あとがき
ラストライブから4ヶ月。
グループが幕を下ろした、いちアイドルの思いの丈、です。
あとがき の はしがき
2024年6月23日にsui suiは5周年をもって活動を終了しました。
私が私でいられる大切な居場所でした。あなたに出逢えた大好きな居場所でした。
私は追加メンバーで、軌跡も背負う覚悟で受けたオーディションからちょうど4年、デビューして3年3ヶ月。軌跡は、気づけば自分が加入してからの時間の方が長くなっていました。
それでも歩んできた日々を数字で見るとなんだか呆気なく短く思えて、悔しい。
きっとそれは、その数字の中に、数字では図れないどんなに沢山の想いや出来事が詰まっているか、どんなに素敵な輝きがあったかを知ってしまったから。
sui suiとして生きた日々の記憶、みんなとの大切な記憶を、記録として残しておきたくて、あの日からずっと、目の奥に残る景色や気持ちを反芻しては下書きに書き留めていました。
そして、sui suiが幕を下ろした後の自身のことについても言葉にしようとしていました。期待も不安も沢山言葉をかけてもらっていたから、何も明言できてないままだったのが心に引っかかっていて。
だけど、いざそれらを纏めようと、向き合おうとすると、扱うには大きすぎる感情に胸が詰まり、何度も手が止まってしまって。
これを書き終えてしまったら今度こそきっと自分の中でsui suiに対して本当にひと区切りついてしまうんじゃないかって、それが怖くて、まだ未練がましく引きずっていたくて、逃げていたところもあるのかもしれません。
ラストライブはもうとっくに終わってるのにね。
約束を繋いでいくのが難しいこの業界で、あんなにも愛と泣き笑いに包まれてあたたかい気持ちでラストライブを締めくくることができたのは、本当に幸せなことだった。
そう心から思う反面、
大好きな場所を大好きなまま幕を下ろせたからこその離れ難さは想像以上に後を引き、自覚していた以上の思い入れの深さに気づく度、私だけがいつまでもあの日に取り残されているように感じてしまう日もありました。
ラストライブ円盤化のために映像チェックをしている時も、「映っているこの人は本当に自分なんだろうか、夢みたいな日々は本当に夢だったんじゃないか」って、疑いたくなる瞬間もあった。
記憶が鮮明なうちに、夢から醒めないうちに、この気持ちを忘れないように、みんながsui suiのこと忘れてしまわないうちに、早く書かなきゃって思うのに、言葉が追いつかなくて。
何を伝えればいいか、というかそもそも何かを伝えるべきなのかどうかも迷って、書いては消してを繰り返した矛盾だらけの散らかった文字を眺めるだけで気づけばどんどん時間は進んで。
note出すのももう今更かな、とお蔵入りさせるか何度も悩みました。
だけど、ちゃんと書き切って言葉を手から離さないと、私自身が本当の意味で前に進めない気がして。
整理しないまま、ぼんやりした気持ちのまま、ただ記憶が遠ざかってしまうのを待つのは嫌でした。
自分たちで幕を下ろしたからこそ、あんなにたくさんの愛と素敵な終わりの日をもらったに相応しい人間でいなきゃと思うし、そうありたい。
ラストシングルに歌った「永遠」という言葉にどんな意味を持たせられるのかは、これからの自分にかかっているような気がするから。
応援してくれたみんなと一緒に生きた時間を幻だったかのようにアイドル側が思ってしまうのは、いちばんしちゃいけないことだと思った。
書き切って区切りがつくのが怖かったけど、
「思い出を切り離して閉じ込めておくため」に書き切るわけじゃなく、
「抱えきれない気持ちと思い出を整理して、夢じゃなくて本当だったことを確かめて、どこかに取り出しに戻る必要もないくらい自分の一部だと思えるようになるため」に書き切ろうと思いました。
sui suiをただ”過去”としてどこかに冷凍保存しておくのではなく、水が身体中を巡っているみたいに、これからの毎日に一緒に連れて行けるように。
気の持ちようでしかない綺麗事かもしれないけど、
「綺麗事は”希望”なんだよ。sui suiは、和音ちゃんはこれまでずっと”希望”を歌い続けてくれた。だからありがとう」
ってファンの方が言ってくれたこと、忘れられないから、
やっぱりまだ私は綺麗事言っていようと思う。
”心添えて生きた日々を過去にしてはあげない”
”やっと始まりとわかってるから”
ラストシングルの歌詞、気づくと心の中で歌っている自分がいます。
忘れたくないこと、伝えたかったこと、頭の中で考えてきたことやアイドルへの思い。そして、今の気持ち。私はいつも心の中に全部をしまってしまいがちな人間だったけど、誰かに話してみたいと思えるようになったこともあって、今書き残せるだけ書き残してみました。
とっ散らかっているところもあるかもしれないけど、それが今の等身大です。
