まあお訳古今集 恋はいちごを添えて弐拾参
皆さま、こんにちは! 自称作家の あまおう まあお です^ ^ノ
なんかもう忙しくて忙しくて、駄文を書き連ねている暇もなかったりするんですが、人間よくしたもんで、忙しさに完全に慣れてしまいました。忙しいのがもう日常、みたいな感じですね。
これは貧乏にも言えることで、意外となれると貧乏状態が普通かなって感じになるので、本人は特につらさを感じなくなります。
むしろ多少生活苦しいくらいの方が、太らないので案外健康なのかもしれません;^ ^
平安時代はどうだったのかな? お貴族様でもまさか糖尿病だの痛風は、流行ってなかったと思うのですが……? というわけで(?)今回も雅にいってみましょう!
恋歌四 詠み人しらず
玉かづらはふ木あまたになりぬれば 絶えぬ心のうれしげもなし
つる草があちらこちらの木にたくさん這い寄っていくものですから、私への思いが絶えないと聞いたところで、ねえ? #いちご訳
玉かづらは、つる草の美称で「絶えぬ」の縁語。
というわけで華麗に一本取られた歌ですね! これも伊勢に収録(百十八)。大幣の歌より巧い感じがするのは、大幣にはモテ男に対する未練があるけど、玉かづらさんは完全にフりに来ているから……なんですかね。
どうせ一人二人じゃなかったんだろうな。
恋歌四 詠み人しらず
たが里によがれをしてか 郭公 たゞこゝにしも寝たるこゑする
どこの里に飽きて戻って来たのやら。さもあなただけですというようなホトトギスの寝言が聞こえますけど。#いちご訳
復縁、失敗!
寝たる声、の解釈が難しくて私はそう訳しましたけど、眠っている声、と訳すとちょっと違った情景になってきます。
この男、許してもらえたんだと思いますか?
今までの流れからすると、この歌は断固お断りというように読めますね。#解釈は自由 #まあフラれてんだろ #たぶんね
恋歌四 詠み人しらず
いで人は言のみぞよき 月草のうつし心は色ことにして
ほーら、なんて素敵なお言葉かしら? 本当のところは違っておるようですけども。#いちご訳
月草は今で言うツユクサのことらしいですね。青い色が着く草、とのこと。すぐ色が着くけど褪せやすいため「うつる」に掛かるそうです。
シンプルな中に嫌味がたっぷり効いていて、こんな返歌(でしょうね内容的に)いただいたら私、即帰りますわ。
#さすがにキツい #これは笑えん #帰ります
恋歌四 詠み人しらず
偽りのなき世なりせば いかばかり人の言の葉うれしからまし
もしもこの世に嘘がなければ あなたの言葉がどれほどに 私の心に染みたのかしらね #いちご訳
耳が痛いなー! でもほら、騙そうとかそういうつもりで嘘ついてるわけじゃないですから。ほんのサービス精神ですからね!
この歌は「たゞごと歌」の例として仮名序に出てくるので、滅茶苦茶有名になりました。
嫌味というより「あら、お上手ですこと」くらいの意味に取っておきたいところ。
恋歌四 詠み人しらず
いつはりと思ふものから 今更にたがまことをか我はたのまむ
分かってはいるのです。でも今更他に誰を信じてゆけばよいというのでしょう。あなた、嘘つき。#いちご訳
嘘つきな恋人には苦労しますねえ! こういうの大好き。
「ものから」はすぐ試験に出るやつです。順接と逆接と、どちらにも使える優れもの。なせいで、文脈が読めないと意味を間違えます。今回は逆接。
しかしさっきから浮気に嘘つきにと、ロクな奴が出てこないですねえ。恋愛はこれだから、面白い!
恋歌四 素性法師
秋風に山のこの葉のうつろへば 人のこゝろもいかゞとぞ思ふ
秋が来ると山の葉の色がうつりゆきますわね。人の心は飽きが来るとどうなのかしらと思っております。#いちご訳
あきだけに。
素性法師の歌ですが、なんか女のひとが待ってる歌みたいだったので、そう訳してみました。
秋暮れどしばしも絶えずもずのこゑ ときは緑の松の葉にこそ(まあお)
久しぶりに返歌が詠めました。嫌味には嫌味返し。元の歌より嫌味マシマシになってしまいましたね。#大人しく待て
恋歌四 紀友則
蟬のこゑきけばかなしな 夏衣うすくや人のならんと思へば
蝉の声は好きじゃないんだ。透けるような夏衣のその薄さ。それがあのひとの情の薄さのように思われてならない……#いちご訳
#tomonori さん、なんかセクシー系?! っていうか昨日までまったくそういう流れじゃなかったのになんで急に!
寛平の御時きさいの宮の歌合、と注についています。
これ同じ会に出てた人は皆「あー彼女ねー」とかピンと来ていたもんなんでしょうかね。
なんだか悪女のかほりがしますよ? #気のせいか
恋歌四 詠み人しらず
うつせみの世の人言のしげければ 忘れぬもののかれぬべらなり
ああうるさい。噂話がむなしく響くこの浮世。決してあなたを忘れたわけではないんだが、少々ご無沙汰してしまいそう。#いちご訳
美しい言い訳。
うつせみの→世は枕詞なんですが、その「蝉」の部分を噂話のうるささに掛けているという、ものすごい回収の仕方をしています!「べらなり」の言い方がなんとも「私のせいじゃなくてですね」感が出ていて憎めない。これならしばらく来なくても許されそう……ですよね? #歌うまお
恋歌四 詠み人しらず
あかでこそ思はんなかは離れなめ そをだに後の忘れがたみに
愛してるならばすぐにも別れよう。後になって飽きたことまで思い出してしまわぬように。#いちご訳
非常に後ろ向きで、いいですね!
こういう歌を送られたら要するに「お前は飽きっぽい奴だな」と言われているんでしょうね。身に覚えがありすぎてイタタ……!
歌なので美しいですが実際現場では鬱陶しいタイプの方だなあと思います。男性か女性か分かりませんが、めんどくさそうですね。#個人的見解
恋歌四 詠み人しらず
忘れなんと思ふ心のつくからに ありしよりけにまづぞ恋しき
忘れよう忘れようもう忘れたい! そう強く思うほどに、前よりももっと愛してしまうよ……#いちご訳
あーToT これは可哀想に。でも誰もが人生で一度は通る道でしょうから……というわけで、ちょっと有名な歌ですよね。
心理学的にも正しくて確か「皮肉過程理論」と言ったような気がしますが、そうは言っても結局いつの間にか忘れているもんなんですよね、これが。「皮肉」なことですね!
#前向きに
なんかシンプルにひどい輩が歌い込まれていましたね。まあ恋愛(特に別れるときとその後)って本性出てしまいますから、致し方ないんでしょうか。
そういうとこは、平安時代も現代も全然変わっとらんな~^p^ と思います。
なんだかんだでもう今年も半分近く過ぎ去りましたね! すでに後半も予定がびっしりしているんですが、どうなることやら。早急にやるべきことは、夏の執筆期のリスケです……! というわけで皆さまも、引き続き例のウィルスには気をつけて、来るべき夏に備えてくださいね☆
またお会いしましょう、 あまおう まあお でした^ -☆