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蛙鳴未明
2024年10月2日 01:03
巷は大渦の話題で持ちきりである。突如印度洋に現れたそれは、島を七つも呑み込んでなお、拡大を続けている。未だ明らかでないその正体を、私は知っているように思う。あれはきっと彼だ。印度へ渡った、かつての友人、そのなれの果てだ。※※※ 彼は大学の同輩であった。初めは入学式の席が隣だった、というそれだけの関係だったが、何かの拍子で同郷なことが発覚し、以来友人となった。時に飲み、時に遊びながら互いに