ジブリ映画「かぐや姫の物語」考察 7
自称作家 あまおう まあお がDVD見て原作読んで全力で考えてみた!!
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このストーリーは、純粋な人間讃歌のようにも思えます。少なくとも姫の視点から見れば。
しかし姫は異端児。天人たちから見ればバカみたいな生き方です。天人たちの仏仏した外見から、天人たちの生き方は悟りの境地に見えます。
生きている手応えのある鳥や獣の生き様。こころ穏やかで波風のない悟りの境地。
姫がしているのは「輪廻」でしょうか。
何度も何度も悟りに至らず繰り返す。生きている手応え、鳥や獣のように。仏からみれば畜生とも変わらない人間道。姫は天道から、人間道に「落とされている」。解脱するまで繰り返す。
初期仏教に輪廻とか六道というのは見られない思想のように思いますが、現代の「日本の仏教」ではわりとメジャーな概念かと思います。
人間道、そんなに悪くないですよね。
鳥や獣みたいですけど。
ただ、罰ゲームなだけです。抜け出すまで繰り返すひどい罰ゲーム。
私はそんなメッセージをこの映画から、受け取ってしまいました。
どこまでが制作の意図で、どこからが深読みなのか、私だけが読んでしまった意見なのか、私には分かりません。
しかし優れた文学作品はときに、作り手の思想を越えたものをすら生むと思います。
作品から受けた感銘というものは、たとえそれが逆方向であっても否定されるべきでない。
無名で拙くはありますが、作り手のひとりとしてそう思います。
私の書いている小説も、結構深読みしても大丈夫ですよ。
隠している設定、あったりしますから。
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます。
異論・反論はいくらでも持っていただいて結構です。あくまでも私の、意見であって正しいと強く主張する理由はありません。私が関わった物語ではないので。自分が納得いくまで考えたことを、ちょっと、したためてみただけです。
これを読んで「絵がすごいけど、話はおもしろくなかった」と思った方がひとりでも、もう一度かぐや姫の物語を観てくださったら嬉しいです。
この映画は構造上「繰り返し観る」こと自体にも意味がある物語なのですから(まあでも二十回は観なくていいかもですね、さすがに)。
そしてこの考察に「へえ」と思った方がおられたら。その中のひとり二人でも、私の作家性にも興味を持っていただけたら、まことに思うつぼでございます。