ツール・ド・おきなわ2019回想録 トレーニング&メンタル編
一言でいうと、自分は「自分にとって必要な練習を」「毎日継続して実行した」に過ぎません。日々数字の進捗を見て練習に取り組むのは、ゲームのレベル上げに近い感覚でした。比較的精神論になってしまうかもしれません。悪しからず。今年はそれが自分にとって良かったのではと考えているので何かの参考になれば幸いです。
また、客観的な事実として当日自分より強い人はたくさんいましたし、市民210kmに出られている方など、自分よりも強い方はたくさんいる前提ですのでそこは温かく見ていただければ。
1.トレーニング大解剖
おそらく市民レーサーとして積み上げたトレーニングが1つのレースに影響を及ぼすのは3ヶ月、100日位だと考え取り組みました。(training peaks参照)
次いで10月の週間記録(集計の便宜上Cyclo-Sphere参照、若干誤差あり)
今年は祝日や雨の影響でチーム朝練が毎週水曜にスライドしたので水曜だけで200km弱TSS350 over。水曜朝は特に負荷がかかるので火曜の夜は軽めにしたり、木曜は水曜の反動でほぼ動かなかったり。水曜と土日に頑張る分、他の日はフォームを意識して、脚を回して、汗をかく練習がメインでした。
11月の沖縄は暑いです(今年は25℃行きませんでしたが)。そこで暑熱順化と言われる暑さ対策は必須です。自分は汗っかきでうまく汗がかけないとジャージが真っ白になり、力も出なくなってしまいます(よくいじられますw)。そこで10月東京が寒くなったら、『ウィンドブレーカーを着て・扇風機を回さず、固定ローラーで練習する』というのを意図してやっていました。もちろん床はビショビショになるのでタオルで拭いて、バーテープがふやけてしまうのでラップを巻いて、靴も濡れてしまうのでこれを毎日使って乾燥させていました。
曜日別だとこんな感じ。
月曜:ローラー(100km,50TSS)
火曜:ローラー(100km,50TSS)
水曜:チーム朝練(90km,200TSS)若手夜練(80km,150TSS)
木曜:ローラー(100km,50TSS)
金曜:ローラー(100km,50TSS)
土曜:ロング(150〜200km,300TSS)
日曜:ロング(150〜200km,300TSS)
水・土・日が高強度、他の日がリカバリーなのが分かります(距離だけで勘弁を)。特に金曜は土日に備えて調整目的でそこまで乗りませんでした。
2.どう続けたか
一番は色んな『乗る理由』を持つことだと思います。もちろん楽しいとかつまらないとかその次元で努力できるのが一流だと思います(現に高岡さんのブログでもそういった表現がありましたし、私が大好きな室伏広治選手やイチロー選手も同様のことを仰ってました)
自分も10月になればスイッチが入り、そう出来ますがそうは言っても人間。
①時間がない
②体力がない
③やる気がない
などなど、やらない理由を考えるのは簡単です。
趣味ですから楽しめば良いと思いますが、結局は如何にやるべきことを出来るかなので、人間臭くて甘い自分をどう動かすか考えました。
自分がモチベーションを保つためにやったのは下記です。
2-1.ノートの記録
2-2.自転車選手以外のプロスポーツ選手から情報収集
2-3.なりふり構わず乗る
2-1.ノートの記録
100日前から記録をつけ始めました。自分はアナログが好きなので敢えて手書きノートで(受験生みたいですね)。細かに公開するのは気恥ずかしいですが、とにかく毎日、練習と記録を継続することを優先して、その日の練習で感じた体の調子や、練習中に言われたこと、やったメニューや心拍数・パワーなどをノートに書いていきました。
チームの中でも高岡さんやまこっちさんのブログは有名ですし、キクさんも10月はレポート書いていて、内省するためにも公開しなくても、ほんの一言でもいいから書き続けるというのは大事だなと。書くこと自体が目的になって練習する日もありました。
11月第2日曜日のツール・ド・おきなわで結果を出すためには、10月の過ごし方が大事だと考えていたので、いかにして3000km乗るかを考えました。
私は営業なので、日々の進捗を見るべくスプレッドシートを使うのが慣れていました。先に1ヶ月の予定を入れ、仲間との毎週の練習会や会社の内定式、高校の同級会などその日見込まれる走行距離を朝と夜に分けて先に入れておき、この日はなんkmくらい乗れそうだというところから3000kmへの道のりを考えて行きました。
元々マメでこういうのは好きな性格ですが、正直1ヶ月が限度です笑 自ら設定した目標で逆にストレスを感じないように、1日100kmを目標にしつつも出来ない日はあるので、それを補う意味でも休日はロングを入れて距離合わせをしていました。
2-2.自転車選手以外のプロスポーツ選手から情報収集
特に影響を受けたのはマラソンの大迫傑選手の下記著書でした。
持久系スポーツをやる人すべてに通ずるノウハウが詰まっていると思います。駅の本屋で偶然見つけて購入しましたがとても良かったです。何度も読み返したりマーカーで線を引いたりしました(受験生みたい again)。
著書の中でもありましたが、同じ競技・同じレースに出る可能性がある選手に憧れすぎない方がいいなとも思いました。どうしても及び腰になるし、受け身になってしまいます。もちろん学ぶことは学ぶべきですが、勝とうと思っていることと憧れは矛盾してしまうようにも思います。そういう意味でも意図して別競技のアスリートに目を向けたのは良かったのかなと思っています。
2-3.なりふり構わず乗る
とにかく「やることを習慣付ける」ためにハードルを下げました。
3000kmやれば勝てるなんて明確な基準はありませんが、自分で考え決めたことを、手段を選ばずとにかくやり切ることだけ考えました。例えば仕事が遅くて練習時間が2時間しか取れない日は、無負荷のローラーでave.60km/hとかで距離を消費した時もありますし、いつもチーム練習の往復で60kmの練習をそのまま帰らずちょっと先のカフェまで行って65kmにしたり。なんでもいいと思います。とにかく考え、決め、やり切るためにちょっと頑張るようにするのが肝かなと。
だいぶ暑苦しい感じになってしまいました苦笑 ただ、みんな勝ちたい、頑張っているのは当たり前で、その中で抜きん出ると考えたらメンタルって大事だなと。もちろんこの情報を今年出してしまったからには来年はもっと頑張らなければ。そういうプレッシャーをかけるためにも発信を決意したのでした。
今年5月、ツール・ド・ひたちなかのレース会場に向かう車の中で、ヤマケンさんに言われた
「突き抜けたいなら圧倒的に練習しないと無理だよ」
とか
荒井くんと8月のある日、飲みながら話していて
「タカミーさんって(RXの中では)ストイックな部類じゃないですよね」
とか言われたのがすごく残り、こんな感じに取り組むきっかけとなりました。厳しいことを言ってくれるチームメイトには感謝してもし切れません。
そして、やはり最後は誰かと走ることだと思います。曜日別で水曜が最長なのは紛れもなくチームの皆さんのおかげです。早起きが苦手な自分が(大学時代の友人はよーく分かってるはずです笑)朝起きて練習できたのは、とにかくチームの仲間と走るのが楽しみだったからです。苦しくも楽しい練習は強くなっている実感がありましたし、乗る理由としてこれ以上強力なものはないなと感じていました。改めていつもありがとうございます。
ということで、強くなりたいならこちらへ。
次は機材・ウェア編ですかね、お楽しみに
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