![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28191082/rectangle_large_type_2_ca34a92cec51d46ca39e9c1bee2ae810.jpg?width=1200)
サイクリング初心者がRXに入るまで③完結編
自身5回目のツール・ド・おきなわの日がやってきた。
これまでは経験不足だったり練習不足だったり、事前準備でやり切れたという感覚がなかった。どこかに不安を抱えながら気持ちで乗り切っていたが、この年は少なくともその時点での自分にとってはやれることをやったと胸を張れる状態で臨めた。あわよくばローテーションに入ったりレースに絡めればと思ってはいたが、今振り返ると、ただひたすらレースに食らいつくことを目標に走っていた。
※===の中は当時の熱量をそのまま残したかったので拙い文章を敢えてそのまま引用しています。気になる方は===の下から見ていただければ幸いです※
============================
2017年11月12日(日)。1年間懸けてきたレースが沖縄県でありました。
【スタート前】
毎年このレースだけでは出る!という1年で1番大きく、1番楽しみにしているレースではあるのですが、今年の想いはひとしお。
練習量はもちろんのこと、ただ距離を乗るだけではなく、
・どういうスキルが必要なのか(下りは?集団走行は?位置取りは?)
・なにを食べたらいいのか(補給食は?日常生活では?)
・どんな機材を使ったらいいのか(整備不良は?ホイールは?)
などなど細かくは書きませんが、自分が結果を出すために何が原因で、どう対策すればいいのか様々な要素についてひたすら自問し、試行錯誤してきました。
そこまで徹底的に準備したが故、金曜に沖縄入りしてからも前日も不安は小さく、程よい緊張感でスタートラインに並びました。
【スタート~普久川1本目入り口まで:0~5km】
予定通り9:20にスタート
登り口までの平地区間で先頭に上がらなければ、登りで前には出れない。先頭集団に着けなければ勝負に参加できず、落車に巻き込まれるリスクも有る。いままでの4年間のおきなわでは先頭に出たことすらなかったため、1番の鬼門だと考え1年間何度もレースで練習してきた。
冷静を保ちつつ、集団150番手から一気に前へ。右側車線を使って3分ほどで先頭が見え一安心。20番手あたりで落ち着こうかと一瞬よぎるものの、トンネルに後ろで入りたくなかったため一旦先頭に出る。
RXの福田さんから「リラックスして走れ」とアドバイスをいただき、呼吸を整えてこの区間をクリア。練習してきたことがちゃんと本番でも実践できた。
【普久川ダム1本目:5~18km】
登りはリラックス。スロースターターの自分にとってはウォーミングアップも兼ねて登るつもりだったので、ダンシングとシッティングを半々で織り交ぜながら、集団内で前々をキープして登る。体が温まっていなかったのもあるかと思うが割とキツく、ただ集団から千切れる程ではなかったので、なんとかクリア。地脚がついたかなとちょっと自信が湧いた。
【下り~奥:18~30km】
下りで前へ。去年までビビリと実力の無さ故、順位を落としていた下りも先輩方の指導により多少改善。ブレーキ使わず脚使わず60km/hくらいで下れた。細かいアップダウンも、下りで前に出て登りはリラックスし集団内でうまくセーブし、移動しながら脚を残す走りができた。
【奥~普久川2本目入り口まで:30~58km】
アップダウンは苦しいが、福田さんに言われた通りリラックス。細い登りで踏んで消耗するのはもったいないので、インナーに落としてケイデンスで登る。右モモに違和感と、空腹を感じたのでモグモグ補給タイム。
40km地点の登りがキツかったが、レッドゾーンまでは入らずクリアし、大集団で海岸線へ。100人位はいたんじゃないだろうか。一緒に練習していた遊さんも残っていて話しリラックスできた。
集団前方を確保し何度かローテにも参加。43~45km/hくらいで綺麗に回ってノーストレス。過去必死に追いかけた集団も今年は前方でまったりクリアし、あっという間に2本目の登り口へ。
【普久川ダム2本目:58~70km】
序盤の緩斜面で前まで上がる。1本目を経験し、登りで余裕を残せるわけではないとはっきり自覚したので、前で入ってゆっくり登るように意識・行動。前まで上がるとWAPPAの方が先頭を牽引。ブログを読んでおりクライマーだと知っていたので、無理に追わずペースアップしたタイミングで自分は集団に戻った。
結果WAPPAの方+2名の3人で40kmくらい逃げていたようだが、いまの自分にはそれだけの脚は無いのでいい判断だったと思う。
(photo by ©Makoto.AYANO/cyclowired.jp)
