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アマテラス・コントロール(電神)と10周年の節目に

 こんにちは。わしおと申します。

1 ごあいさつ

 この度、5月4日に行われたフューチャーカードバディファイト10th ANNIVERSARY CUP(以下アニバカップ)のAブロックにおいて、電神を携えて優勝できました。
 皆さま、対戦ありがとうございました。

 今回、自分を優勝まで導いてくれたバディと、ともに戦ってくれたデッキに感謝を込めて、文章として記録することにしました。
 これから先、バディファイトを愛する人に少しでも参考になれれば嬉しく思います。

※なお、この記事の内容は、あくまでアニバカップまでに考え、検討していた内容になります。
 例外もありますし、今後、研究が進めばこれらが覆ったり、いつか自分でも「そうじゃなかった」と反省する日が来たりするかもしれません。

2 戦績
  大会の戦績は、次のとおりでした。

一回戦 マジガル 先○

二回戦 逆天アトラ 後○

三回戦 レジェンドラゴン 後○

四回戦 タイムドラゴン 先○

五回戦 ラグナロク 先○

六回戦 雷帝 後×時間切れ

予選2位通過

本戦一回戦 ジェムRe 先○

準決 雷帝 先○

決勝 ゴッドヤンキー 先○

8勝1分け


デッキログ:1AS5E

メインデッキ50枚
ロストデッキ30枚

3 デッキ構築の経過

(1)新カードの公開と研究開始
 2月上旬、新カード一式の公開を受け、それ以前の電神のリストは、過去のものになりました。
 そこから、新しい電神の構築を始めなくてはなりません。しかし困ったことに、今のバディファイトにはレシピが挙がる機会が殆どありません。サービスが終了し、カードショップの公認大会がないのですから当然と言えば当然です。
 参考にできる資料がない以上、自分でイチから考える他ありませんでした。

(2)新たな力「礼拝の神楽鈴“Re:I”」
 記念セットで電神が手に入れた「礼拝の神楽鈴“Re:I”」は、電神を根底から変えた一枚でした。
 先攻1ターン目に装備してそのまま憑依ができて「祭祀 豊穣祈」が3枚引ける、となれば、神楽鈴にサイズ3の電神を重ねるというギミックそのものが非常に大きく強化されたと言って間違いありません。
 アマテラスをメインに据え、戦うことを決意したのです。

(3)電神の“武器”とコンセプト
 アマテラスをメインに据えるなら、メインデッキをアマテラスがもっとも輝く電神属性とし、その強みをデッキに表現するのが理想です。

 まず、主役のアマテラスを決めていきます。
 アマテラスの選択肢は三種類。今回は「日輪三光アマテラス“藤ノ舞”」だけを選びました。
 アタックフェイズに限定されますが、2ドローに加えて電神全体への攻防いずれかのバフ等を行えるカードです。神楽鈴で憑依するのは勿論、さらにモンスターとしてコールしてドローとバフを重ねれば、沢山カードが引けて気持ちいいです。

 でも、ただ手札を沢山抱えても使い道がなければゲームに勝てないし、デッキとしても成立しません。

 アマテラスでドロー力が豊富になっているという事は、そのデッキに組み込んだ、手札から使う“武器”の再現性を高められます。なので次は、ドロー力に掛け合わせられる武器を探しました。

(4)たどり着いた電神の武器

 電神には防御力が高いという特長があるものの、アトラやゾディアックが持つ盤面が剥がれない堅さ、「ファイターズハイ」「クロノスペリオ」のような1枚でターンを保証する魔法もありません。また、他デッキのパンプ値を見ると、防御力の数字も不安が残ります。相手の100%を守り切る程の力はないと感じてしまうようでは武器と呼ぶには不十分だと考えます。

 私がたどり着いた電神最強の武器。それは、魔法「バツバツマナー」です。
 魔法の無効化のみでなく、再使用まで制限する効果は、他のワールドやテーマに類を見ません(「クロノスリバース」が似ていますが遭遇頻度が少なくタイミングも遅いので保留)。唯一無二の妨害札と言えるでしょう。
 単純な魔法無効カードでは、相手に2枚目を持っている魔法を使われ、こちらが妨害したと思ったらもう1枚…なんて場面が起こってしまいます。
 「バツバツマナー」には再使用を封じる効果があることから、その手のブラフは無縁です。また、「エタニティリング」や「終点」のような、1ターンに複数撃てる魔法を根こそぎ封じられるのも強みです。

 これらのことから、対戦相手に恐れを抱かせ、理不尽な圧力を与えられる武器として、私は「バツバツマナー」を選択しました。

 もっとも、電神の他にもヒーローワールドやレジェンドワールド、ゴッドクロック等にも魔法無効は存在しますので、魔法無効自体はそれほど珍しい存在ではありません。また、他の魔法無効と比べて同名キャストを止められるからと言って、バツバツマナー1枚では相手に理不尽を押し付けるには足りません。

 リソースを得やすくなった現代バディにおいて、魔法無効を無理なく搭載できるデッキも多数ありますから、魔法無効1枚を乗り越えられる構築とプレイングは、研究が進んでいることかと思います。
 そのような研究をしてきた皆さんと、アニバカップで対等に戦うには、どうしたら良いのでしょうか?
 

