温かいしあわせな日
バスで行く習い事の帰りに、子供が、
「 僕どこでも寝れるねん。家でも、学校でも、自転車の後ろでも、そう。バスでも寝れるねん…あぁ…しあわ…せ… 」と言って、
ゆらゆら揺れるバスがゆりかご代わりになり、
耐えきれずに眠った。
*
18時50分
*
疲れきった大人たちが、冷え切った顔で
バスに乗っている。
「 しあわせ 」とは何かを唱えた彼は、
大人たちに大切なことを教えてくれた気がした。
帰って温かいお布団で寝たいなぁ。
てみんな思ったと思う。
少なくとも私は思った。
*
19時20分。
*
バスから降りて自転車に乗った、
私の冷え切った顔に、
子供がピッタリと頬をつけて温めてくれた。
2人で歪な形で頬をつけて、
温まりながら帰った。
*
21時00分
*
今日はこないだ買った白カブをすって、
お鍋にした。美味しかった。
ホクホク。温かいお鍋。
白カブって大根より優しい味で。
漬物でも煮込んでも美味しい。
*
22時
*
温かいお風呂で本を読んでいたら、
私のことが大好きな猫が、
本を読んでいる私の手に顎をのせて、
ゴロゴロと喉が鳴る。
猫って水が嫌いなのに、覗きに来るのは
「 あんな危ない水に入って危ないにゃ
ご主人を守らなねば 」
となってお風呂場にくると聞いたことがある。
…可愛すぎる。温かい気持ちが嬉しいね。
*
0時
*
子供の寝顔をみて就寝。
もこもこの温かい毛布に包まれながら、
足下がでないようになるだけ小さくまるまった。
温かい寝息と体温を感じながら寝た。
*
ふと、
今日のことを眠気まなこになりながら思った。
冬って幸せを感じやすい季節なのかなぁ。
温かいお鍋のつみれに蓮根と餅が入っていた時。
コタツでゴロゴロしていたら
猫がコタツに入ってきて、
またゴロゴロが循環している時。
待ち合わせで待っていたら
あんまんと温かいコーヒーを買ってくれた時。
お正月休みに雪が降った時に食べるぜんざい。
バカ話をしながら焚き火をして
ココアを飲んだ時。
手がかじかんで動かない時に
温めてくれた時。
幸せとは、
冷え切った心に温かい何かが入ってきて、
心が満たされた時に幸せだと私は感じるのかな。
幸せ、とか、愛、とかって
言葉じゃなくて感じるものだから
ことばに言い表せれない。
なんなんでしょうか。
だから好きな物や物欲で満たしてみても、
それは一時的な幸せなのかな。
この日はなんだか
私の中での私の幸せ
たくさん詰まっている日だったなぁ。
心で感じたり、
あたたかさを感じるときには
「 温かい 」が使われるみたい。
じゃあ、この日の題名は、
温かいしあわせな日。