note、開いてくれてありがとうございます。
現在とこれからのこと
-荒療治の末、なんとか元気です
みんなへ
おひさしぶりです。元気ですか。元気だといいな。
最後のチェキや宿題チェキを頼んでくれていた方は、無事届いたでしょうか。これからの毎日に、笑顔になれることがなるべく沢山あってくれたらいいなと願っています。
ラストライブ後しばらくはひっそり(?)更新していたインスタも何も言わずほぼ動かさなくなっていたので、心配させたり、はっきりしないな、と思わせていたらごめんなさい。
「和音ちゃんはsui sui終わったらどうするの?」って聞かれた時にはいつも、「正直まだアイドルやりたい気持ちはあるし、どんな形になるかは分からないけど音楽はこれからもしぬまでやめたくないな…」って答えてきました。その気持ちは全く嘘ではなかったし、今もステージで歌いたくて踊りたくてしょうがないです。
だけど、sui suiが終わるにあたって色んな思いがあって、悩んで、一度ステージのことから離れる時間を取った方がいいかもしれないと思い、
実は思い切って今、海外に留学しています。
日本を離れて2ヶ月半くらい経ちました。一応どこの国はぼかしておこうと思うのですが、まあまあ遠いところです。なのでまあまあ時差がありまして、みんなが夜なら私はお昼くらいです。(ぼんやり〜)
6月末にラストライブを終えた後、余韻もそこそこにバタバタと準備や引越しに追われ、8月中頃に渡航しました。
みんなへの最後のチェキを描き終わって事務所に届けに行ったのが渡航2日前だったので、ギリギリまでsui suiのことで頭がいっぱいで。
sui suiが終わった実感もアイドルとしての日常を失った実感もなければ、これから異国で生活する実感もない、自分でもよく分からないふわふわした気持ちのまま飛行機に乗ったのを覚えています。
「そんなんで大丈夫?展開早ない?」って周りの人にも言われたし、自分でもまあそうなるだろうなとは予想していました。
でも、それも敢えてで、こんな半ば荒療治のように渡航したのには理由がありました。
sui suiが幕を下ろすことが決まり、その後どうするのか悩んだわけですが、すぐにステージに復帰する選択肢も考えなかったわけではないです。
「またアイドルやらないの?」と声をかけてもらうたび、 ”オーディション”や”メンバー募集”という文字を見かけるたび、正直心は揺さぶられました。
だけど、sui suiと応援してくれたみんなのことだけを考えて大切に大切に最後まで走り切りたい気持ちの方がはるかに強く、「sui sui以外で」という考えを両立できるほどの隙間を心に作りたくない自分がいました。
それに、sui suiを全力で走り切った後、自分がどんな気持ちになるのかが想像できなかったというのもあります。
もしかしたら「ステージの記憶はsui suiだけがいい。もうやらない。やり切った。」って思う可能性も0じゃない。もうやらない、とまでは思わなかったとしても、しばらくは引きずって切り替えられないかもしれない。それくらいの覚悟をもってこの世界に飛び込んだし、sui suiを、みんなの事を大切に思って歌ってきたから。
そんな状態で新しい仲間を探すことはどの方面に対しても不誠実だと思うからしたくなくて、仮にすぐに気持ちを切り替えられたとしてもすぐに良きご縁に巡り会える保証はもちろんないし、はたまたソロで続けてみる???というのも頭をよぎったけど、一体どんな気持ちで歌えばいいかわからなくなりそうで。
自分一人が存在するだけで成立する活動ではないからこそ、中途半端な精神状態ではやりたくありませんでした。だから、迷いなくまたステージに立ちたいと思えるようになるまでは、一旦復帰云々のことから離れて、sui suiの終わりを消化するための時間をとらないといけないな、と思いました。
ただ、何も自分に課さないでいると、ラストライブが終わったらただの抜け殻になって戻ってこれない予感もして。そのくらいsui suiは私の全てになっていたから。
もしまた音楽でみんなに会いたい気持ちがあるのなら、少しでもその可能性があるのなら、ただ抜け殻の時間を過ごすんじゃなくて、次に会えたときもっと胸を張れる自分でいられるように、もっとなりたい自分に近づくための時間にしたい。
もう会うことがなかったとしても、見えてなくても、ずっときみの自慢の推しメンでいたい。
そう思って浮かんだのが、一度海外に行って、新しい環境で新しいものにたくさん触れながら、興味のあることに向き合って、自分の可能性を広げてみることでした。
またステージに戻りたい気持ちが少しでもあるならきっと先延ばしにしている暇はそんなに無くて、逆に今すぐしかない!と思い、ちょっと無理矢理なスケジュールでしたが思い切って来てしまいました。
