祖父のお土産、赤福
宝塚と甘いもの。わたしが長年スキスキスキ!と愛を注いできた存在です。
宝塚は父から、甘いものは母から、そして母方祖父から。
祖父はとにかく食いしん坊で、もうすぐ100歳に手が届くかなという数年前、老衰で亡くなりました。最後まで甘いお菓子を食べたがり、母や介護のひとたちを困らせているような人でした。
その祖父の出張のお土産の定番のひとつが赤福。祖父が出張から帰ると徒歩5分の距離に住む祖父宅の祖母から「お土産とりにいらっしゃい」と言われて取りに行く、というのが物心ついた頃からの私の習慣。
赤福は伊勢のお土産ということを知ったのはずいぶん後から。
新幹線のホームで売っているということもあり、出張先の九州からの帰りの新幹線で祖父は買っていたのではないかなと思います。
開けた初日は艶やかなこしあん、柔らかな餅なのが、数日のうちに乾燥してかぴかぴになる。我が家はそういった意味では非常におおらかだったこともあり、結構、かぴかぴのものを食べさせられました。
日常的に購入できるわけではないはずなのに結構な頻度で我が家にある甘いもの。そんな赤福は、今でも見かけると懐かしくなって、ついつい買ってしまい、ついついかぴかぴにさせてしまいます。
でも、そんな君のことが好きなんだ。
今は観光客も減り、赤福は辛いんじゃないかなと心配してます。
昨年夏、こっそり関西まで宝塚を観に行った時、人もまばらな新大阪のお土産屋さんで夕方だというのにずっしり積まれた赤福を見て、非常に悲しい気持ちになりました。そして、最大限、食べられる量を買い込みました。どうか、この状況を何とか乗り切り、この味を次の世代、そのまた次の世代へと届けてほしいと願っています。
物産展でいつも売り切れ御免の札を見かけるたびに愛されてるなあと嬉しくなる、まさに人気者のあなただから。愛しているから。
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