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”裏切り者”は誰?|CharadeManiacs 【感想】

本記事は「CharadeManiacs」について好きなように語っている記事です。主人公について言及することも多いので、苦手な方はご注意ください。

総合感想以下はネタバレを含みますので、ご注意いただけると幸いです。


あらすじ

近未来、とある都市。
夏休み間近、平穏な日々を送っていた高校二年生の主人公。主人公が幼馴染と下校していると、突然目の前に現れた謎の人物に『月が2つ存在する』奇妙な世界へと連れ去られてしまう。

気付いたときには、自分と同じ状況の人間が9人。何が起こったかわからない彼らの前で、仮面の男は話を始めた。
「ようこそ異世界へ! アルカディアにいらっしゃい!」
「この世界は“ドラマ”を演じるだけで、なんでも願いが叶います!」
主人公たちは異世界から現実世界に戻る為ドラマを演じることとなり、仲間たちと協力してドラマをこなしていく。

しかし、10人の仲間の中に自分たちをこの世界へ連れてきた『裏切り者』が紛れている事実を突きつけられてしまう主人公たち。『裏切り者』の目的は、ドラマが行われる本当の理由は……。

疑心と信頼の間で揺れ動きながら、最後にとるのは誰の手か――

CharadeManiacs(シャレードマニアクス) 

総合感想

面白いという事は知っていましたが、人間関係で疑い合ったり、ギスギスした雰囲気が苦手なのでプレイを躊躇していた本作。途中は胃が痛くなって、やめようかとも思いましたが、最後まで遊んでよかったと思えた作品でした。

攻略推奨順だけ見て、そのほかのネタバレは見ないようにしました。攻略推奨順である程度の役割察知することができるかなとも思いましたが、そう一筋縄ではなく、予想を裏切る展開になることもあります。個人的には、”裏切り者”がどういう背景でそのポジションにいるのかを重視しているところもあるので、役割を察しても楽しめました。

共通部分が長めですが、個別もそこそこの長さがある感じがしたので満足です。おまけ要素としてSSもありますし、ボリュームはあったような気がしました。SSは攻略対象視点で語られており、あの時の彼はヒヨリちゃん(主人公)をどのように見ていたか等が分かって楽しかったです。客観的に見る主人公ちゃん大好き人間なので、もっとこういうの見せてほしい。

個人的に、ヒヨリちゃんは純粋で真っすぐで可愛らしくて好きな感じの主人公でした。しっかり者ですけど、年相応の葛藤や行動もあって良かったです。なによりたまに言葉に出す「えへへ」とか、不意に出るあざとい可愛さがたまらなく好き。

全体の感想としては、「陀宰メイッッッ!!」です。カッコよくて大好き。最初に登場して言葉を発した時点で「好きだ」となりました。私の感は、はずれていなかった。

ネタバレあり感想

攻略順は「キョウヤ⇒トモセ⇒ケイト⇒マモル⇒リョウイチ⇒ミズキ⇒メイ⇒ソウタ⇒タクミ」、感想もこの順番です。他の方の攻略推奨順を参考にしながら各班を1人ずつクリアしていくような形にしました。個人的には飽きずに、毎√新鮮な気持ちで遊べたので楽しかったです。

プレイ時のざっくりとしたメモを頼りに感想をまとめていますので、内容やセリフに関してミス等があるかもしれません。その際は、申し訳ございません。


キョウヤ√ 感想

あまりにも真っ直ぐな姿は少年漫画の主人公のようで、まさに”ヒーロー”。どの√でもキョウヤさんと話すと不思議な安心感がありました。何も知らない状態でも「この人は大丈夫」と思わせられる魅力を持っているような気がします。最初に攻略していたおかげで他√行った時に「キョウヤさんは大丈夫だぞ…!」と安心できたので、ヒヤヒヤする場面での胃痛は少しだけ緩和されました。まあ、キョウヤさんから誰かを疑ったりしたら、胃痛が増したんですけどね…。

ヒヨリちゃんを妹のように可愛がるキョウヤさんが素敵でした。対キョウヤさんのヒヨリちゃんも可愛い。お姉ちゃんしているヒヨリちゃんも好きですが、誰かに甘えられる立場になる妹ポジションも最高。軽率に頭を撫でないでキョウヤさん。好きになっちまう。