✈️
-アイドルになりたかった子
といっても、さすがに突拍子もなく海外行こうと思い立ったわけではなく、
実はsui suiのオーディションを受ける前、色々あって本当は長期でとある国へ行く予定をしていました。
だけど、その計画を、ある意味では人生設計を自ら白紙に戻してアイドルになることを決心し、今の私がいます。
高校生の時、とある国で学んでみたいことを見つけて、大学もそのために選んで勉強してきたようなもので、色んなことを逆算してコツコツ準備もしていて。
だけど、本当は物心ついた頃からいつも、本当にずっと、アイドルになりたかった。それが一番の夢だったけど、周囲の目や期待、好きなことや楽しいこと(特に芸事)はやりたくても我慢しなくちゃいけないものだという積年の思い込み、周囲の流れや自分がそれなりに歩んできた道からそれることに対する自信のなさを言い訳に、アイドルを目指せない理由ばかり考えて並べて、ステージに立つことを諦めた人生に納得できているふりをして、気持ちを誤魔化し続けていました。その夢を誰に打ち明けることもなく、自分でも忘れてしまいそうになるくらいの心の奥底にしまって、ひた隠しにしてきました。
未来になるべく堅実な選択肢を多く残すことばかりに目を向けて、それが一番大事だって言い聞かせて、"今"の心の内を蔑ろにするような生き方をしていた気がします。
長年そうやって心に対して嘘をつくことに慣れてしまうと、今度は心の方から嘘をついてくるようになります。だんだん自分のことがよく分からなくなっていました。
心に嘘をつくスキルは上手く使えば自分をいい方向に持っていけると思うんだけど、私は下手だったようで、つき続けた嘘は少しずつ心を蝕んでいました。
いつもどこか心が晴れず、時間ができると現実から逃げるように衝動的に電車に乗って行き当たりばったりの散歩をする癖がありました。どこで降りてもいいしどこで道を曲がってもいい放浪旅。
振り返ってみれば、きっとそれをすることによって、素直に心のゆくままに従ってみたい気持ちを浄化させようとしていたんだろうなと思います。
でも、"カタルシスのままじゃ終われな"かった。
浄化した気になっていた本音は、"まるで呪い"のようにいつまでもまとわりついていました。
いつものように大好きなアイドルのライブを見にいって楽しい気持ちになるはずだったある日、
「こんなにもずっとステージの向こう側に行きたいと思ってきたはずなのに、どうして今日も私はこっちに立ってるんだろう」と突然心が曇り、自分だけぽつんと画面の外にいるみたいに感じた日がありました。
ただ夢見ている間は”いつか”叶うような気がして心地よくても、その間にも年月だけはしっかり経っていて。
「"いつか"を夢見てればいい時期はとっくに過ぎてたんだ」と気づいてしまったその時、年月分の後悔と自己嫌悪が襲い、それからは大好きだったはずのアイドルを見ても、辛い感情の方が心を占めるようになりました。
それでもなお臆病な私は「人生望んだもの何でも手に入るわけじゃない、私はただの欲張りなだけ、諦めよう」って何度も言い聞かせて、その気持ちをかき消そうとしていました。
でもどうしても消えなかった。
やっぱり人生は一回しかなくて、いつ終わるかもわからなくて。今この曲がり角を逃したらもう次はないかもしれない。このままじゃこの先きっと何をやっても後悔を引きずって辛いままながする。アイドルやらないと人生終われない。そんな気持ちにもう蓋をできなくなって、ようやく、踏み出すことを決めました。
そんな中、出逢ったのがsui suiのオーディションでした。
考えてみれば、自分で自分の本音を受け入れずしまい込んでかき消して、挑戦することすらもしてこなかった私は、そもそも「アイドルを諦める/諦めない」の段階にすら立てていませんでした。
後悔からの始まりだったけど、 初めて自分の人生が自分の手の中にある感覚がしたのを覚えています。
オーディションの帰り道、一緒に受けていた子たちと散り散りになり一人でホームで電車を待っている時、人生でいちばん清々しい気持ちでした。
「できるだけのことは全部やったし、これで落ちたとしてもいいや、悔いなし」ってすごく心が軽くて、めちゃめちゃ空は晴れていたけどそれ以上に目の前が明るく見えたあの日の感覚が、ずっと忘れられないし忘れたくないなと思います。
踏み出せば見える景色が変わることを実感した日でした。「やらない後悔」って相当重かったんだな、と理解した日でした。