【下り~慶佐次の登り:70~105km】
いくつものアップダウンが体力を奪う。
一つ一つの登りは厳しくないが、繰り返していくうちに集団からも遅れそうになり、レースを作っている方々のペースアップに必死に食らいつく。登りはセーブ、平地&下りで前への動きを繰り返し、騙し騙し回復するように走る。
きつい。けど楽しい。
何度もかかるペースアップに死にそうになりつつ、今まで経験できなかった「ロードレース」に少しでも参加できた気がした。
【慶佐次の登り~羽地ダム入り口:105~127km】
補給所の登りで他クラスと混ざりボトル処理しているうちに、どこが先頭か見失う。体力的・精神的余裕の無さから数十秒離されてしまう。
下りに入り全力で追うが、見えたのは同クラスの2名のみ。エアロポジションで巡航し続けると2人には追いつけるが先頭はその先。必死に回し追走するも届かず、ここで勝負は終わってしまった。
小集団で走っていると徐々に他クラスの選手にも追いつかれ、20人ほどの集団になっていた。同クラスの人もいることに気付き、この集団内で少しでも前を取ることに目標修正。
【羽地ダム~ゴール:127~140km】
練習の成果なのか、例年より遥かに楽に登れる。千切れてしまった時点で何も言えないが。トンネルくぐって右に曲がった丘もいいペースで越えていく。
道端にはメカトラやら脚攣りやらで止まっている人も散見され、垂れずに走って少しでも順位をあげようと気持ちを繋ぐ。最後の下りも油断せず無事下り切り、国道58号線へ。8人の集団(210km3人、140km3人、100km2人)は均等に回り、残り距離を消化していく。
焦らない。
先輩方と練習で何度もやったゴールスプリント。ペースアップに合わせて残り150mで飛び出せばいい。
同クラスの人が残り250mで腰をあげる。
冷静にシッティングで着く。
目標のポイントを越え右にラインをずらして一気に加速。
ゴール!
============================
【レースが終わって……】
事前に高岡さんに伝えていた目標は「30位以内は堅いです。一桁を目指します。」というもの。
そして高岡さんからは「一桁目指して頑張って」とのこと。
結果は22位。去年から184位up、-54:05という結果(順位もタイムも自己ベスト)は1年考え、実践してきたことが間違っていなかったという自己評価と、とはいえ正直勝負には絡めず茂木の時の苦い記憶が蘇る。
レース後、高岡さんは自分の参加した140kmの上、国内最高峰の市民210kmで前人未到の3連覇、5勝目を果たしたことを知る。自分は……誇れる結果なのか。高岡さんに報告に行こうとするも、ニアミスで会えず。
サンボルトのブース前に顔を出すと、福田さん、ヤマケンさん、永瀬さん、キクさんと当時未加入のヤギさん笑。同じ140kmに出場したRXの方から集合写真を撮ろうとのご提案をいただけてめちゃくちゃ嬉しかった。
後日談だが、レース中はキクさん・永瀬さんは僕のことを味方だと思ってくださっていたようで、後半に向けていざとなったら協力しようという話をされていたよう。(結果的に全く力にはなれなかったけど……)。自己ベストは更新したものの、期待を下回る結果しか残せなかったという不安を抱え、日々を過ごしていた。
そして2017年11月22日。
高岡さんより
「19時~oginoでRXのシーズン打ち上げします。2018加入メンバーとして顔合わせ兼ねて参加どぞ」
とメッセージが……。
言葉を失った。
色んな思いが込み上げてきたが、とびっきり嬉しく、その一文はチーム員となった今も僕の糧となっている。
今回の加入はあくまでスタートラインに立ったことに他ならないが、僕にとってこの1年間は本当に悔しく、でもとびっきり楽しい一年だった。やっぱり自転車が大好きだと再認識したし、レースや練習を通して出会ったたくさんの人、走ったたくさんのコース、使ってきた機材など、すべてに感謝している。
本当は一人ひとりに御礼を書きたいけど、切りがないので。水曜夜練、ラモーンズ、理科大チャリ部、プロワイ、RXの先輩方などなど、本当にたくさんの方にお世話になり、今の自分がある。
改めてこれからRoppongi Expressのメンバーとして、一歩一歩歩んでいきます。目指せ、日本一。
ツール・ド・おきなわ140 result
— タカミー (@takaminchu) November 12, 2019
2013 56位
2014 69位
2015 DNF
2016 206位
2017 22位(RX研修生)
2018 16位(RX正式入団)
2019 6位
多分一番叱られたけどその分着実に教えていただいたこと実践して積み上げてこられたはず。参考になるかなりませんがレースレポと別にまとめます #roppongiexpress