ブタペストでのリストとの対話
私がヨーロッパを訪れて感じたことの、そのままを書いていきます。
第1回となる今回はブダペストにあるリストフェレンツ記念博物館でのこと。
数々の展示品を前に、問いをもって相対することで聞こえてきたリストの言葉。
私が受け取った言葉の一部始終をここに綴ります。
あなたはどこ見て音楽をするのですか?
あなたはどこを見て音楽をするのですか?
一体何のために音楽をするのだろう?
私はこの素晴らしい響きに自身を、他者をいざなうことがただただ至福なのです。
そしてその先に広がっている素晴らしい世界の祝福をこの身に宿すのです。
それはただただ美しく、どこまでも澄み渡り、響いていく。
ただこの輝き、この光の照らす方へ進みなさい。
私は見ていますよ。
あなたがあなたの道を進むのを。
いついかなる時も、あなたの生命が織りなす響きが、私に届いています。
そしてそれが届いているのは私だけではありません。
どうかそのことを忘れないでください。
どんなときも前を見るのです。
あなたの思い描く崇高なる未来にその身をささげるのです。
私はいついかなる時もそこに思いを馳せてこの人生の旅路を歩んできたのです。
どうかあなたの旅路にもこの大いなる導きがあらんことを。
心の影、人生の暗い部分。そこから目を背けてはいけません。
心の影、人生の暗い部分。そこから目を背けてはいけません。
正面から真っすぐに見つめるのです。
どれだけ強く冷たい風が吹きすさぼうとも、人生があなたの行く先にどれだけ暗く冷たい影を落そうとも、その冷酷さを脇に携えて進むのです。
見てごらんなさい。耳を傾けてごらんなさい。
見てごらんなさい。耳を傾けてごらんなさい。
静寂があなたを包み込むままに。
ただただ想いを馳せてごらんなさい。
自らの内側に宿り、この世界のあらゆるところに存在している美しさに。
それこそがこの世界のどこに行こうとも戻ってくることのできる場所であり、変わらずそこにあるものなのです。
あなたはこの歴史ある素晴らしいピアノを前に、どのように音楽を奏でますか?
あなたはこの歴史ある素晴らしいピアノを前に、どのように音楽を奏でますか?
ここまで生きてきた人生の最高傑作としてのあなた。
このピアノに勝るとも劣らない素晴らしい歴史をその身に宿し、その集大成としての存在があなたという人物なのです。
あなたの近くに居て、あなたのことを想い、あなたを献身的にサポートしてくれる人の存在。
あなたの近くに居て、あなたのことを想い、あなたを献身的にサポートしてくれる人の存在にあなたは何を感じるだろうか?
どんなに素晴らしい偉業も1人の手によって成し遂げられるものではないということを忘れてはいけません。
あなたの信じるものはなんであろうか?
あなたの信じるものは何であろうか?
信じることは力である。
あなたの信じる力の強さこそが、あなたの信じる場所へと連れてゆくのである。
信じて進みなさい。
あなたはどんな意外なものを組み合わせるだろうか?
あなたはどんな意外なものを組み合わせるだろうか?
そこでは一体どんな化学反応が起きるだろうか?
一度見たものはどこまでも果てしなく見続けなさい。
一度見たものはどこまでも果てしなく見続けなさい。
輪郭とその背後にあるものの声が聞こえてくるだろう。
聞こえてきたリストの言葉たち。
もちろんこの言葉たちは実際にリストが残したものであるはずがなく。
それでは一体誰の言葉なのかと言えば、他の誰でもない私の言葉であり、私自身の内なる声です。
「この絵は一体私になんと語りかけているのだろう?」
そう思ってじっと見つめているとどこからか言葉が浮かんでくる。
あなたの声は一体なんと言っていますか?
文章の中に出てきた音楽についての言葉を、仕事や勉強など今あなたが取り組んでいる言葉に置き換えてみるとどのような言葉が聞こえてくるでしょうか?
じっくりと耳を澄ませてみてください。
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