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朗読劇「陰陽屋春らんまん」
前回の記事「実は5回もあった陰陽屋イベント」から間があいてしまいましたが、今日は今年3月の朗読劇「陰陽屋春らんまん」にフォーカスしますね。
朗読劇「陰陽屋春らんまん」は今年の3月6日(日)に、なかのZERO大ホールで昼夜2公演が開催されました。
演目は下記の通りでした。
「プロローグ 妖怪博士と陰陽屋、キツネを語る」
「委員長、絶句する」
「さらば祥明 陰陽屋は永遠に?」
「秘密の雷公さま」
「猛獣たちのチョコレート戦争」
「エピローグ キツネ取材日記4」
「プロローグ 妖怪博士と陰陽屋、キツネを語る」「エピローグ キツネ取材日記4」と、販売用台本に収録されている「特別付録 モーニングコーヒーと桜吹雪」(上演なし)は私が書き下ろした新作です。
「委員長、絶句する」「さらば祥明 陰陽屋は永遠に?」「秘密の雷公さま」の3本は、原作小説をもとに、秋月弓さんが脚本を書きおこしてくださいました。
また、「猛獣たちのチョコレート戦争」は私が書いた脚本を、秋月さんがフォーマット加工してくださっています。
さて、1つずつ簡単にみていきますね。
■「プロローグ 妖怪博士と陰陽屋、キツネを語る」(昼夜共通)
YouTubeで春記が配信していいる「妖怪研究チャンネル」に祥明がゲスト出演し、二人で安倍晴明と妖狐について語る。
安倍祥明◆諏訪部順一さん
山科春記◆遊佐浩二さん
原作小説を読まないで朗読劇にいらっしゃるお客さまに、陰陽屋や登場人物の設定を説明するという重要なミッションがプロローグにはあるのですが、春記さんが陰陽屋に来て「ここはどういうお店なの?」と尋ねる形にすると「秘密の雷公さま」とまるかぶりになってしまいます。
委員長が取材する形は去年の脚本でもう使ったし、どうしたものかと悩んだ末、この時点ではまだ刊行されていなかった14巻『陰陽屋桜舞う』を先取りして、この中の動画配信のくだりを使うことにしました。
といっても『陰陽屋桜舞う』に動画配信のシーンがあるわけではなく、131ページに「春記と祥明は、予定通り、十四時半には狐談義の配信を終えていた」とさらっと書かれている「狐談義」をうんとふくらませてできあがったスピンオフです。
諏訪部さんと遊佐さんによる息ぴったりのかけあいが素晴らしくて、「よし、つかみはOK」と私は客席で自画自賛したのでありました。
■「委員長、絶句する」(昼公演のみ)
新聞同好会に新入生の白井友希菜が入部するが、委員長をめぐって遠藤茉奈と一触即発に・・と思ったら!?(『陰陽屋は混線中』より)
安倍祥明◆諏訪部順一さん
沢崎瞬太◆松元惠さん
高坂史尋◆小野友樹さん
江本直希◆竹内想さん
岡島航平◆山口勇気さん など
上述の通り、秋月さんが原作をもとに脚本を書いてくださったのですが、(慌てて弁明)(動揺してしどろもどろに)など台詞ごとにこまかく指示が入っていて、秋月さん、なんて丁寧な!とびっくりしました。
ちなみに私は必要最低限しか指定を入れない丸投げスタイルです☆
■「さらば祥明、陰陽屋は永遠に?」(夜公演のみ)
クラブドルチェのホストたちが陰陽屋に来て、行方不明の雅人を捜してほしいと祥明に頼む。ようやく見つけだした雅人と祥明はなぜかカラオケ勝負をすることになるが。(『陰陽屋アルバイト募集』より)
安倍祥明◆諏訪部順一さん
沢崎瞬太◆松元惠さん
雅人◆武内駿輔さん
葛城小志郎◆遊佐浩二さん
燐◆小野友樹さん など
秋月さんのアイデアで、祥明が歌っている間ホストコール(「セイヤ!セイヤ!」「超かわいーっ!」など)が入ることになりました。
開演前に、歌いだしのタイミングやホストコールの音量などを確認するために、何度もリハーサルが行われました。
キャストさんも音響スタッフさんも大変そうでしたが、本番では見事成功して、とても盛り上がりましたよ!
