まあお訳古今集 恋はいちごを添えて参拾
皆様、ごきげんいかがでしょうか! 毎度おなじみ自称作家の あまおう まあお です!
一応元気よくはじめてみましたが、こちらは絶賛寒いです……朝晩とか部屋が冷蔵庫で冷蔵庫がなんとなくあたたかい始末です。私は冷凍マグロではありませんよ~ToTノ
というわけですが(?)、当然平安時代には冷蔵庫も石油ストーブもなかったわけで。
家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる(キリッ)。
なんて言った人もいましたが、これ絶対夏に書いたろ。冬は雪の降る中、暖房らしきものは「火桶(炭を入れる)」程度しかない寝殿造りの広いお屋敷……うっ、想像してたら凍えてきました……とっとと歌やりましょう、歌!
恋歌五 紀有常女
天雲のよそにも人のなりゆくか さすがに目には見ゆるものから
雲は流れていってしまうもの。いっそのこと見えなければ心も落ち着くでしょうが、すぐそこにいるのですもの。#いちご訳
伊勢十九段とは若干話が違うんですが、どうもこれ、我らが業平様の奥様が激おこみたいですよ!? どうする業平!
とはいえ、相手はあの業平様ですよ。浮気すんなっつう方が無理でしょうよ。こうしてうまいお歌を送って釘をさすくらいしかできませんねえ。
#そもそも結婚しなきゃいい #それも愛の形です
恋歌五 在原業平
ゆきかへりそらにのみしてふる事は わがゐる山の風はやみなり
いったり来たりぼんやりしている雲にも事情があるかもよ。風当たりがやたらと強いとかさ。#いちご訳
完全に開き直ったー! まあでも謝って来るよりなんとかなくかわいげがある気もします。ただの夫婦喧嘩のようですね。
伊勢物語では「いや女も浮気してんじゃね」とか言ってますが、こればっかりはもう分かりませんねえ。なんだかんだ、お似合いに見えてきました!
#犬も食わない #しかしこの男 ;^ ^
恋歌五 景式王
唐衣なれば身にこそまつはれめ かけてのみやは恋ひんと思ひし
着慣れると衣の方が僕の身体に合ってゆく。着ずにかけておいただけの衣がこうも心にかかるとは、思いもよらなかったよ…… #いちご訳
あら素敵。縁がなくて結ばれなかったけれどおそばにいた女の方なのですかね。
唐衣きつつなれにし……の歌もそうですが、どうも新品だと着づらい服のようですね。材質は様々のようですが糊でコーティングという記載がありました。そのせいなのか?
#おしゃれって不思議 #着づらそうじゃん
恋歌五 紀友則
秋風は身をわけてしも吹かなくに 人の心そらになるらむ
秋風は一人に向かって吹くんだよ。なのにどうして君の心、ふたつに分かれて今や上の空なんだろう。#いちご訳
#tomonori さん、久しぶりに来たのにめっちゃフラれとる……。
身を分けて吹く、が分かりづらいんですが、私はこれ二股掛けられた歌だと思うんですよ。後半とのつながりからしても。
いや人として、二股とかしちゃだめですよ?(目をそらしながら)
#二股してませんからね
恋歌五 源宗于
つれもなくなり行く人の言の葉ぞ 秋よりさきのもみぢなりける
あなたの言の葉。つれなくなるなあと思ったらもう秋なんですね。ああ紅葉のように変わってしまうよ。#いちご訳
ちょいと嫌味っぽいが、うまいですね。恋歌三の「あはずして今宵明けなば春の日の長くや人をつらしと思はむ」と同じ歌人。
父は親王なんですが、天皇とはちょっと離れているので王位継承権とかは関係ないのかな?
