Contamination振り返りと、時々アクション。
もともとメモ書き程度に開設したものの、前回の投稿から半年ほど空きました。お久しぶりです。
先日、所属劇団である演劇ユニットHORIZONの1年3ヵ月ぶりの本公演が終演いたしました。
事後処理と、更に仕事の方でもイベントが続いている関係で、なかなか世間の流れに追いつけない日々です。忙しいというのは今の世の中、ありがたい事です。
しかしながら、それで終演後の「ロス」という状態から置いていかれるのが少し寂しいので、こうなったら自分で振り返りをしてみようじゃないかと思い筆を執っている次第です。
長くなる予感しかしませんが、もしよろしければお付き合い下さい(本編のネタバレを含みます。ご注意下さい)。
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演劇ユニットHORIZON番外公演
The beauties of nature『Contamination』
終演から約二週間となりました。皆様お元気でしょうか。
前回の『星護りの道』の時とはまた違う情勢になり、本番日だけでなく、稽古の形態も随分と変わりました。
これを「当たり前」にするのには、心はもちろん現実問題まだまだ時間がかかりそうです。が、焦りすぎず、ゆっくり日常に溶かしていこうと思います。そう悪いことばかりでもないですし。
今回の『Contamination』(以下、コンタミ)では、制作のお仕事を色々とやらせて頂きました。
制作指揮の大橋さんからたくさん学びながら、「公演をつくっていく」過程を直に感じることができて、非常に得難い経験だったなと思います。
叩けば埃が出るように、反省点を挙げればいくらでもあります。でも「次回の公演ではどうやっていこう」という前向きな脳の切り替えが以前より上手くなっている気がして、結構驚いています。そういった意味でも、コンタミは自分にとって大きな公演となりました。
いい事を狙って書きたいわけではありませんが、カーテンコールで舞台からお客さんを見た時「あ、これ一生忘れないな」と確信めいたものが心に刺さったのは本当です。
この作品を一緒につくってくれて、ありがとうございました。
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という振り返りともう一点、今回は「アクション」について書こうかなと。
というのも、アウトプットや発信は基本的にTwitterを使っているのですが、今回のコンタミに関してはそこまでアクションシーンが多くありません。なので、あまり出しゃばって押し出しすぎてもなあと。
ここからまた長くなる気がしますが、ご興味ありましたらぜひ。
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私は殺陣・アクションがとても好きです。
独学でありながらも指導を担当させて貰っているのですが、熱が入りすぎてアクション稽古の日は必ず家で反省しているくらい好きです。
コンタミでは、主に柾木と夏目がアクション担当でしたね。
クレジットに「アクション振付」と贅沢に載せて頂いておりますが、前述した通り、コンタミのアクション自体は多くなく、大きく二ヶ所となっています。
柾木が桔梗に詰め寄るシーンと、山場の夏目。
どちらも一発でバシッとキメるアクションで、短い時間で二人の人柄が表れる振付に難航しました。
柾木はなるべく「型」になるように。
柾木役のさちこさん、身体の使い方がとっても上手でした。むしろ私が導いて貰う側で、一緒にいると非常に勉強になる素敵な方です。
実際アクションで対面した印象として、刑事としての素質を持ってる人だなあと感じました。重心が公務員。さちこさんに振付したい殺陣・アクション、いっぱい出てきそう。
ただ私も比較的「型」の人間です。決して悪いことではないけれど、今回の場合「型」だけになってしまうと、その空間が一気に警察署になってしまうので。
私が演じた橘が優勢になる「振付」とは別に、何かフックになるものが欲しいなあと思っていた時、「アクションの間」という意識が生まれました。
