見出し画像

練習のゴールは楽譜から目を離すこと

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)

おはようございます!ミラノ・スカラ座アカデミーコレペティ研修生の天雨航平です。オペラの予備校 、天雨航平オペラアカデミーの運営をしたりしています。
この放送は、オペラをやっていく上でのあれこれや音楽人として必要な考え方などを実体験をもとにVoicy開設を目標に発信しています。
さて、本日は、「オペラの勉強をしていくときの、ゴールは何か」というテーマでお話しさせていただきます。
★本題に入る前にお知らせをさせてください。
僕のYouTubeチャンネルで、オペラの予備校天雨航平YouTubeオペラアカデミーを開講中です。オペラのあれこれを紹介するチャンネルで、具体的にツカえる話をしています。もちろん無料ですので、概要欄から飛んでご覧ください。
それでは、本題です。
本日は、「オペラの勉強をしていくときの、ゴールは何か」というテーマでお話しさせていただきます。

さて、オペラというのは、まず指揮者がいて、オーケストラがいて、合唱がいて、ソリストがいて、その中にも稽古ピアニストがいたりとか、スタッフさんとか、美術さんとか、大勢います。まず基本として言うと、オーケストラの穴があって、そこに指揮者がいて、オーケストラが何十人もいて、舞台上で演技をするっていうのが、いわゆる基本の形です。

つまりですね、指揮者を見るタイミングとかオーケストラの音を聞く、そしてどのオーケストラの楽器をどう聞くかっていうのも自分で事前に準備しといた方がいいわけです。とは言ってもなかなかそういうことは難しいので、まず最初に何をするか、何が一番大事なのかというと、楽譜から目を離すっていうことが大事です。

というのもですね楽譜をずっとしがみついて見ていて、指揮者が見れない・歌手が見えない・ピアニストが見えないっていう状況ですと、もしかしたら演奏は生まれるかもしれないですが、リラックスできる状態ではないし、頭の中に入っていなくてその場しのぎの演奏になってしまうわけです。

そうするとですね残念なことに音楽というものはそこに生まれなくて、それこそパソコンみたいな、AIみたいな演奏になってしまいます。そうするとですねあまり良くないわけですね。というのもコミュニケーションが取れないと、全員で合わせることができないので意味がないわけです。

つまりですね、自主練習をするときの一番最初のゴールは楽譜から目を離すっていうところが大事なんです。いわゆる暗譜みたいなものなんですけれども、暗譜とはちょっと違っていて、暗譜はもう頭の中で自分で発するものではなくて、コミュニケーションをするため、例えば。目と目を合わせたアイコンタクトとか、アイコミュニケーションみたいなものとか、あとはジェスチャーですよね、この手の身振り手振りのこととか、そういうもので体全身で表せるように、頭の中で作っておく心の中で作っておくっていう準備が必要なわけです。

もちろん、初見の状態でなかなか難しいとかそういうのもあると思いますけれども、初見の場合は、僕もなかなか初見は得意ではないので、してしまうことが多いんですけれども、どのタイミングで何小節分だけぱっと見て、覚えていられるか、どのタイミングで指揮者を見るかっていうのも肝として作っといた方がいいかなっていうふうに思います。

そのために緻密な練習と緻密な暗譜と、緻密な楽譜を理解する、把握する一瞬でここの部分だなっていう把握する能力みたいなものを養っていた方がいいかなというふうに思います。

というのもですね今日、マーラーの1000人の交響曲をやってるんですね。

指揮者のマエストロシャイーがずっとおっしゃってるのは、「楽譜を見るな、勉強したんだろ。だから俺を見て、コンタクトアイコンタクトをしてください」っていうのもですね、千人の交響曲ぐらいになると、すごく距離があるわけですよね。
実際にみんなで奏でているときも、指揮者がいてその後ろも何十メートルも後ろの方に合唱がいてみたいなことがあり、そうするとですね、「耳で聞き合わせる」っていうことができなくなるわけです。そうすると、距離があるので、ずれてしまうんですね。

そこで一番大事なのが、アイコンタクトで「ここだろ」っていうところを決めて、そこで 「あってるだろう」で出てくる瞬間が往々にしてあるんですね。「ここだ」っていうそこを目で合図するということがとても大事で、もしくは目で合図を見るっていうのが大事です。

そうするとですね、楽譜を見てると、その合図が出ないわけです。合図を見ることができなくて遅れてしまうわけですね。とするとどんどん音楽がずれてずれてずれて1 テンポ 2テンポ、最初は小さいかものかもしれませんが、最終的にはとても大きな差になっていくわけですね。それは良くないので、マエストロ シャイーがずっとおっしゃっているのは「俺を見ろ」です。つまりですね、指揮者は一人ですので、それ以外の全員のおそらく指揮者ではない方々がほとんどだと思いますので、指揮者の言ってること、振ってるもの、テンポとかを目で確認して、その確認したものの通りに入るっていう練習ですね、つまりですね、僕がいつも思うのは、指揮者と合わせるっていうのはですね、「自分が思い描いてる。こうだろうな」っていう勘とかアイディアとかを確認する作業のために、指揮者を見るというふうに思います。なので、指揮者から何かを受け取ろうではなくて、どっちかって言うと「こうでしょ」っていうところのように、「確認でこうだよね」っていう合図を見ながら、確認しながら進んでいく、こんな感じかなという風に僕は思います。逆にそれがうまくいった時は、  なかなかいい演奏ができて、指揮者から「何かをもらう、もらおう」と思ってる時はなかなかうまくいかなかったりとか、自分で違うなって思いながらも弾くことが多いです。

確認作業のために指揮をみるという意識を持ってみてはいかがでしょうか。

それでは、本日は、「オペラの勉強をしていくときの、ゴールは何か」というテーマでお話をさせていただきました。
最後までお聞きくださり、ありがとうございました!
「天雨航平オペラアカデミー」では、オペラをしていく上で気づいたことや生まれた問題に関して、どうやって解決していくかなどの記事を毎日投稿しております。ご興味のある方はぜひのぞいてみてください。
それでは素敵な1日をお過ごしください。コレペティの天雨航平でした。
まったねー
■天雨航平オペラアカデミーはこちら

■オススメ
『オペラ 注文の多い料理店』音楽通し稽古の様子はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?