今過去の自分を振り返ると、こんなに長い間うじうじ悩まず、難しく考えず、さっさと挑戦しとけばもっと生きやすかったんじゃないかってものすごく思ってしまうけど、それは今だから言えることであって、振り返ると小さな一歩でも、当時はものすごく大きな一歩だった。自分の本心に気づくこと・何かに踏み出すことって、そう簡単なことではなかった。人間それぞれ不器用な部分や現実の難しさを抱えているから、きっと私以外にもそんな葛藤を抱えた人はいるかもしれなくて、もしそんな人がこれを読んでくれていたら、時間はかかったけれどあの時勇気を出して行動してみて本当に良かったよ、ということは伝えておきたいです。
悩むのも悪いことばかりではなくて、長いこと悩みぬいたからこそちょっとやそっとでは折れない固い意志を持っていられたと思うし、タイミングが違えばsui suiとは縁がなかったかもしれない。
sui suiだったから巡り会えた人、得られたもののことを思うと、踏み出せなかった時間も意味があったなと思うことができています。
話を戻して。
留学したい気持ちは本当だったけど、それよりもsui suiでたくさんの夢を叶えさせてもらったこと・音楽を届ける喜びを知ったことの方がはるかに大きく心を占めていたので、その道を絶ったことにさほど未練はありませんでした。(いつか旅行で行けたらいいな、くらいの気持ち)
アイドルになる道を選んで、本当に本当に良かったと思っています。
でも、sui sui活動終了後に抜け殻にならないための策を考える中で、その一度断った道のことを改めて思い出した時、当時とはまた少し違うモチベーションでしばらくその国に行ってみたい気持ちがぽっと生まれました。
アイドルになったことで、ファンの方はもちろんたくさんの人に出会い、色んな場所で色んな経験をさせてもらって、世界が広がり、自分の好きなこと・ものの解像度も上がって、挑戦する勇気も育ったことで、やってみたいことも増えていて。
今の自分の可能性を広げてくれるものがそこにはあるような気がしました。
そう思うと、やらない後悔の重みを知ってしまっているからこそ、今、行かなきゃ行けない気がしました。
日々、言語も文化も違う中で、疲れや落ち込みも時折ドーンとおそってくるけど、そういう時はいつもsui suiとして生きた日々が、みんなからもらった言葉や愛情が、私を立ち上がらせてくれています。
この前友達に「人生で一番やってよかったことって何?」って聞かれたのですが、迷いなく「アイドルになったこと」って即答している自分がいて、それがなんだか嬉しかった。
私をアイドルにしてくれて本当にありがとう、っていつも感謝の気持ちでいっぱいです。
-いまのきもち
他人事みたいな言い方になってしまうけど、どうやら想定していた以上の喪失感を感じているみたいで、ふとした時にまだ涙が出て、あれれれれ、ってなる。本当にsui suiは、みんなは、私のすべてになっていたんだなあって思う日々。
終わりの実感が何段階にも遅れてやってくるから、 やっぱりそんなにすぐは切り替えられなかったな、って思うし、一度ステージから離れる選択をしたのは正解だったような気がする。
ラストライブから4ヶ月経って、異国での生活にも慣れて、そんなふうにゆっくりとsui suiの終わりを受け止めながら、今考えていること。
noteの冒頭で、「歩んできた年月を数字で見て”短い”と感じてしまうのは、数字の中にある数字では図れない密度を知ったから」的なことを書いたけど、 ”短い”と感じてしまう理由はきっとそれだけじゃなくて。
矛盾してるかもしれないけど、やっぱり本当はもっとステージの上で歌って踊っていたかった気持ちがあるからなんだろうなって思います。そして、もっともっと長く続けている人もたくさんいる中自分なんてまだまだで、もっとできたことがあったんじゃないか、という自分の未熟さへの後悔もちょっとあるから。
「まだステージにいたい」って思えているうちがもしかしたらアイドルの潮時なのかもしれないけど、それでも。
だから、ステージに戻る可能性は考え続けたい、チャンスを掴める自分でいる努力はしていたい、というのが今の正直な気持ちです。
実は帰国の時期を明確に決めずに来たので(まあまあ破天荒)(もちろんビザの関係で帰国しなきゃいけない期限はあります)、日々動きながら学びながら(&喪失感を癒しながら)、これからのことぐるぐる考えているところです。
今までじっくり向き合えていなかった好きなことを心の向くままにやってみる時間にもしたいなと思って、日々絵を描いたり、ギター弾き語りしたり、たまにピアノ弾いたりもしています。あとは行きたかった場所に行って見たかった景色を見たり。これから自分ができること・やりたいことを広げつつ、具体的にしていけるように頑張るぞという気持ち。
ある意味帰りたいと思えばいつでも帰国することはできるけれど、まだ今のところ自分に納得できていないし、達成したいこともあるから、ポジティブな気持ちで帰ってもいいなと思えるまではもうしばらく修行しようと思います。帰る時は一回り成長した自分でいたい…!