キョウヤ「__お前を俺だけのものにしたい。みたいな気持ち」

トキメキすぎて、倒れそうなくらいドキドキした

随所随所で真っ直ぐにカッコいい言葉を言ってくれるもんですから、「キョウヤさんッッッ」って気が気でなかったです。情報局所属を明かすとき、その立場にいることが解釈一致でしたし、あまりにもカッコよい響きの肩書き過ぎて悶えました。明瀬キョウヤ、カッコよすぎ~~~!!危うい面も持ち合わせていますが、そこを上手く咀嚼していってキョウヤさんらしいヒーロー像になっていくんだと思います。割と抱えている問題がほの暗くて、頭抱えましたけど、ヒヨリちゃんが側にいるキョウヤさんなら乗り越えられるでしょうという二人に対しての信頼感もありました。

最初の√ということで帰還の条件が「1人だけ帰還か1人だけが残って他全員が帰還」というのを知って、鬼畜だ~~!となりました。正直、そうなるだろうなって予感はしてました。こんな鬼畜な配信をするんだから、簡単に帰してくれるわけがない。誰が帰るんだろう、誰が残るんだろうとかヒヤヒヤしていたら…明瀬キョウヤ~~!!ここでもカッコよすぎる。手叩いて喜びましたよね、期待を裏切らない。

キョウヤ「__ヒーローは嘘を吐かないからな。信じて、待っていてくれ」

キョウヤさん…!

きちんとヒヨリちゃんを信じて、帰還の一手をヒヨリちゃんにこっそり残していてくれたのも絆の繋がりを感じて素敵でした。ただ、8人…?8人全員が帰還とか不気味なこと言われて怖かったです。あれ、10人…10人いましたよね…?ってなりつつもキョウヤさんとヒヨリちゃんの仲睦まじい姿を目に焼き付けました。現実逃避です、目の前の恐怖から逃げるぞ。


トモセ√ 感想

(ヒヨリちゃんに関すること以外は)冷静に物事を見てて演技上手なトモセくん。誰よりも何よりもヒヨリちゃんを大事に想っています。初手に告白しそうになりますし、どの√でも(ドラマとはいえ)初めてキスした相手はトモセくんということになります。でもなぜか「勝てそう」という感じはしません。失恋してほしくない気持ちはあるんです。私は、萬城トモセの恋を応援しています。頑張れ!

お互いのお互いに譲れない点が最悪な状態でぶつかり合ってしまったっていう印象を受けた√でした。ヒヨリちゃんの年下となると保護の対象になるっていう感覚は何となく分かりますし、トモセくんの一人の異性として見てほしいという気持ちもわかって…個人的に胃が痛かった√①です。

トモセ「俺はお前が好きだから、お前が本当にそう望むなら断れない。でも、俺に協力を願うなら条件がある」

好きな子の望みを断れないことを自覚しているトモセくん良い

幼馴染っていうから安定的な恋模様を想像していたのですが、近いからこそ一番拗れていたような気がします。ヒヨリちゃんにはトモセくん以外の人がいるけど、トモセくんからしたらヒヨリちゃん以外はいないんですよね…今の時点だと。こんな感じですから、どう展開していくんだとひやひやしていたら、まさかの粗治療…!ここで罰ゲームを受けるヒヨリちゃん覚悟が決まりすぎ。

ヒヨリちゃんが感情を失ったことで、トモセくんの閉じていた視野が広がっていくような感じがしました。あの誰も信じていませんと言いたげなトモセくんが皆を信じて頼る展開を見たときに、トモセ√はヒヨリちゃんとの恋物語だけでなく、トモセくんの成長するための物語なんだなと気づかされます。トモセくんがヒヨリちゃん以外を信頼することができるかどうかが、2人の恋の分岐点な気がします。元の世界で、最初から恋をやり直す二人の未来が幸せで溢れますように。

トモセ「あぁ……」「戻ったんだな…ヒヨリ」

ヒヨリちゃんの感情が戻った時のトモセくんの声色が好きすぎる

あと、本物のヒーローみたいなキョウヤさんに負けているのが悔しくて、ヒヨリちゃんに負けていると思われたくなくて、累積ポイント聞かれたときに少し上乗せしちゃうトモセくんは可愛すぎる。そういうところで可愛さを見せてくるのが年下の良さを感じます。