橘が柾木の胸倉を掴んで引きずり出した時や、蹴りを入れた後。そういう時に、ほんのちょっとした間で違和感を作って次の一手を雲隠れさせると同時に、自分の縄張りを守る。これは、自分の役作りにも非常に参考になりました。
柾木くん、警戒や威嚇が分かりやすく表情や身体に出るタイプなので、身体を引き倒した時、力の入り具合が非常に顕著でした。
桔梗先生の言葉に一喜一憂する身体が興味深く扱いやすい。だから手元に置きたいと思ったし、予定では手に入ると思っていました。
では、なぜそうならなかったのか。それは、この人が原因でした。
夏目。こちらの振付テーマは「海外ドラマ」です(自分が振付しやすいように、勝手にテーマをつけていただけですが)。
アクションの流れは稽古開始当初から変わっていませんが、細かい振付はギリギリまで変更していました。すみません…。
姫乃さんご自身は「魅せ方」がとっても上手な方なので飲み込みが早く、個人的にものすごく好きな振付になりました。
橘的に言うと、夏目は「とても不快なもの」です。
夏目は他人に強い影響力を与える人なので、夏目がいなければ、橘お気に入りの柾木も手に入っていたと今でも思っています。
縄張りにさりげなく爪を引掻かけるのが上手な人でした。そんな夏目の毒牙にかかった柾木に興味が持てるわけもなく。夏目と柾木が事件の真相に迫るシーンの時点で、既に彼に対する興味はゼロでした。
なので、姫乃さんがしっくりくる振付に加えて、あえて「天野が楽しいアクション」にしました。これは、天野が橘と共存あるいは共闘するための鎖でもあります。マウントとも言いますね…。
全て橘の思い通りにはせず、彼の中にある獣の血が夏目キッカケで騒ぐようにしたくて、私のわがまま振付にさせて貰いました。
だからと言って、橘は夏目を恨み続けたり嫌い続けたりもしませんが、夏目がいなければ見えなかった橘の顔が見れたような気がします。いやあ、痛快痛快。
ちなみに、夏目とのアクションで橘が最後に後ろに手をやったのは、背中に忍ばせているガーデンナイフで応戦しようとしていた動きでした。
最後に拳銃アクション。
柾木には少しだけ手解きしただけですが、夏目の方は扱っている時間が長かったので、かなり頑張ってくれていました。
何よりもあの拳銃、結構重いんです。しかも性能が良い分、上手く扱わないと変なところが作動してしまったり。
怪我防止のため、アクションに慣れるまで稽古場に拳銃を持っていかなかったのですが、持って行ってからのハマり具合が速くて、流石は刑事だなと感じました。
二人の鋭い眼光、ぜひ直接浴びて頂きたかった。
柾木の前半とは打って変わる迷いの無い瞳と、夏目の動物的眼光。あの瞬間は、野生界の狩りそのものでした。
お二人はずっと一緒にいたからなのか、眼光と殺気の出し方が似ていて面白いんです。
橘の拳銃アクションで地味に気を付けていた作法もあるのですが、「へえ〜」くらいのものなので、もし配信で気付いたら「へえ〜」って思っといて下さい。
第13回公演『TRUMP』の時もそうでしたが、敵対する相手役と「何かが通じる瞬間」というものが必ずと言っていいほどあって。もちろんアクションが無い人ともありますが、闘うという行為をしないと分からない「何か」が、私が殺陣・アクションを愛する理由です。私個人の感覚ではありますが。
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色々と自分語りをしてしまいましたが、何にせよ、怪我なく終える事が出来て良かった。それに尽きます。
6月30日から始まった配信の方でも、かなり格好良いカメラアングルで撮って頂きましたので、ぜひ確認してみてくださいね。アンケートフォームもよろしければ。
かなり長くなってしまいました。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
演劇ユニットHORIZON、そして『Contamination』に関わってくださった全ての方に、改めて感謝申し上げます。皆さんが、私達の幸せの形です。
次はいつ投稿するのか分かりませんが、その時はまた、片手間程度にお付き合いくださると嬉しいです。
今回は、この辺で筆を置きたいと思います。
あまの