この選択がどんな結果になるかわからないし、せっかくアイドルになる夢を叶えられたのに築いてきたものを自ら手放しているだけなんじゃないか、本当にこれでよかったのかな、と心が揺れてしまう日もあります。
だけど、そんな自分も認めながら、これまでの私とこれからの私を繋ぐ意味のある時間になるように、なりたい自分にもっと近づける時間になるように、頑張りたいです。
長くなりましたが、そんな感じで生きております!
元気だよ〜
・・・
これも明言できてなかったので一応。
SNSは今まで通り残します。
ここしばらく動かせてなかったけどこれを機に、またぼちぼち日常やら感性を垂れ流す場所として使っていきたいな、って思っています。Instagram(amarika08)をメインで使う予定だけど、もし今後何かお知らせなどがある時は、X(@kazune_suisui)でも必ずお伝えするつもりです!
・・・
以上、現在とこれからのことでした!
・・・
備忘録
- 夜明け
6月23日。超えて24日。sui sui 最後の日。
3時間半超えのラストライブの後、延長した特典会は朝の4:30過ぎくらいまで続いて、片付けを終えてふと窓の外を見たときにはもう明るくなり始めていた。
外に出ると、さあ門出ですよ~って言われているみたいにすっきりと晴れていて、でも、前日の雨の余韻が残る早朝のちょっと冷たい空気が心地よくて。そんな終わりと始まりの境目。
夜が明けたら夢から覚めるはずなのに、夢みたいな日々は夢じゃなくて本当で、だから覚めないままで、確かにそこに自分は立っていた。
「わ〜もう朝やん」「夜明けだ〜」「夜明けフィルターだね〜」ってメンバーと頭が働いてなさそうな会話をしたような気がする。
2021年にリリースした『夜明けフィルター』は、今の4人のsui suiらしさや精神性を形作る契機になったような曲だと思っていて、それぞれの夜を乗り越えて、それぞれの夜明けを願いながら、これまで走ってきたような気がする。
3年越しの答え合わせするみたいに、こんな素敵な夜明けを迎えて私たちはsui suiを卒業しちゃうんだ、ってひとりでポエミーなこと考えてしまった。
そんな風にあらゆるところにsui suiをリンクさせては伏線回収みたいなことをしたくなるくらいに、ずっとsui suiのことで心をいっぱいにしておきたかった。
家につくと、何かがほぐれたかのように涙が止まらなくてびっくりした。会場でもまあまあ泣いてたけどそれ以上に。今でも言葉が見つからないくらい味わったことがない感情だった。時間が過ぎるのがただただ惜しかった。
荷物を片付けながら、いつもなら次のライブのために必要なものをまとめ直していたけど、あ、それももう必要ないのか、って思ってちょっと寂しくなった。
でも寂しいだけじゃなくて、すごくあたたかい気持ちの涙で、人間こんな涙もあるのか、って不思議な感覚だった。
私はあんまり泣かない、というか泣けない人間で、涙が出るほど感情が動く・出せる人のが羨ましいとさえ思っていた。「和音ちゃんは泣かないと思ってた。初めて見たかも。びっくりした」ってファンの人にも言われたし、私もそう思ってた。
なんでこんなに泣いちゃうんだろうって思いながらも、凝り固まっていた心を解くことができたような気がして、ひとつ殻を破れたような気がして、ちょっと安心もしていた。
きっと今までずっと、自分が自分でいられる居場所を探していたんだと思う。居場所は探したっていつまでも見つからなくて、自分が鎧を下さなきゃいけないだけだって本当はわかってて、でも自分でかけた呪いを解くに解けなくて、sui suiは、そんな自分を変えるきっかけをくれた居場所で、ここが私の居場所だと思えてたんだ、って気づいた嬉しさに泣いていたような気もする。
アイドルになるのは一大決心だったし、アイドルになってからも、逃げてきた自分と向き合って、勇気を出しつづける連続の日々だった。それがこんなにも暖かく素敵な形で、素敵仲間と走り切れたこと、あの日の決心が間違ってなかったと思えたことへのホッとした涙でもあったかもしれない。
この感情も記憶も遠ざかっていくのが惜しくて、薄めたくなくて、疲れと眠気に抗うようにSNSを開き、みんなのつぶやきをぼんやりと見ながら、ゆっくり、ゆっくり、眠りに落ちた。