相変わらずの鬼畜な帰還の選択肢について、誰が残るんだろうかとひやひやしていたらソウタくん……!!カッコよすぎるだろ。トモセ√でカッコよさを出すな。


ケイト√ 感想

ツンツンしていて怖いイメージがありましたが、彼のことを知っていくと優しさとツンとしている背景を知ることができます。最初から口が悪いだけで「あ、良い人だろうな」って感じは節々に出してくれて愛おしいんですけどね。あと、料理上手に悪い人はいない。後半になるとヒヨリちゃんから「優しいのに優しくないふりするのやめなよ」的なこと言われているので、やっぱり作中でも良い人です。

ケイト√は他の角度から異世界配信について知ることができました。罰ゲームや前回配信やら…この世界のシビアさがひしひしと伝わってきて辛かったです。そうか、義手か…ってこちとらシリアスな感じになっていたら可愛い会話し始めて、あ、この√の二人の関係性ってそんな感じなんだってニヤニヤしましたよね。相合傘をしてくれ。

この√最大の可愛いはヒヨリちゃんです。個人的には、ケイト√のヒヨリちゃんが年相応に可愛くて楽しかった。「シャレマニをプレイしていて一番楽しかった√は?」と聞かれたら「ケイト√」と言っても良いくらいです。どこが可愛いのか選びきれないんですけど、ケイト君から初めてメッセージきたときのヒヨリちゃんが、「なに!?」ってキッチンに飛び込んでいくの最高でしたね。

ヒヨリ「…...口を開くとケンカになるから…」
タクミ「から?」
ヒヨリ「一回呑み込むようにしてるの……!」

いつものようにケイトくんと喧嘩しそうになって、黙ろうとするヒヨリちゃん(かわいい)

ケイトくんが女嫌いになった経緯とか聞くと、今までの態度に関して納得しました。一つの事例を全てに当てはめて考えるのはどうかと思われるかもしれませんけど、多感な時期に起こったことなら嫌悪感が溢れるだろうと考えられますし、「女なんて…!」って警戒する気持ちもわかります。強気な態度は、ある意味で自分を守るための防衛手段なんだろうなと。だからこそ、全ての人がそうでないと証明できるような存在と出会えたのは良かったです。

再演したドラマでヒヨリちゃんが飛び入り参加する展開が最高でしたね。前に看病していた時に、ケイトくんに聞かれていないと思っていたぼっそりと呟いていた「あなた以外とはドラマしたくない」「好き」っていう感じの言葉が効いてきた流れが最高。

ケイト「___……選んだぞ」

良すぎて発狂したし、「乙女ゲームしてる…!」ってなりました

気持ちが通じ合った後の二人、いい感じに言い争いしながらも適度にいちゃついていて年相応感があって良かったです。トモセくんに対して苦手だったり、ムカつくって感情を抱いているケイトくん面白過ぎるし、最高すぎる。トモセくんの視線に耐えながら存分にヒヨリちゃんといちゃついてくれ、獲端ケイト。


マモル√ 感想

痛いくらいに優しくて繊細な人でした。優しいマモルさんとの√だから、ほのぼのするんだろうなと思ったら「そうはいかないぜ!」と言わんばかりに色々と情報やら背景やらをぶち込まれました。やめてください……、私はクマさんをプレゼントしてくれたマモルさんとのスチルみたいな感じの恋模様を展開するって思ってたんです…。そんなことはないぞと言わんばかりの心が痛い√でした。そうですよね、ほのぼのした話なんて見れませんよね…。クマさんを渡してくれたマモルさんのスチルを心に抱きしめながら進めていきます。

死ぬつもりはない生きるためにここにいるとか言いつつ、なんか幸薄い雰囲気を出しているマモルさん。マモルさんにバッドエンドがあるのならバッドエンドでは死んでしまうのではと思わせるくらいの不穏さです。不穏な空気が流れつつも、まあ可愛らしい会話もするにはするので、心の癒しにしています。味音痴とかいう情報を得ても、炭酸苦手なマモルさんが可愛いからいいんです…現実逃避…。

