アイスランド日記 1日目
13日。
アイスランド行きの飛行機が早朝便だったので前日の夜に空港に行って空港内に泊まる。
ストライキ中なので電車やバスは使えずタクシーを呼ぶがどこも空いていないと言われる。
困った。
友人にお願いして空港まで送ってもらった。とつぜん深夜にすみません…。危惧していたような時間はかからずおしゃべりしている間にすぐ空港に着いた。
送ってもらった上におやつまで渡してもらう。
空港内、徐々に冷えて来る。
アイスランドで着るはずのアンダーウェアからスキーパンツまで引っ張り出して着膨れ、なんとかうとうとしようとする。
もちろんオルリー空港にはスリがいるのでトランクやリュックを全部紐で結びつけて盗られないように。
寒くて眠れない。
飛行機に乗る直前のタラップで手荷物を機内に預けるように言われる。
精密機械やマイク、パソコン、照明器具などあまり振動させたくないものを分けて手荷物にしていたし、手荷物の規定範囲内(しかも万が一の時にも機内に持ち込める規定サイズの中でも小さい方)なのに「みんなそうしてるから早くして」と言われて荷物を奪われる。
緩衝材もないし手荷物は一つだけとの規定だからハンドバックすらないのでパソコンを手持ちして機内に入る。
ひどい。
その荷物をがさつに積み上げるのを見ながら、ショックがしばらく抜けない。
飛行機の離陸時とても揺れて怖かった。
手荷物の件で少し神経質になっていたのか、揺れに過剰に反応して胃が急上昇したり、心臓を圧迫したりした。
機内でもなかなか眠れなかった。
着陸があまり上手じゃなかった。がつんと突っ込んで、跳ね上がっていた。機内にざわめきが起こる。
アートビエンナーレのディレクターのMさんが空港まで迎えに来てくれていた。
タヒチの花の輪のようにこれを編んだのでプレゼント、と可愛いマフラーを首に巻いてくれた。アーティスト全員に編んでくれたのだって。なんて嬉しい。
滞在する家に案内してもらう頃になってやっと陽が昇ってくる。日の出は11時15分だそうだ。昨日から寝ていないのも手伝って、これから夜なんじゃないか?という勘違いを何度もする。
家はとても素敵なのでパリに帰れなくなってしまう。暖かくて可愛らしい、そしていろんなものがきちんと揃っている。
ひととおり荷物を部屋になじませてから、お腹が空いて食堂に行く。家から食堂は2キロほどあるのでちょっと寒いが、氷を踏んだり馬を眺めたり全然陽がのぼらない!なんてはしゃぎながら歩くので苦にならない。
食堂の場所を見失って迷子になりかけるがなんとか到着、ラザニアやパンやハムやチーズ、果物をたくさん食べる。
スタッフも入れると50人もの3食を一人の女性が賄ってくれる。ベジタリアンがいたりするからあれこれ作らなきゃいけないのに、すごいな。
続々とアーティストが到着するので挨拶をして、みんなが荷物をまとめに行っている間、海まで散歩する。
寒いから猫はいないだろうと思ったのにいて、見つめていたら向こうから気さくに声をかけてきてくれて、駆け寄って来てくれた。
毛並みに指を入れるとほんとうに暖かかった、冷えちゃいけないので温まるのはほどほどにした。
日暮れ(15時すぎ)には気温が下がって来て体感温度は-10℃ほどになった。
眠気と寒さで疲れたのか仮眠して、いまからまた夕ご飯に向かうところ。