#この方割とすきです
恋歌五 兵衛
死出の山ふもとを見てぞ帰りにし つらき人よりまづこえじとて
死の淵から這い上がってきたのよ? 見舞にも来なかった誰かさんより先に逝くわけないじゃないの #いちご訳
詞書によりますと、どうも「仲のいい人が」体調がよくなってようやく見舞に来たので一首、とありました。ワロタ。
どん兵衛みたいなお名前ですが女性です。藤原忠房の妻と言われているので、この薄情者はもしかしますと……ww
病気治ってよかったですね。現代でも色んな病気があるのでくわばら!
恋歌五 小野小町姉
時すぎてかれ行く小野の浅芽には 今は思ひぞたえずもえける
さようなら。枯れていく「小野」のこの草。野焼きで焼いてしまいましょう。私の気持ちはまだ燃えていますけど。#いちご訳
謎の小町姉。本当に姉なのかどうなのか疑義ありとのこと。
詞書によりますと。「親しい方が疎遠になってゆき、焼けたチガヤの葉に手紙をつけて贈りました」と……もうそれホラーやん。平安のヤンデレ、レベル高すぎ泣いちゃうToT
#やめようヤンデレ #事情はしらん #別れるときこそすこやかに
恋歌五 伊勢
冬がれの野べとわが身を思ひせば もえても春を待たましものを
私、冬の野原になりたいわ。燃え果てた後にはきっと春がやってくるのでしょうから…… #いちご訳
流石やね、伊勢様。希望と絶望の対比が美しい構図ですが、この「春」は新しい人だと解釈しました。冬がれの枯れと離れがかかってそうだからね。
詞書「恋に悩んでいたらたまたま野火が燃えていたのを見て詠みました」
焼き芋か火事か気になりますが、なんだったんでしょうね。プラズマ現象か!(違)
恋歌五 紀友則
水のあわの消えでうき身といひながら 流れてなほもたのまるゝかな
まだ消えていないばかりの水泡のように揺蕩いながら、どんなに涙流れても私、あなただけを…… #いちご訳
はい、来た! さすが #tomonori 最高ですね。これは文句なく、百点!
内容は流石に女々しいので女の人の歌だと思いたいですが、ご本人なのかなあ、これ? 「みずのあわの」という滑り出しがまた儚くて美しいですね。よくこんなの思いつくもんだよ、ほんとに。
#でも失恋 #歌うまお #なぜなのか
恋歌五 詠み人しらず
みなせ川ありてゆく水なくはこそ つひにわがみをたえぬとおもはめ
一見水もないように見える川にも地下水が流れているのだから……あの人の脈、完全になくなったと分かってからこの身も絶えるといたしましょう。#いちご訳
ちょっと難しいですが「水なくは」が仮定表現で「水がなかったら→絶える」と言っているので、まだ完全に切れた縁ではない、となるのです。
その、あるんだかないんだか分からない脈が「水無瀬川」のようですという歌。水無瀬川はたびたび出て来るので覚えてしまおう! 有りなしと一緒に詠まれやすい
恋歌五 凡河内躬恒
吉野川 よしや人こそつらからめ はやく言いてしことは忘れじ
たとえどんなに冷たくされようと、僕は忘れない。あのときの優しかった言葉だけは…… #いちご訳
その「吉野川」なんだよ、と思いきやこれはだいぶ働いてる句ですね。さすが、躬恒。さすみつです。
よしやの音つながりと「はやく」は以前の意味ですが吉野川の速さと縁語でもあります。
吉野川を出すことで流れの激しさを感じさせ、ドラマチックな一首に仕上がりました!
#ただのダジャレではない
さて、いかがだったでしょうか。皆さん気持ちいいくらいに振られ、玉砕、散り散りな感じですね!
失恋系ばかりで景気が悪いですが、今年はこのへんでおしまいです^ ^ノ
来年も同じシリーズをまとめつつ、これが終われば新しいシリーズもやる予定ですのでお楽しみに……☆
今年はなんだかサンザンでしたが、もしかしたらあと一回記事出すかもしれませんので、このへんで。
すでに来年を見据える自称作家、あまおう まあお はいつでもフォロワー大募集で~す^ -☆ まだとうぶんは、フォローバック審査甘あまで運営しております^ ^ノ