(5)結論…武器を増やす。

 足りないならどうするか?簡単です。増やせばいいのです。もっともっと押し付ける。魔法無効自体の数に加え、モンスターにも干渉していく。せっかくアマテラスがドローしてくれるのですから、多めに搭載して、沢山ぶつけます。

 バツバツマナーのほか、カタナワールドには1枚限界の魔法無効「鬼道 桜吹雪」や、サイズ2以下のモンスターのコールを妨害する「忍法 畳返し」が存在します。「ロイヤルティ」のようなジェネリックも含めれば、妨害カードの選択肢はかなり豊富と言えます。

 これらを多く搭載し、引き込み、適切に使うことができれば、相手の後攻1ターン目の展開、盤面上でのやり取りの後で相手が立て直そうとする展開に、大きな影響を与えられます。
 相手の攻撃の展開を絞ることで、少数の「自由なれ黄泉津華」や「夢と真実の狭間ReAc:ムーン」でターンを得やすくしていく…これが、電神のコントロールで理想とする展開です。

 そうです。電神は、コントロールデッキなのです。
 《アマテラス・コントロール》です。

(6)コントロールデッキの理想的な立ち回りを求めて

 アマテラスをはじめドローソースで必要な妨害札を集め、動きを制限した相手の攻撃を盤面を活かして守り、殴り返して制圧する…自分が目指した電神のコンセプトはそのような形になりました。タイムドラゴンやコスモマンに通じるところがあるかもしれません。

 「礼拝の神楽鈴“Re:I”」が公開されてからは電神に投入可能な各新カードの使用感を確かめながら、対面ごとに適切に妨害を切る事を集中的に追求しました。

 環境、というよりデッキの強弱は存在していたものの、私のようにアニバセットで自分のお気に入りのデッキが強化されたならそれを使いたいプレイヤーも多いのではと考え、あえて対面のデッキは選ばずに様々なデッキとフリー対戦を行いました。
 様々なデッキに対するコントロールデッキの立ち回りを経験するためです。

 立ち回りの経験値に手応えを感じてきたところで、次は苦手な対面の研究を行いました。
 電神にとって苦手な対面は、ゴッドヤンキーやタイムドラゴン…除去や妨害を好むデッキです。これらは、特に力を入れて研究しました。

 いずれも後攻に回れば求められる手札のハードルが跳ね上がるため、残念ながら結論は「先攻取れなきゃ大体負け」に留まってしまいました。しかし、逆に先攻を取れたなら、相性を先攻のアドバンテージで覆せるように、相性で後攻の不利を捲られないように、妨害のしどころやフィニッシュのルートを模索しました。
 特にタイムドラゴンについては、自分でも使ってみる事でかえって電神にも生かせる知見やタイムになくて電神にある強みを見つけることができました。
 マッチアップしたらどうせ負け…などと腐らずにやってよかったです。

4 迎えた当日

 このような経験の甲斐あってか、アニバカップにおける全9試合の内7試合はメインデッキのみで殴り切っています。先攻を多く取れたのが非常に大きいものの、先攻のアドバンテージを損なわないという意識、メインデッキのみでもコントロール力をフィニッシュに繋げられたという点では、電神の武器を活かしたデッキ構築は成功していたと思います。

5 使う理由

 アニバカップで電神を使う…これだけは、大会の情報が出た時から当日まで揺るぎませんでした。アニバセットの新規カード情報が出るより前からです。

 なぜなら、私はアマテラスが大好きなので。
 バディファイトの中でもっとも愛おしくてたまらないので。
 どれだけ好きかはひとまず置いといて、そうであればアマテラスを使えるカタナワールドを主体にデッキを構築して持ち込むのは、私にとって決定事項でした。

 何より、運営様の熱意で生まれたこの大会は一番好きなバディと参加したかった。

6 メインデッキの各カード紹介

◎主軸

《日輪三光アマテラス“藤ノ舞”》

 最愛のバディ。2ドローに加えて攻撃バフとゲージ加速か、防御バフとライフ回復を1枚毎に選べる。憑依の第一候補としては勿論、モンスターとしてコールしてもバフが重なる上、後述のリアニメイトでドロップにいてもおいしいので4枚。

