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総合計画審議会について(1)


はじめに

 令和6年7月8日午後6時30分から、茨木市役所南館10階第会議室にて、第1回茨木市総合計画審議会(以下、審議会とする)が開催された。第1回の審議会ということで出席委員の紹介があり、その後、会長・副会長が選出された(公募の市民委員が4名、学識経験者が7名、関係団体からの推薦が7名、市議会から推薦された市議会議員が6名で合計24名)。
 その後、事務局から今回諮問された「茨木市総合計画(案)」の概要説明があり、10年前の審議会と同様、今回も2つの専門部会に別れて運営することが決められた。
 具体的には、第1専門部会では「将来像①:健康・福祉」、「将来像⑤:産業・都市」、「将来像⑥:環境」を、第2専門部会では「将来像②:子育て・教育」、「将来像③:文化・市民活動」、「将来像④:安全・安心」、「将来像⑦:行財政運営」とテーマを分け流ことになった。
 ちなみに、私は第1専門部会に所属となる。
 
 では、そもそも総合計画とは何か。また、なぜ総合計画を策定するのか。茨木市のホームページに記載があるので、以下に引用する。

総合計画とは
 将来、茨木市をどのような「まち」にしていくのか、そのためにだれが、どんなことをしていくのかを、総合的・体系的にまとめたものです。市の福祉や都市計画、環境といったすべての計画の基本となるもので、いわば市の「まちづくりを進めていくための道しるべ」だといえます。
 茨木市では、昭和46年に「茨木市総合計画」を策定し、以後、約10年ごとに改定を行ってきました。

茨木市ホームページより

総合計画を策定する理由は
 かつて、地方自治法において、市町村に対し、総合計画の基本部分である「基本構想」について、議会の議決を経て定めることが義務付けられていました。しかし、平成23年の地方自治法の一部改正により、この策定義務はなくなり、総合計画の策定は、市町村の独自の判断に委ねられることとなりました。
 茨木市では、これからの時代には、効率的で効果的な市政運営がより一層必要となると考えました。そこで、「茨木市総合計画策定条例」を策定し、平成27年からの新しい10年間を見通した、「第5次茨木市総合計画」を策定することにしました。

茨木市ホームページより

 この流れを受けて、今回「(仮称)第6次茨木市総合計画」策定に向け第1回の審議会が開催されているということだ。

今回の総合計画策定の流れ


 それでは、今回開催された第1回審議会までの流れはどのようなものか紹介する。
 まず初めに「市民アンケート」実施され、このアンケートを受けての「市民ワークショップ」が行われました。その結果を受けて「審議会での議論」があり、最終的に「市議会で承認」されることで計画が策定される。

市民アンケートについて

 令和5年11月茨木市企画財政部政策企画課による「茨木市のまちづくりに関するアンケート報告書」に基づいて、市民アンケートの内容について紹介する。
 調査目的は、「(仮称)第6次茨木市総合計画」の策定に向け、市民が日頃まちづくりについて考えていることや、まちづくりに対する率直な意見を把握し、計画策定の基礎資料とすることを目的とする。また、合わせて総合交通戦略、環境基本計画の改定に向けた意向調査も合わせて実施した、と書かれている。
 調査対象は茨木市に在住する16際以上の市民5000人、調査時期は令和5年7月5日〜7月23日、調査方法は「調査対象を無作為に抽出し、調査票を郵送により配布郵送またはWebにより回答」いただいており、回収率は32.6%[ 1,632票(うちWeb958票)/5,000票 ]となっている。

 

アンケート結果について


 ①暮らしの満足度〜将来像別満足度〜について
 将来像6「心がけから行動へみんなで創る環境にやさしいまち〜居心地のいい生活環境・バランスの取れた自然環境・資源循環の推進など」の満足度が最も高かった(満足、やや満足68.7%)。
 また、将来像5「都市活力がみなぎる便利で快適なまち〜地域産業の強化・雇用の充実・計画的な都市づくり・住みよい環境づくり・暮らしを支える交通の充実など」の不満足の割合が最も高かった(不満足が15.0%)。
 さらに、将来像7「まちづくりを進めるための基盤〜市の魅力発信・人権尊重・ジェンダー平等・多様な主体によるまちづくりなど」については、満足度が不明と答えた割合が最も高かった(34.7%)。

 ②暮らしの満足度〜自由記述〜について
 自由記述により、「将来どのようなまちで暮らしたいか」、「生活していて、不安・不満に感じること」、「普段の生活で幸せを感じること」の3項目の質問に対し、全ての設問で約85%の記入率となり、一般的な自由記述のアンケートより高い記入率となった。
 「将来暮らしたいまち」について、「安心」という単語が最も使用された単語となっていた。災害発生時や感染症、病気の時に安心できるまちを望むものや、漠然と安心を求めるこえも多く見られた。また、豊かな「自然」「緑」にふれるまちを求める声も多く、他に、「移動」が便利なまち、デジタル化された「行政」による便利なまちを望む声も多い。
 「不安・不満に感じること」について、「交通」「場所」「つながり」が挙げられた。「交通」では、「自転車」が多く歩きづらい、「歩道」が狭い、「渋滞」が多いとの意見が
あった。「場所」では、子どもが遊ぶ「場所」「公園」が身近な場所に少ないことや、「病院」や「駅前」など施設を求める声もあった。「つながり」では、「災害」発生時の「地域」のつながりの薄さに不安を感じる意見が多かった。
 「幸せを感じること」については、「家族」「散歩」「楽しむ」が挙げられた。最も多く出た単語である「家族」であり、家族の「健康」や「笑顔」を願うという意見も多い。「散歩」では、公園の自然を感じるところでの散歩や、カフェや読書など一人の時間をゆったり過ごすという意見も多い。「楽しむ」では、「食事」「買い物」「おしゃべり」「友人」など活動する際に感じる幸せが多く見られた。

