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2023.7 酒田での240分
さて、前回の記事では18きっぷを使って東日本を雑に、雑把に一周した旨記事にしたところですが、今回はその途中に立ち寄った酒田という町を巡った際の備忘を書いてまいります。
酒田新潟間は東京静岡間と同じくらいの距離がありますが、朝の時間帯については18きっぷでも乗換一回で、比較的楽に移動できるのは前回紹介のとおりです。
酒田駅で下車し、朝食を食べるべく港に併設される食堂まで徒歩で移動。
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しかしながら、このあたりの日本縦貫線を訪ねるのは485系が走っていた時以来で、あの頃見た小汚い駅舎が想像できないほど各所でリニューアルされ、いい時代になったと実感する次第です。
当時はT18やK2という国鉄色の編成が北越2号やいなほ10号の前運用に入ると掲示板が大騒ぎとなったものですが、恐らく当noteをご覧いただいている方にはほとんど伝わらないと思うのでこれくらいで。。
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15~20分ほどで着きました。
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飛島行のフェリーが出る乗り場の2階にある「とびしま」さん。
これで800円くらいです。
朝食を美味しくいただいた後は、併設する側の港で自転車をなんと無料で、さらに市内の数か所で乗り捨て可という、観光客に大変寄り添ったサービスが展開されているということで、有難くも利用させていただくことに。
さらにさらに、貸出が9時からなのですが、オンタイムで借りて近くの酒田港駅に行くと丁度貨物列車が来るとのこと。
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1日1往復で草臥れた海沿いの貨物駅と酒田駅を結ぶという事で前々から興味はあったのですが、流石にこのためだけには…という場所にあったところ、今回ようやく訪問が叶いました。
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近年のJRグループを前面に押し出したブランディングとは違う、
昔ながらの無骨な看板が残っていました。
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「荷役中」の旗を掲げ、一旦入換中断。
大館でも確か同じ旗を掲げてから荷役作業をしていますよね。
気づいたら9時40分くらいになっていたので、観光という本来の目的に戻るべく自転車を漕ぎます。
さて、酒田はご承知のとおり西廻り航路、北前船の拠点として発展を遂げた歴史があります。
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馴染みある町の名前が...
町を流れる最上川の上流たる天領で育てられた米を江戸に運ぶ道すがら、各地の産物をゲットするという構造で、食文化などは江戸にひけを取らないレベルの高さだったかもしれませんね。
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有名な公園を後にし坂を下ると、独特な雰囲気の魚屋が。
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店主のおじさまに写真を撮らせてほしいとお願いし、話の流れでこの辺りのおすすめスポットを伺ってみることに。
正直な所、メジャーどころを何個か提示されて、その中でも特にお勧めされた場所にこれから行くのがベターかなと想像したうえでいたところ、
「観光スポットになって『いない』所を教えてあげる」と、予想外のお言葉。
しかも、数か所だけ教えていただいた丁度いいタイミングで、是非行ってみて!とおじ様側から会話が終わる。
これまで幾度も旅行に行った先で地元の方と会話することはありましたが、これほどまでに初対面の人間にスマートな会話をされるおじ様は出会ったことが無く、かなりのカルチャーショックを受けました。
私も生き永らえた暁にはこうなろうと固く決心しました。
久々にフォトグラフィックメモリーになり得た酒田の一コマです。
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有名な山居倉庫です。一言でいえばコメの品質管理だけを考えた蔵というところでしょうか。
いかにも涼しそうなケヤキの木陰もそのためらしい
そのあたりは併設される「庄内米歴史資料館」に記されているので、是非!
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時間も時間だったので、ほどほどに撤収。
途中創業100年以上の団子屋の爺様と駄弁った後、坂田駅前の案内所に自転車返却して北上。
酒田という街の気風なのか、この日のハイライトには旅の良さ全てが詰まっていたような気がします。また行きます。
大満足で酒田を後にしました。
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