腕時計のベルトを交換した話
旅に出ると何か記念になるものを買ってしまう。
ご当地ものでもない、地元やネットで買えるようなものである。
私が愛用している腕時計がまさにそうで、限定でもなんでもない平凡なモデルのものを仙台のパルコで購入した。
それから3年以上使い続けてきたため、購入当初のベルトがひどく傷んできた。
柔らかくなっていたものの、水を吸い汗を吸い、剥がれてきてしまった。
さすがにこの剥げたベルトを人に見られるのは恥ずかしいため、落ち着いたブラウンのベルトを購入した。
交換自体は道具があれば不器用な私でも可能だった。
簡単に とは言い難いが、外すのも取り付けるのもバネ棒外しがあれば素人でもできた。
さて、装い新たになった腕時計は明るいキャメルのベルトから落ち着いたブラウンのベルトになった。
長さも以前よりあるため装着しやすくなり、あとは使い込んで革が柔らかくなれば言うことはない。
そしてただベルトをかえただけなのに、この時計が急に大切なもののように思えてきた。
旅に出る度に私の腕で時を刻んできた時計。
さして高価なものでも、仙台の記憶が鮮烈なものであったというわけでもないが、「これからも私の腕で時を刻んでほしい」と思うようになった。
次はどこに連れていこう。