《自由な大電神イザナミ》

 憑依の第二候補。ドロップにアマテラスがないと出番がなく、その後も手札に1枚見えれば十分なため控えめの2枚。メインデッキで殴る時は後続を生み出し、ロスト後にはロストベイダーをアマテラスで押し出す事で刻デストロイヤーのスイッチになる。

《礼拝の神楽鈴“Re:I”》

 名称ターン1の対抗起動でサイズ3をアイテム扱いできる、メインギミック。花の舞姫という保険はあれど、できれば1ターン目に装備していたいから多く積みたい。でもマシロで守れてたり、手札にダブつくと無駄札になるので、調整と葛藤の末に3枚。

《ロストワールド》

 フィニッシュへのアクセス。他デッキの水準と比較すれば、耐性や攻撃性能が控えめの電神は、アタッカーの殆どをロストデッキに依存しているので、上限いっぱいの2枚。アマテラスのドローに加えて、電神迎えでゲージから探す事もできるため、メインデッキとの相性は良好。


◎妨害

《バツバツマナー》

 電神最強の妨害札。完全に腐る対面はドラゴンツヴァイくらいで、絶対に1枚は握りたい。引けなかったから負けたって言い訳が嫌いなので最大努力の4枚。

《鬼道 桜吹雪》

 ゲージいらず、盤面要求なしのコスパ面で最強の妨害札。規制ルールは守らなきゃいけないので無念の1枚。後手の初手で舞姫憑依ができなくても撃てる。バツバツマナーと違い、ゲージがない事=妨害されない、に繋がらないので未使用だったりドロップに見せなければ相手に常に存在を意識させられる。

《忍法 畳返し》

 サイズ2以下のコール無効。元々はアルティメットガルガを強く見たカード。仮想敵自体は数が減ってもオメガやシャドウスキアー、ハリー、神ガルなんかには有効札なので2枚。プレイングでケアできるロイヤルティよりも、効力が高いと見た。タイムソルジャースピガのような「1ターンに1枚だけコールできる」カードに当てると、そのテキストはコール宣言時に適用されて、コールを無効化された後もコールできなくなる。

《夢と真実の狭間ReAc:ムーン》

 妨害札兼特定ダメージ軽減兼デバフ解除要員と役割多過ぎのカード。ドロップ妨害よりもアマテラスへ連携した相手に5点以上軽減で使う場面が殆ど。私基準なら4枚積むべきカードだけど、アトラのような3つのどれも刺さらない相手も存在するため3枚。

◎潤滑油系

《神楽 花の舞姫》

 相手ターン中に神楽鈴を装備できるインチキカード。後手の出遅れを捲るキーカードになり、盾でもあって腐らないので4枚。デッキ枚数が50枚の理由は、このカードを初手に引くための最大限の努力。

《電神祝祭》

 メインフェイズにサーチする4枚目の神楽鈴といった枠。本当に神楽鈴4枚目だと手札で邪魔になるので、攻撃補助や妨害の釣り出しにもなり得て役割を持たせられるので1枚だけ採用。

《フューチャーカード バディファイト》

 初動。アマテラスを一番強くサーチできて、コールコストや妨害札用のゲージを生み出せる。一度しか使えないけど、一度は撃ちたい。日輪三光アマテラスを2枚展開するのが理想で大体撃ちたい時しかないが、腐ることも配慮し3枚。対抗のテキストはいずれかを選択してからライフ5以下のプレイヤーがいるかを参照するため、リカバーベールのような即席のゲージ作りも可。

《神楽 電神迎え》

 電神最強のリソース魔法。ゲージから好きな1枚を加えられ、撃ちたくないターンが殆ど存在しないため4枚。電神とロストが相性良いとされる理由のひとつ。直後に払うゲージも調整できるので、リアニメイト対象のモンスターや身代わり用のマシロを落としたり、逆に相手へ見せたくない札をゲージから払わないようにケアできる。

《祭祀 豊穣祈》

 先攻1ターン目からフルパワーになれる化け方をしたドローソース。撃つのは気持ちいいけど、ゲージを払うのがアマテラスのコールや妨害用のゲージに触れてしまう場合があるため注意。アマテラスが回ればメインデッキとロストデッキで1回ずつ撃てればいいので、3枚。

《守護電獣ゴリョウ》

 初動。ドロップにあればうつせみでリアニメイトできるため、相手のターンでも足りないカードを探しにいける。アマテラスがいると出番が減るので3枚。

《リカバーベール》

 申し訳程度のハンデス対策兼盾。一番の役割はロスト化直前の即席ゲージ要員。このように特殊な状況下でしか頼る機会がない程度にはカードパワーが低めなため、1枚。

《うつせみの術“Re:S”》

 最強の無償盾テキスト兼カタナ限定リアニメイト。ゴリョウの使い回しやアマテラスの追加展開とリアニメイトだけでも使い方は豊富。ターン1だけど、ワンキル対策で握りたいのと、使わずに手札で渋滞する事もないため3枚。1ドロー付きのため、手札から直接コールするよりこのカードを介した方が実はお得。

