《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島8
夢話ノ捌 ぱんだ屋食堂
お元気三ネズミの自己紹介が終わり、そらは前足で拍手をして目をキラキラさせている。その隣の花は、物珍しそうに見ていた割にはおすまししている。
「おもしろいにゃね!お元気三ネズミ!これから一緒に、よろしくにゃよ!」
そらはそう言って、片方の前足をお元気三ネズミの方へ出した。お元気三ネズミはぐっと親指を立てた後、一列になってタタタっと軽快に走ると、そらへ飛び乗って、そらの肩にどっこいしょとでもいう様に腰を下ろそうとした。
オットーみたいにそらの体は大きくないから、お元気三ネズミはするっと滑ってソファーの上に着手した。
お元気三ネズミは、顔を突き合わせ前足で口を隠してコソコソ喋って、同時に頷く。
ぴょ〜んと飛んで、ヨクミは花に、ヨクキはそらの上、ヨクハはヨクキの上にタタタと駆けて乗った。
「いいですか!まずは、親交を深めるには、同じ窯の食う!イエイ、美味い飯で元気!勇気!モリモリ!勇気関係ないよ!でも、美味しい飯は、食べたいよ!アチキは、腹が減ったです!さ、大盛りモリモリ食欲ムンムン食堂行くですよ!レッツらゴー!!」
ヨクハが急にペラペラと歌でも歌ってる様に一気に言い終えると、お元気三ネズミはイエーイと片方の前足を上げて元気に叫ぶ。
「...いや、どこに?というか、なぜ、頭の上にゃ?」
そらは目をパチパチ瞬いて、ぐるっと目を上に向ける。
「ノーノー、ノリが悪いな、お前さん!ゴーと言ったら、ゴーですよ!行くんですよ!さ、ゴー!!」
ヨクハがそう言って、頭の二匹がぴょんぴょん飛び跳ねるものだがら、そらは言われるままに後二本足で立って、歩いて店を出た。当然、花も渋々、四つ足で追いかけた。
店を出たら山の中、上に行く小道を見れば小さな社があって、下には大きな道が広がる。
その先、自然豊かな街並みが見え、もっと先、ずっと先には大きな海が、キラキラ光ってる。
「よーし!この下の道〜下って、下って〜、下って行くと〜、海近く、イエイ!その近くイエイ!おっきい、おっきい、食堂あるよ!さーぁ!!下るですよ!!」
ヨクハが大きな声を上げるものだから、そらは駆け足で山を下って下って一本道、平坦な道になっても一本道、ゼイゼイハアハア、たどり着いた。
海だ!って叫ぶ暇もなく、パンダ屋食堂ってデカデカと看板が屋根の上、味わいのある大きな大きな食堂へ一直線。
そこは、ワイワイと仲良さそうな色んな動物が入って行って、店は賑わって楽しそう。
中から美味しそうな匂いが、ふわふわ白い煙と一緒に運ばれたから、そらは我慢できずに、ぐぅ〜と大きくお腹を鳴らした。
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