 ③幸せ度について
 主観的幸福度のアンケート結果については、「とても幸せ」を10点として、1段階(0〜10点)で質問が行われ、男女を合わせた全体の平均は6.897点となっており、世界幸福度報告(2023年)の日本の平均である6.129点を上回る結果となった。 
 次に、幸せ度の同居家族構成別の比較を見ると、一人暮らしが6.16%と最も低い結果となっている。
 さらに、幸せに重要なものとして選ばれた項目だが、圧倒的に「自分や家族の健康状況」(82.0%)が選択され、次に「精神的なゆとり」(44.7%)、「家計(所得・消費)の状況」(43.1%)と続いている。

 ④市政に関する情報の入手方法について
 最も数字が高かったのが「広報いばらき」(90.0%)で、次いで「自治会からの回覧板」(24.4%)となっていた。
 また、前回の調査と比較すると、「自治会からの回覧板」が52.2%から24.4%と大きく割合を下げている。同様に、「新聞、テレビなどのマスコミ報道」についても、20.0%から12.3%と大きく割合を下げている。
 さらには、市のホームページからの情報入手について、パソコンを使用している割合が14.4%から7.5%に下りっている一方、スマホ等から入手している割合が9.8%から12.8%
に上昇している。

 ⑤市の情報発信について
 茨木市が市の良いところを市内外に向けて発信できているかの質問に、「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計は27.3%であり、「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の合計が、49.8%となっている。
 ただ、前回の調査で、「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計が22.6%なので、4.7ポイント上昇している。

 ⑥市の魅力〜自由記述〜について
 「交通の利便性」「自然の豊かさ」の他、「子育て」や「教育」環境が充実しているとの意見や、スーパーなどの「買い物」が便利という意見があった。
 「交通の利便性」の中身を見ると、大阪や京都へのアクセスの良さに加え、鉄道や高速道路など広域アクセスの良さについての意見も見られた。
 「自然の豊か」では、「自然」を感じることができる場所が多いなど緑の豊かさを魅力に感じるとの意見が多く、「田舎」と「都市」のバランスが程よく取れているとの意見もあった。

 ⑦市内での活動状況について
 参加している活動では、「祭り・イベント」が最も多く21.1%、次いで「趣味・教養」が12.5%、「スポーツ」が11.3%となっている。
 前回調査と比較すると、各項目の順番に大きな変動は見られず、各項目とも前回調査よりやや割合が低下しているが、「子育て支援については、5.4%から5.9%に増加している。
 また、「何もしていない」の割合が、49.2%から52.5%にやや増加している。
 そして、特に「活動していない」理由について尋ねると、「時間的な余裕がない」が最も多く32.7%、次いで「きっかけがない」が30.5%、「特に理由はない」が21.8%となっている。
 前回調査と比較すると、「時間的な余裕がない」が39.4%から32.7%と割合が下がり、一方で「きっかけがない」が23.1%から30.5%に、「特に理由はない」が15.5%から21.8%に上昇している。

 ⑧「おにクル」の取組みを例に「共創」への参加、及び、参加のきっかけについて
 「おにクル」の取組みを例に、共創について参加したいかとの質問に対して、参加したい(「ぜひ参加してみたい」「機会があれば参加してみたい」の合計)が53.9%と半数を超える結果となった。
 また、共創に参加するために必要と考えられることについての質問では、「気軽に参加できるような雰囲気づくり」が最も多く、38.2%となった。

市民アンケートについて〜私の感想


 アンケート結果の中で特に興味を持った部分が、幸せ度アンケートについてである。本市の幸せ度アンケート結果について、男女全体の平均が6.897点、また、世界幸福度報告(2023年)の日本の平均である6.129点とあり、全国平均よりも幸せと感じる人の数が多い結果が記されていた。これは、古代から交通の要所として発展してきた本市の特徴が生かされ、高度成長期1970年大阪万博の玄関口として順調に発展してきた結果だろう。とはいえ、全国的に進む少子高齢化、人口減少の傾向は逃れられず、今後10年以内に人口も減少に転ずることが想定されている。この人口構成の変化の中で、地域で幸せに、豊かに暮らしていくための施策を進める必要がある(そのために私が進めたい施策については、別の機会にまとめたいと思う)
 次に、幸せ度の同居家族構成別の比較を見ると、一人暮らしの幸せ度が6.16点と最も低い結果となっている。この単身世帯の増加が、これからの特徴の一つと考える。単身世帯になった後も、孤立することなく、それぞれの生きる力を養いながら人生を有意義に生き抜く環境を整備する必要がある。この点については、都市環境的にも地域経済的にも取り組むべきだ。

第1回審議会で伝えたこと


 第1回審議会で私が伝えたことが2点ある。
 1点目は、今後10年を見据えた基本となる計画を審議するために、可能な限り客観的なデータを共有する必要があるということだ。そのために、最新版の茨木市統計書、及び、将来人口推計が分析されている第2期茨木市総合戦略を参考資料とするべきと提案した。同提案は、審議会で計られ認められた。
 2点目は、審議会への意見提出についてだ。今回も審議会は2つの部会に分かれて審議される。ついては、所属しない部会についても、各委員からの意見が適宜伝えられるよう要望した。この点についても審議会で認められ、委員が事前に「ご意見・質問表」を提出することが確認された。
 

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