長い長い1日に身体が疲れていないはずが無く、目が覚めたら体中が痛かった。でもその痛みは、夢みたいな日々が夢じゃなかった証で、だから消えて欲しくなくて、まだ痛いままがいいやーと思った。いつもだったら引きずらないように対処してたけど、ほったらかしにした。
余韻を引き伸ばすように、SNSに流れてくる写真やつぶやきを追った。思い出がたくさん頭をよぎって、みんなの感情と一緒に生きてきた日々がどんなに輝いていたかを噛み締めた。
そして、その日々は全部メンバーと一緒に生きた日々でもあって。本当にいつも一緒にいて数えきれないほどの景色や気持ちを一緒に積み重ねて乗り越えてきたんだなって思って、改めて”メンバー”っていう特別な存在に胸がぎゅってなった。彩凪ちゃんユーキちゃん葵已ちゃんと一緒に歌うの大好きだったな、一緒に走ってこれて本当に良かったな、って、ステージに4人横並びの写真がすごく誇らしかった。
応援してくれたみんなからもらったお手紙も読んだ。
自分の中の愛情というものは全部sui suiの活動に注いできたつもりだったけど、それでも足りなかったと思うくらいの愛がそこにはあって。
私がどんなアイドルだったのか、たくさんの愛や本音、歌い続けて欲しいという言葉、私自身が思っているよりも私の未来に夢を描いてくれている言葉に、どれほどの涙が出たかわかりません。
もちろん手紙だけではなくて、直接かけてくれた言葉も、言葉にしない眼差しも、等しく心に大切にしまってあります。
きっと何千、何万人といるアイドルの中で、sui suiと、私と出逢ってくれて、一緒に生きてくれて、本当にありがとう。
何十億といる人間の中で巡り合えた事実がとっても愛おしくて、大切で、1日中涙が止まらなくて、泣き疲れてちょっと落ち着いた頃、24日から25日に日付が変わる頃くらいに、ようやく私の長い長い6月23日が終わっていく感覚がじわじわとあった。
-「”永遠”と呼ぶんだ」ってキミが言ったから
6月23日は祝福のLOVE LOVE forever記念日
ラストライブの景色。今でもよく記憶の中にタイムリープしてしまう。
「景色」と言う言葉で片付けたくない、ステージをまっすぐに見つめてくれるたくさんのあたたかい眼差し、 一つ一つの光、それぞれに1対1の想いと軌跡があること。嬉しいも楽しいも苦しいも悔しいも全部積み重ねた日々が、見渡す限りの方角からつながったたくさんの縁が、この日を作ったんだなって思いながら、味園ユニバースに立っていた。
みんなの心に消えない光を残したい、そう思って最後の日までステージに向かってきたけれど、やっぱり照らされていたのは私たちだった。
「いつも通りまたね、って手放せないこの時間を "永遠"と呼ぶんだ」
まさにそう歌ったみたいに、一瞬一瞬が手放せなくて、永遠を願わずにはいられなかった。
泣き笑いと愛に溢れたあの空間を思い出すたび、最後の通販に代表の鉄平さんがつけた「祝福のLOVE LOVE foreverチェキ❤️」とかいうウキウキな商品名すらもなんだか真実味を帯びているような気がしてきて、ちょっと笑えた。
・・・
ラストシングル『祝福の歌』は、sui suiからみんなへ最後の贈り物で、披露したのもラストライブだけでした。
もともと活動終了に向けてメンバーだけでミーティングしていたときに、最後に、これからのみんなの毎日にいつでも駆けつけられるような、贈り物的な?置き土産的な?曲を作って届けたいね、って話をしていて。
私たちは足を止めてしまっても、音楽は時間を超えるから、みんなのこれからに向けた愛を音楽に込めて、永遠に届けたくて。
そんな中で有難いことに、これまで3曲(夜明けフィルター/憂鬱のち、青空/ゆびきりの残像)sui suiに提供してくださってきたクロダさん成宮さんから、「メンバーにも作詞関わってもらって、最後にもう一曲つくりませんか」
というお話をいただき、こちらからもぜひとお願いして制作が始まりました。
たくさんの気持ち・記憶・想いをそれぞれメンバーから成宮さんに伝え、それを元に作詞していただきました。成宮さんはいつもメンバーに不思議なくらい乗り移って歌詞を書いてくださいます。デモが上がってきた時、聴きながら泣くしかありませんでした。