マモル「炭酸とかですね。口の中がパチパチして、ちょっと苦手です」
ヒヨリ「なんか可愛いですね…」
マモル「いえいえ、瀬名さんほどでは」

「瀬名さんほどでは」でマモルさんッッ!!??って動揺してしまった

断片的な情報から「ハーフか遠い血縁に異世界人がいる」という予想を立てていましたが、当たっていた時は頭抱えました。そんなん、絶対に苦しくて重い話になるじゃんと。マモルさんの拒絶はどこまでも自分ではなく他人のためなんですよね、奥底には自分自身が傷つきたくないという自分のための行動もあると思うんですけれど、ヒヨリちゃんを傷つけたくないというのがひしひしと伝わってきました。マモルさんは人を大切にして幸福を願ってくれますけど、その中に自分自身を入れてくださいよ…。

あと、優しい人からの拒絶って心にダメージくるなって気づかされました。苦しい。懸命にマモルさんから離れなかったヒヨリちゃんありがとう。手を握っていてくれてありがとう…。そして、他の異性と仲良くしているヒヨリちゃんを見て嫉妬しているマモルさんのイベントありがとう。

異世界との決別をするための手段が右腕を切り落とすところ、あそこはきつかったですけれどカッコよかったです。マモルさんが一歩踏み出すうえで必要だったのは自分自身の手で決断を下すことだったんだなと。

マモル「アルカディアはいりません。僕の理想はここにはない」「宝物なんて、 いりません。それに縛られて死んでゆくくらいなら」「全部捨てます、この世界ごと___!!」

ずっと思っていたんですが、マモルさんのスーツ姿めちゃくちゃカッコよくないですか…?私、カーディガンとかダボっとした感じの服着ている人好きなんですけど、そんな人がビシッとスーツを着こなしているとギャップで最高ってなってしまうんですよね。最高。ギャップというと、こんなゆるふわお兄さんぽい人が感情表現は割とストレートなのどうかしてる、ありがとう。


リョウイチ√ 感想

一見、気前の良いお兄さんなんですが、どことなく読めない雰囲気が漂ってきて怖さも感じさせる人です。胃が痛い√②。風の噂でやばいと聞いていた√ですが、期待を裏切りませんでした。いや、ある意味で期待を裏切ってはくるんですけど…。正直にいいますと、思想が相容れなさすぎて進める手がのんびりになりました。マモルさん√で傷心中に行くべきではなかったんです…。きつかった…。キョウヤさん…。

考え方とか価値観は違いますけれど、人狼ゲームではこういう人がいるべきだと思いますので、物語としては面白くもありました。でも、この人と恋愛するとなると胃が痛くなりました。この√を進めるのが遅くなった最大の要因は、たまにヒヨリちゃんと肩を組めなかったことですね。「その話を今、ミズキさんにするんじゃないっ!」ってなりながら進めていました。ミズキさんも中々に怖くて、カッコよかった。

ヒヨリちゃんは√ごとに違いはありますが、この√のヒヨリちゃんは他√とは一味違う感じがしました。異世界で過ごしてきた日数が多い人の影響を受けていると個人的には考えているので、他√だとその相手の影響を僅かに受けている性格だとも思っているのですが、リョウイチ√だと人より狂っている点が似たのかなと思います。

ケイト「恥ずかしい告白劇に、理解出来ない狂信に……二人揃って狂ってる」

ケイトくんもこう言ってますし

リョウイチさん自体は嫌いではないです。こういう人がいたほうが物語は面白くなると感じましたし、彼の根っこにある自己肯定感の低さというか個としての危うい部分が見えたので。多くの人間はそんな風な道は辿りませんけど、心が挫けている時に手を差し伸べた人が誰かなどの小さな要因が重なると何かに盲目的に信じてしまうこともあると思います。結局、何が悪で何が正義化なんて結論付けれないんですよね。悪とされているものに縋らないと生きていけない人間もいるので。そういった人間の弱さと脆さを示してくれた、ある意味で一番人間臭い人だったと思います。

リョウイチГ…………月が、綺麗だな…...」「だから…もし手に入らなくても、俺のそばにいなくても」「お前は 誰よりも眩しいよ。そういう意味なんだろう、きっと___」

「月が綺麗ですね」を言えるようになったリョウイチさん

月が綺麗ですねをこんな感じで使うのかと唸らされました。ただの愛しているではなく、そう言えるようになるまでの過程が愛していることの証明ですよね。幸せになれるかは分かりませんけど、2人でなら少しずつ歩んでいけるような気がします。ただ、帰還する気配がなくて「シャレマニって帰還すること=ハッピーエンドじゃないんだ?!」となりました。面白い男ですよ、リョウイチさんは。でも、正直なところ全√を経ても一番つかみどころがない人でした。