《超・絶命陣“Re:I”》

 各種妨害札を筆頭に、カタナ魔法ほぼすべての+1枚になれる必殺技。神楽鈴も舞姫も引けない時は最悪、舞姫を仕込んですかさずキャストして装備する。1枚設置できれば十分なので、使えたらいいやという意味で1枚。構築上フューチャーカード、神楽鈴、2枚目のロスト等の腐りやすい札が他にもあるのが影響。

◎防御札等
 ※上述の役割と被るものは省略

《自由なれ黄泉津華》

 神楽鈴ギミックが機能してれば3回目の攻撃からアタック・ファイナルフェイズを飛ばせる盾。枚数は大会当日まで悩ましかったけど、使用頻度が少なかったのと超絶命陣で仕込む事もできたため2枚。フワついた理由で申し訳ない枠。

《電獣神使マシロ》

 電神全体へそのターン限りの破壊バウンス能力無効化耐性の付与。ドロップにいれば前述以外のあらゆる除去からアイテムを守れる。タイムドラゴンやゴッドヤンキーのような除去を得意にしてる対面に必須となるため、3枚採用。

◎メタ

《逆天鬼神 剛刃丸》

 逆天で自軍に擬似潜影を付与できる、ミライパレット内蔵のアトラ対策。この対面だけはどうしても、「相手に○○がなければ」などと期待しないと制限時間内に勝てないため、1枚投入。うつせみのリアニメイト対象になり、デッキ以外に見えたなら出せる。デッキと相性が悪いためコストが重いけど、相手に逆天させた後のターンでライフを0にする以外に役割がないため、コスパは気にしていない。恩寵ブロック依存の相手にも有効か?

 ※もしもこのリストをそのまま試される場合はこの枠を、黄泉津華、超絶命陣、ムーンのいずれかの増枠か、恩寵やバーンノヴァ、または後攻でも憑依や妨害にアクセスできる10thアニバにする事をおすすめします。


 アニバカップを終えた今、優勝者達のデッキをはじめ、当日まで隠されていた多くのデッキが露見し始め研究されていて、私の電神もすでに賞味期限は切れていると思います。おそらく、採用カードの採用理由や枚数の根拠よりも最初に書いたコンセプトを知っていただいた方が、今回の私のデッキよりもっといいリストへ広がると思います。

7 最後に

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

 正直なところ、当日まで私は自分が優勝する目標も意識もありませんでした。表彰式を終えた後は帰りの特急の時間にかなりギリギリになって、旅の終盤は友人を巻き込んでわたわたしてしまいました。会場で祝福してくれた方々ともゆっくりお話ができず申し訳ありませんでした。

 以前、とあるバディファイターの書かれた記事を拝読して、本気で勝つ事を目標にするストイックさに惹かれた事があります。
 しかし、その方のように自分の時間すべてを捧げて研究し、周囲の人間とそれを共有するほどの事を、私はしていません。「勝つ努力」というものに結果以外の基準が存在するなら、間違いなく私は足りてない側の人間です。デッキを作り始めてからの3ヶ月にはバディファイトに触れない日もあったし、他の遊びに興じたりもしていました。今でもまだ他にやる事あっただろと思う時があります。

 それでも使える時間と機会で調整を進めたのは結果よりも、電神がせっかく新しいカードを貰って強くなれたのに、好きでいる自分がカードの力を知らないまま使いこなせずに負け散らかすのが嫌だからでした。時間や資源すべては捧げられないけれど、せめて当日までにできる事をできる限りやって、思い付いた事を試して、一戦一戦向き合って、負けた時に「カードが弱い」なんて勘違いをしないように努力しよう、と、ずっと考えていた3ヶ月でした。

 また、今回の大会と新規カードがキッカケで、当時バディファイトを一緒に遊んだ仲間達と再会して遊ぶ事もできました。これが一番嬉しかった。大会後の今も私にバディをしようと声をかけてくれる方がいて、本当に幸せです。サービスが終了してから私を含めみんなバディファイトから離れて、それ以外の趣味が合わなければ案外簡単に疎遠になってしまっていたのが、寂しかったので。

 私自身、これから今の熱のままいつまでバディファイトで遊び続けるかわかりませんが、どんなに持ち物を減らしても大好きなアマテラスのデッキと調整カードは生涯離さないでいるつもりです。そしたら、いつかまた誰かが遊んでくれるはず。

 だから、いつか私と遊んでください。

Believe our future!!


#バディファイト

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