未菜兎君は凄く、落ち着いている。
そんな所、気にしてるのかな。
なんで、心がこんなにも、穏やかになるのかな。
わからない、
未菜兎君と居ると、こんなにも、気持ちが穏やかになる。
幸せになる。
切なくなる。

4 後書き

皆さんこんにちは。雨雪です。
春が始まり、終わるまでの2巻を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
終わった友達勝負から、部活の話までとなりました。
イベントをポンポン出すのもアレなので、日常パートっぽいのも入れました。
そして、チラッと出てきた新キャラ、未来ちゃんですが、今後のストーリーに大きく関わってきます。主に主人公との絡みに注目です。
少しでも続きが見たいと思ってくれたり、この作品が面白い!、と思ったら、好きとコメント、お願いします。
今後とも、春が始まり、終わるまで、をよろしくお願いします。

5 作者談

2巻書き終えました。
ちょと長くなってすみません。
さて、ここから、キャラごとに部活が分かれます
勿論、部活が同じキャラも居ます。
個人的に、本の構成は、2章区切りにしようと思います。
場合によっては、長くなるかもしれない。
相変わらず小説書くのが下手くそだと自負してる日々です。
実は、作者は、この作品自体、ある種の暇潰しでした。
けど書いてると面白くなっちゃった。
2巻から読み始めた人は、是非、一巻も読んでみて下さい。
因みに、略称は「春まで」です。
次回から後書きはこうなります。
さて2巻から読み始めた人は一巻も是非読んでみてください。
以上、雨雪の作者談でした。
最後に、未来のキャラ設定を載せて終わりです。
次回もお楽しみに。

雪咲 未来 (ゆきざき みく)
優しさの溢れる少女。
誰にでも優しく、そして穏やか。
絵や音楽が好きで、彼女の作品は愛情が溢れている。
しかし、その愛情の裏には、ある悲しく、辛い過去が宿る。

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