ミズキ√ 感想

スマートでカッコいい美人さん(性別不詳)でしたね。ミズキさんは性別ミズキさんだと思っていますので、あんまり気になりませんでした。男だろうが女だろうがドキドキするのは変わりませんので….距離が近いのは勘弁してください….心臓が持ちません。顔が綺麗すぎる。所作も綺麗すぎると言いたいのですが、「あっはっは」と笑ったりと豪快なところもあるのがギャップがあって素敵です。最後まで性別明かさないでくれたのも最高でした。性別不詳キャラはそうであってほしいを叶えてくれます。

ヒヨリ(射落さんは別の世界の人みたいだよね。綺麗なのに格好いいし、いつも冷静で頭が良くて気遣いも出来て余裕があって…)(男の人か女の人かさえも分かんない。「どちら」にしても足りないところがない)

同意見すぎて、いいね100回くらい押したい

ミズキさんスマートが故に、ところどころ「ん?」ってなるくらい怪しい部分も出てくるんですが、別√で情報局側だと察しているので「まあ、そんなもんか」ってなるんですよね。後、どれだけ冷たくされそうな気配があっても顔の良さと発言のカッコよさで気にならなくなります。なにより助手のヒヨリちゃんが可愛いので、このペア最高過ぎるって感情しか湧かなくなるんですよね。

ミズキさんにドラマで刺されたり、睡眠薬盛られたりしていたのに自分は助手だからと向き合いに行くヒヨリちゃんがカッコよくて健気で大好き。あまりに真っ直ぐにヒヨリちゃんがミズキさんに向き合うもんだから、普段は飄々としているミズキさんが泣いているっていうのが素敵でした。この場面のスチルがあまりに好きすぎる。気持ちが通じ合ってきて、一安心だとなり始めたときに訪れる鬼畜要素、「ヒヨリちゃんを救うかそれ以外を救うか」の選択肢をミズキさんに突き付けてくる異世界配信。

ミズキ「きみがいる限り僕は負けない」「すべてを背負って生きるよ」

間違えてしまっても前を向けたミズキさん

この√、ずっとトロッコ問題のようなこと考えさせられて頭抱えました。どの選択が正しいか、その選択が間違っているか、選択肢以外のことを考えるのか….どれも正しくなくて、どれも間違っていないから難しいんですよね。ミズキさんの思考としては「数」なんですよ、少数を切り捨てて多数を救う。でも、ミズキさんは少数を切り捨てるのは優しすぎるんですよね。少数が情が移った相手なら切り捨てもきれないし、だからと言って知らない多数も切り捨てられない。特にヒヨリちゃんには特別な感情が芽生えてしまったので、大事な選択肢の時に間違ってしまった。けれど、間違いというのは悪いわけではなく時には希望の道筋にもなり得ると。恋愛するよりトロッコ問題について考えてしまった√でした。


メイ√ 感想

底なしに優しく、自分の希望も諦めない芯が強い人でした。キョウヤさんが今作の主人公なら、メイくんは前作主人公というイメージを抱いています。人気あるとのことでしたが、理由も納得です。だって、私も大好き。初対面から好きな予感していましたが、個別を経ても大好きでした。好感度が下がる瞬間がない。ずっと、陀宰メイッッ!!!!ってなってます。

一番精神が安定している気もして、誰よりも常識人という感じがしました。個人的に、個別に入っても共通から印象が少しも変わらなかった人物は陀宰メイだけでした。他は背景を知ることでより詳しい人物像を知ることができましたけど、メイくんに関しては裏表がなく見えている面が割と真実に近いのでギャップが少ないんですよね。抱えている問題とかは大きいのですけれど、それを飲み込んで安定して立っていられる人間。メイくんの優しさと安定感が現れた個別であり、殺伐とした世界観で丁寧な恋物語が描かれている√な気がします。