翌日から当分の間、鳩ぽっぽの前奏が私の頭の中をぐるぐるしていましたが(苦笑)。
■「秘密の雷公さま」(昼夜共通)
陰陽屋に山科春記(祥明の母の従弟)が来て、『雷公秘伝』という幻の占術書を捜してくれという。(『陰陽屋猫たたり』より)
安倍祥明◆諏訪部順一さん
沢崎瞬太◆松元惠さん
山科春記◆遊佐浩二さん
安倍柊一郎さん◆竹内想さん
安倍優貴子◆丸塚香奈さん など
同じくこの脚本も秋月さんが担当してくださいました。
この「秘密の雷公さま」の冒頭の春記初来店のシーン、「国立あやかし綺譚」(2020年「陰陽屋百一ものがたり」)では春記目線のバージョンを同じく諏訪部さん、松元さん、遊佐さんに演じていただいています。
お三方はその時のことを思いだして「春記さん、今日はしれっとしてるけど、心の中では悔しさ百万倍なんだよね、プププ」と心の中で笑ってくださったかも。
■「猛獣たちのチョコレート戦争」(昼夜共通)
槙原に頼まれ、祥明は柔道教室の小学生たちのバレンタイン騒動をおさめに行ったのだが、ヒグマの剛力とハイエナの河田は手強かった(『陰陽屋と琥珀の瞳』より)
安倍祥明◆諏訪部順一さん
沢崎瞬太◆松元惠さん
槙原秀行◆武内駿輔さん
剛力陽奈子◆丸塚香奈さん
河田絵莉名◆西森梨花さん など
脚本におこすにあたり、原作の優貴子がでてくるくだりをカットしたので、ちょっと地味になっちゃったかも……と心配していたのですが、諏訪部さんが甘いセクシーヴォイスを炸裂されてくださり、たいへん耳福なエピソードになりました。
また、年齢差が20才以上ある武内さんと諏訪部さんが、違和感なく同い年の幼なじみを演じきったのもすごかったです。
毎回思うのですが、プロ声優さんすごいですね!
■「エピローグ キツネ取材日記その4」(昼夜共通)
ある朝、信号待ち中に立ったまま眠っている瞬太を発見した高坂。急いで補習の教室にかけ込むが、先生はもちろんプンスカで・・。
高坂史尋◆小野友樹さん
沢崎瞬太◆松元惠さん
安倍祥明◆諏訪部順一さん
山浦美穂子◆八重畑由希音さん
もともと「キツネ取材日記4」は、昨年の秋に、ブックス王子で配布するおまけ用ペーパー(いわゆるSS)用に書き下ろした短編小説です。
「エピローグは14巻につながる話を」というリクエストが主催者さんからあったので、「キツネ取材日記4」を脚本形式で書き直しました。
『陰陽屋と琥珀の瞳』ラストから『陰陽屋桜舞う』の冒頭につながるエピソードですが、小説では瞬太目線で話がすすむのに対し、こちらは委員長目線になっています。
さらっとした短編ですが、委員長役の小野さんのおかげで、「うるっとした」「感動した」など予想以上の好評をいただきびっくりしました。
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■「特別付録 モーニングコーヒーと桜吹雪」(上演なし)
販売用の台本にのみ収録されているおまけ。
「陰陽屋桜舞う」冒頭の喫茶店のシーン、祥明はしれっと高校生たちの話を聞いているが、実は心の中では焦りまくっていたというお話です。
三者三様、くらべてみていただけると楽しさも三倍になるかと思います。
以上、もりだくさんな「陰陽屋春らんまん」でしたが、それにしても、「委員長、絶句する」「さらば祥明」「秘密の雷公さま」の3本を秋月さんがチョイスした基準は何だったのか、今度きいてみたいところです。
また、今回は短編集だったのですが、いつかどーんと2時間近くある長編を1本やってみるのも楽しそうだなぁと思いました。