sui suiと応援してくれたみんなの軌跡や心の内をこんなにも素敵な言葉と音楽にしてもらって、こんなにも愛に溢れた歌を最後にメンバーと歌えることが本当に有難くて。sui suiでよかったなという気持ちが溢れました。
メンバーはメンバー自身の気持ちを歌っているように聞こえるのですが、成宮さんは全ての言葉をメンバーとファンどちらの気持ちにも当てはまるように書いてくださったそうです。だからみんなからは、みんな自身の気持ちに聞こえるのかも。
歌詞だけではなく、1:25くらいから始まる長めの間奏(遅めのイントロ?)に言葉のないメッセージがいっぱい詰まっている感じも私は好きで。
初作の『夜明けフィルター』とリンクするようなメロディーラインに、いろんな思い出や気持ちが巡ります。
あと、実は、『祝福の歌』の振付(by月御葵已)にはこれまでsui suiの曲の振りがいっぱい詰まっているんです!!振り入れしてもらってる途中で(これはもしや…)って気づいて「今までの振付いっぱい入れてる?!」って葵已たんに聞いたら、「そうだよ(◜ᴗ◝ )」って。そんなん泣いてまうよねえ、
ほぼ全部の曲、ずっと継続して葵已たんが振付をやって来てくれたからこそできたことだと思うし、これまで本当にありがとう…と改めて思いました。
YoutubeのMVには振付映っていないところも多いので、ラストライブのDVD&Blu-rayがお手元に届いたらぜひ探してみて欲しいです!
(円盤化してもらえてよかった…!)
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大好きな味園ユニバースで開催した、全曲披露のラストライブ。
sui suiの全てが詰まっています。
普段のセトリはもちろん、ワンマンのセトリや演出もsui suiはメンバー主導で考えさせてもらってきて、考える時間は大変だけど、私はその時間がとても好きでした。
こんな空間・時間を届けたいって頭の中で思い描いたことを、運営さんはもちろんたくさんの方の協力のおかげで形にすることができて、ひとりではできない貴重な経験をさせてもらったなと感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、思い描いたものは、受け取り手となってくれるみんながいて、みんなと繋がることで初めて完成するものでした。一緒に作ってきてくれて、本当にありがとう。
sui suiの音楽を受け取ってくれて、一緒に過ごしてくれた時間が、みんなの人生の彩りの一つになっていたらいいなって心から願っています。
-音楽が好きだ!
音楽だから言えることがあって、ステージの上だから解放できる感情があります。演者はもちろん、お客さんも、音楽を聴くことで、ライブハウスに足を運ぶことで開放できる気持ちがきっとあると思います。魔法の空間だな、って思います。
感情が出にくくて、ポジティブな気持ちもネガティブな気持ちも自覚できない奥底まで仕舞い込んでしまう癖のあった自分にとって、ステージの上は、「自分の心が今ここにある」ことを感じられる場所でした。
私は歌って踊るのが大好きなのですが、それは、音楽を表現している時が一番自分を解放できて、深く呼吸をできている感覚があるからだと思っています。
だから、この数年間毎日のように思いっきり歌って踊ることができたアイドル生活は、私にとって心のリハビリをしているような感覚でした。
ただ、音楽だからこそ言える言葉たちは、時に自分の口から出るにしては綺麗すぎる・眩しすぎると感じるものも多くて。sui suiが託してもらってきた曲たちは特に。
ラストライブのMCでも少しこの話をしたのですが、
「自分がこんな眩しい言葉を人に届けるなんて烏滸がましい、綺麗事なんじゃないか」って思って、なかなか歌詞を腑に落とせなくて、自信を持って歌うのが難しいと感じていた時期がありました。
でも口から出す言葉にはちゃんと中身や気持ちを伴わせていたくて、何とか見つけた打開策が、とにかく自分自身に信じろ、信じろ、と言い聞かせるよう気持ちで歌い続けることでした。
続けているうち、
ライブ中に涙を流しながら聴いてくれている人がいるのを目にすることがありました。
続けているうち、
ファンの方からいろんな言葉をもらいました。
"どうしようもなかった時にsui suiを聴いて救われて”
”生きるのをやめてしまおうかと思ってた時に和音ちゃんが現れて”