金魚の話のあたりで、一気にメイくんが明るくなった気がして泣きそうになりました。この人が思い出してほしいのは、些細なことで大切なことなんだろうなと勝手に考えてしまって悲しくなります。ここら辺から笑顔を見せてくれる数が増えた気がして、嬉しくなりました。僅かにですけど、心の重りが取れたのかなと。メイくんって立場的には怪しいんですけど、立場以外は怪しくないんですよね。裏切り者であっても、事情があるんだなと思いました。

メイ「でも、今は…....いいよ、それだけでも。十分嬉しい。すごく……」

金魚のこと思い出したヒヨリちゃんに対する言葉

彼が思い出してほしかったのは些細な出来事、それを忘れているヒヨリちゃんを見ているのは辛かっただろうなとなると悲しくなってきます。好きになったきっかけが些細ではありますが、あれが決定打ってだけで他にも様々な要因があったと思うんですよね。笑顔だったり、話し方だったり、小さな優しさだったりと、積み重なって好きだなってなったのだと。そう考えるくらいには、告白シーン大好きです。真っ直ぐで純粋な想いに弱いので泣きました。あんな綺麗な告白があるかよ…。

ただ好きだと伝えたかった、ただもう一度だけヒヨリちゃんに会いたかったという気持ちを抱えているのに他√では割とそういう大きな気持ちを隠していそうなのが憎いですよね。あくまで優先はヒヨリちゃんの幸福だと、それなら自分を厭わない自己犠牲の精神がありつつも、自分の願いを完全に捨てきっていないというのも好きでした。

メイ「……ありがとう」「泣かなくていいんだ、本当に……だって、お前が思い 出してくれたなら___」「俺達の勝ちだ」

あまりにカッコよくて震えた終盤

永遠に笑顔であれ…幸せであれ…そして、制服姿のメイくんをありがとう…最高だった。でも、他√のメイくんのことを考えると胸が痛くなり、何も手につかなくなりました。他√の彼に救いは…救いはないんですか…そこになければないか…私は陀宰メイを孤独にしたくない。

全√攻略後にバッドエンド回収したんですが、あまりにも良すぎる。心は痛いんですけど、メイくんの内心がかなり見えた気がしました。もっと泣いていいんだぞ、陀宰メイ。


ソウタ√ 感想

飄々としていて掴みどころがなく、嘘か本当かどちらを語っているのか読み取りにくい人でした。個人的には、他√の在り方を見て「限りなく黒に見えるけど、頭の良さで真実を見極める白」という推測をして進めていきます。割りと当たりでした。歓喜。

キャスト人で一番頭が良いポジションってミズキさんかなと思っていたのですが、ソウタのほうが天才肌的な頭の良さを感じました。真実を知るために自分さえも使って、周りに嘘をついていく。黒い人物は誰かを疑う必要がないから、自分を疑わない人物が怪しいってよく思いつくわ。確かにそうかもしれません、でもそれを実行できる頭の良さは彼だから持ち合わせていたのだろうなと思います。ところでタクミくんとめちゃくちゃバチバチなの何?ソウタくんが疑う相手、めちゃくちゃ怖いんだけども。この時点で、タクミ√覚悟する準備をし始めました。

何もかも本気になれない、負けたらつまんないと思っていたソウタくんがヒヨリちゃんと関わることで、距離が近づくことで「負けても楽しい」と思えるようになったのが素敵でした。じわじわとヒヨリちゃんの真っ直ぐさがソウタくんの中に浸透していったのかな。勝算のない勝負には挑まないスタンスだったのに、1つのきっかけでそれらすべてが変わっていく様はソウタくんの成長を感じてトキメキました。

ソウタ「ねー。俺も意外だよ。負けたらつまんないって思ってたのにさぁ。今、 悔しいと同時に…....すごく楽しい」

また、途中から「なんてね☆」とか茶化すような感じで接触してくるのではなく、本気で好きなんだっていう雰囲気を醸し出しながら接触してきてたまりませんでした。随所で額にキスしたり、押し倒したり等あんなに接触してきたのに、少しグイグイと押しを強くしたら照れるんですか!いけ、ヒヨリちゃん!ストレートに気持ちをぶつけてしまえ!

ヒヨリ「大好きって言っただけじゃない…?」
ソウタ「ううっ。ダメだ、ちょっとそれ別の日に取っておいて。ためといていいから」

ストレートに感情を伝えられると照れる凝部ソウタ(かわいい)

私は、ソウタくんとメイくんが仲良くしているのを観たいだけなんです。あのドラマのように互いに互いの背中を預けているような日々を観たいんですよ、でもダメでしたね。シャレマニはそう甘くないぞってことですか。やっぱり、誰かの幸せは、誰かの幸せを奪ってしまうのだなと心苦しくなりました。

本気になれなかった男が好きな女の子に対しては「本気だから」と言ってエンディングに近づいていくの控えめに言っても最高すぎる。


タクミ√ 感想

こんなに怖いだなんて聞いてない。私は、ホラーゲームをしていた?アイスクリームが好きでほんわかしている可愛い人だと思っていたら、彼に近付いていくたびになんだかよく分からない怖さが滲み出てくる。自分が守るから自分だけを信じていたら良いという様に自然に刷り込んできたりします…ヒヨリちゃん気づいて……。と思いつつ、不穏さが醸し出されてきて喚起してました。人間関係がギスギスしない感じの謎に迫る不穏さは大好き。

タクミ「ごめんね。ボクもこの子が欲しくなっちゃった。止めてもいいよ?この子がいいと言ったらね」

強者感あって好きだし、これ言われたときのメイくんの心情が気になりすぎる

まあ12歳ではないんだろうなと薄々思いつつ、進めていたら案の定でした。ぼくの方が年上なんだからお姉ちゃん呼びは違うよねって、ヒヨリって呼び始めたあたりで「異性だ」って感じがしてゾクゾクしてきました。これまでは弟感覚でもあったので、するっと急に心に入り込んでくる感じが怖かったです。あと、他√で哲学的な質問かましてきたの意図的だったのかと気づかされました。怖。というか、今までの言動も色々な意図があったりするのかと考えるとヒヤッとします。でも、面白いですね。√前と後で印象が変わるキャラクター、こういうキャラがいたって良い。

「ボクが守ってあげる。つらいことすべてから。きみがそばにいてくれるなら、ボクの永遠をきみにあげる」「だからきみの優しさを、きみの愛を………きみの迷いを、悲しみを、寂しさを」「輝き淀む瞬くようなきみの心を、ボクにちょうだい」

怖いけど文学的で良いなと思ったセリフ

タクミEDって、バッドエンドしかないじゃないか!となったときの絶望感。初回攻略時の「タクミエンドってメリバなん?」って思ってたらエンディングがバッドエンド仕様。始めて見ました、あのエンディング。他√にあったバッドエンドを後回しにしていたので…。バッドエンドのエンディング怖すぎた。

タクミ√から真相√に繋がっているのは知っていたので察しましたよね、タクミくんと向き合わないと、タクミくんとの本当の意味での幸せは訪れないんだなって。絶望。けど、スチルありバッドエンドは割と好きでした。まあ、これもありかなって。ある意味で幸せの形ではありますよね、2人だけの箱庭でドラマを演じ続けている。ずっと孤独だったけど、唯一無二のヒヨリちゃんがいるなら幸せだという感じのタクミくん。でも、日の光の下で皆に囲まれながら幸せそうなタクミくんが見たい、本当の温かさを知ってほしいと思ったので、真相√へ向かいます。


真相√ 感想

遂にやってきました、真相√!もう少しサクッと終わると思っていたら、想像よりも長くて驚きました。ちょっとやったら眠ろうと思いながら進めていたんですが、終わらなくて深夜1時過ぎまで画面に齧りつきます。眠い中やる情報量ではなかったなってくらい、怒涛に情報が流れこんできました。

ヒヨリちゃんがヒヨリちゃんらしく、自分が信じたものを拾い上げて向き合ったから辿り着いたエンドという気がしました。個人的に、メイ√以外ではヒヨリちゃんは一番一緒に過ごしたであろう各キャラの影響を受けているのではないかと考えていました。特にリョウイチ√が分かりやすく影響出ている気がします。メイくんは思考回路とか考えをそこまで伝えておらず、ヒヨリちゃん自身を信じていたという面もあったのであの世界では影響与えていないほうなのかなと。メイくんが影響を与えているとしても元の世界で仲良くなった時ではないかと思います。

ヒヨリちゃんが譲らない点とか自分の芯はありつつも影響を受けやすい感じもするのは、母親の影響もあるのかなと推測しながら進めていました。ヒヨリちゃん自身も影響を受けている面があることを示していましたので。