”和音ちゃん見てたら本当は自分もやりたいことあったの思い出せた”
”私も自分のやりたいことやろう、って思うようになって〜始めてみたんだ”
たくさんの人に出会って、それぞれがそれぞれの毎日の中で、それぞれの形でもがきながら生きていることを間近に触れる日々で。
いつの間にか、「私がここで心のリハビリをしているように、この魔法の空間で、きみも一緒に心を解いていけたらいいな」って願うようになって、
自分自身に言い聞かせるんじゃなくて「誰かのためにこの言葉を歌いたい」って心から思うようになっていました。
歌う理由が自然と内側から外側へ、向くようになっていました。
この世界には知ってるけど理解っていなかったことがたくさんあって、
自分に言い聞かせていた言葉がいつのまにか誰かにも助けになっていたり、
逆に誰かのために歌っていたはずの言葉が何重にも意味を重ねて自分に返ってくる瞬間があったり、なんとなく斜に構えて受け取ることを拒否していたまっすぐな言葉たちが、たくさんの経験を経てようやく心を通過してくることもあったり。そんな時に涙が流れることも知りました。
「独りじゃない」なんて言葉がくそくらえだと思ってしまう夜も、私はこのまっすぐな綺麗事がいつか本当に思える日が来ることを願って歌おう、そう思って、sui suiを続けてきました。
noteの初めの方にも少し書いたけど、
ラストライブの日、私のMCでの話を受けて「綺麗事は”希望”なんだよ、だから希望を歌い続けてくれてありがとう」って最後の特典会で伝えてくれたファンの方がいて、
「そっか、私が歌ってきたのは希望だったんだ」
と、自分がやってきたことの前向きな答えを見つけられたようで、とても嬉しかったです。
希望、届けられていたらいいな。
希望は持ちたくても持つのは簡単じゃないからこそ、綺麗事に限らずどんな言葉も身一つで希望に変えて与えてみせる力をこの上なく持っているのが"アイドル"なのかもしれない、
と、最後の日になってようやく目指すべき姿を言語化できた気がして、今日まさに幕を下ろすというのに「私はもっとそういう歌を歌える人になりたいな」って未来のことを考えてしまっている自分がいました。
やっぱり、音楽が好きだから。
音楽をしながら、音楽の力に救われる日々でした。音楽で誰かと繋がる喜びを知って、大好きな音楽がもっと大好きになりました。
今はちょっとお休みする選択をしたけど、いつかまた届けられる人になれたらって、希望は捨てずに持っていようと思います。
音楽が好きだ!(◜ᴗ◝ )
あとがき の あとがき
最後に。
渡航するちょっと前、アイドルになる時に持ち始めたお守りを返しに、神社へお礼参りしてきました。
「声や歌、楽器など人の出す音が美しく、健やかであるように」という意味の「音守り」
sui suiのオーディション受かってしばらく経ったくらいの時期だったか、お守り欲しいなと思って行ったわけじゃなかったけどたまたま神社に行った時にふと目に入ってきたもので。
名前”和音”だし、デザインも水モチーフでなんとなくsui suiっぽいし(sui suiに”水”の意味はそんな無いけども)、まさにこれから歌を届ける立場になる自分にぴったりだなと思って、その頃からずっと、デビュー日も遠征時も、もちろんラストライブも、いつも持ち続けてきました。
一般的に毎年新しいものに持ち変えるほうがいいらしいけど、初心を忘れないように、って何となく手放せなくて、4年も持ってしまった!
音楽を通して、たくさんの素敵な出逢いがあったこと、こんな愛に溢れたグループの一員でいられて、幕を下ろせたということ、思うように声が出なくなってしまった時期にステージに出る前の不安をいつも紛らわせてくれたこと、そんな色んなありがとうございましたの気持ちを込めて、返してきました。
そして、返すだけじゃなくて、同じものを新しく拝受してきました。
やっぱり手放せなくて。
また歌えますようにって願って、鞄につけて一緒に飛行機に乗った。
sui suiはいつだって私が私でいられることを思い出させてくれる居場所です。あなたに出逢えた大好きな居場所です。これからもずっと!
今まで本当にありがとう。
私らしく頑張ります。きみもきみらしくいられますように!身体に気をつけて!
またね!
2024.10.31
sui sui 亜鞠和音