また、ヒヨリちゃんの母親の何でも拾い上げて、誰でも手を差し出すっていうのは心の空いた穴を埋めるようにしているのかなと。忘れてしまった何かをどこかで見つけてしまった時に、取りこぼしてしまう恐怖心から何でも拾い上げる癖ができたのかもしれません。心に穴が開いている時に手を貸してくれた人がいたら、スポンサーにもなりますよね….。どんな倫理観していたって、救世主にしか見えん。

ある意味、ヒヨリちゃんが自分の目で見て物語を見届けて成長をしたこと、母親が成せなかった「忘れない」「忘れても思い出す」ことを成したことで成長して自分自身を確立していく物語でもあったのかなと思います。

本来のプロデューサーであるタクミくんこと「アステル」が悪いかどうかというのは難しいところですね。確かに行ってしまった多くのことは悪いと言えますけれど、その根本って人間ですし、でもその人間も悪気があったわけでもなく、「小さな積み重ねが最悪な結果を招いた」ということです。

ヒヨリ「みんながあちこち間違って……小さなすれ違いが重なって、大きな 違いになっちゃった」

罪を犯した人の罪だけを見たら悪いと言えますが、罪を犯した人の罪を犯した背景を見たら一概に悪いだけ言えないこともある。善悪の二者択一で判断するのは困難。個人的にはアステルもまた被害者であり、加害者として立ってしまった以上はそれを償うために行動すべきという風に考えています。消えること死ぬことは償いにはなりませんので、消える前に死ぬ前にできることを最大限にやって自分が奪ったものを償っていくことが罪と向き合うってことなのかも。まあ、どうあれ寂しがり屋の彼が笑顔でヒヨリちゃんの元へ辿り着けてくれたことが良かったです。

タクミ「きみがいるところが」「ボクのアルカディアなんだね」

最高の結論

帰還した後に、それぞれのその後が見れて良かったです。特にメイくんとトモセくんの会話。これこれ!私が見たかったのはこれ!2人でバチバチしつつ、ヒヨリちゃんが危ないという時には手を取り合ってほしいです。トモセくんがヒヨリちゃんに想いを伝わっていてほしいって焦っていたのって、メイくんの影響があるのかなと予測していたのですが、トモセくんがメイくんを他の人より拒絶しているのを見るとありえそうです。キョウヤ√ではキョウヤさんには割とすんなり譲っていそうな雰囲気を感じたので。トモセくんのなかで恋敵として警戒していたメイくんが記憶から消えて漠然とした焦りだけが残ったがゆえの行動がトモセ√の動きだったのかなと予想。

大団円なエンドとはいっても、皆が幸せでめでたしめでたしというわけではありません。それぞれの葛藤や悩みはきっと残ったままで、それが解消されるのは各√なんですよね。でも、これから先の人生で誰と関わるか、誰と過ごすか、自分はどう考えるか、そうした積み重ねをしていくうちに紐解かれていくようなものはあると思います。それに彼らは、異世界配信で出会った人たちとの縁も紡げたわけですし、誰かしらが誰かにお節介を焼くかもしれません。現時点では幸せではないかもしれないけれど、僅かな希望はあるような終わり方でした。

バッドエンドは、アステルだけがいない空間ではありますが、意外とハッピーエンドな雰囲気でしたね。もっと絶望的かと思ってたので驚きました。でも、忘れたくないヒヨリちゃんが誰かを何かを忘れているのは、どんなことよりもバッドエンドなのかもしれません。


最後に

全体的に、乙女ゲームをしているというよりは、恋愛要素のある人狼ゲームをしているような感じがしました。クリアした後「めちゃくちゃ良いSFものを読んだな」という感想が真っ先に浮かぶくらいには楽しかったです。FDが欲しい~!全編、彼視点が欲しいです。

選択肢も少なくかつエンド数も少なめでしたので、初心者でも遊びやすい乙女ゲームだなっていう感じもしました。フローチャートもありますし。ただSSの場所が分かりにくいので混乱するかも。私も分からなくて後半になってから気づきました。フローチャートのページめくったらどこかにあります。是非、読んでいない方は読んでみてください。最高でした。オススメは、ミズキさんのSSとソウタくんのSSです。

拙い文章での感想記事でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。


次回:オランピアソワレ

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