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米ロサンゼルス大火災と火星♂の占星術的な影響について
アメリカ第二の都市、カリフォルニア州ロサンゼルス(Los Angels)で大火災(執筆時点で継続中)が起きた、占星術的な影響力について考えている。火事・火災・燃える・燃やすといえば、第一義に考えるのが「火星♂」だ。この♂が冥王星♇とオポジション(☍=180°)であるとかで今回の大火災を説明する人もいるが、「そんな単純なものじゃないのにね」とも思う。
実際、火災が起きた7日(現地のPSTで6日02:44)には、♂が蟹座♋️に戻っている(それまで獅子座♌️で逆行していた)。チャート(ホロスコープ)上でみれば、まぁ確かに♂と♇は「☍」のオーブの範疇なんだが、古典占星術ではサイン(宮)が変わればアスペクトは成立しないと考える。例えば月のボイドがそうなっていることからもわかる(月☽が次のサインに入る=イングレスするとボイドは解消されるでしょ)。
今回の火災で♂が凶意を発現したとすると、それは「☍♇」よりも、それ自体の性質の悪化や天球上の位置によるものだろう。
◎ 火星♂は♋️29°に戻った時点で、
逆行(Retrograde)中である(2025年2月24日に♋️17°で順行へ転じる)
本質的な品位(エッセンシャルディグニティ)が♋️で「フォール(fall、減衰)」となり、品位が悪化した(♂は山羊座♑️で高揚し、反対側の♋️で減衰する)
OOB(Out of Bounds)という特異位置にある(赤緯24°16’)
土星♄のバウンド(Bound=Term、=冷・乾)、☽のデカン(Decan、=冷・湿)にある →♂=熱と冷は正反対だが、♄と「乾」が一致しており乾いて燃えやすい
地球に最も接近しているタイミング(最接近は日本時間で1月12日22:37)
1月13日(現地時間)には、満月🌕(月齢14〜15)による火星蝕がある(北アメリカ、西アフリカなどで観測可)となる
1月16日に「衝」(太陽☉と♂のオポジション☍=180°/赤緯系では17日)=ゆえに最も明るい状態(明るさ:マイナス1.4等級)
今回の「2025ロサンゼルス大火災」の発端となった野火(wildfire)というか山火事は、現地消防局の情報によると、現地時間1月7日の早朝にLA近郊のパシフィック・パリセーズ(Pacific Palisades)付近で発生したという(3カ所で発生したとの情報もある)。この時のチャートを仮に現地時間午前6時30分(位置はLAとする)で見ると、以下のようになる。
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☽は牡羊座♈️(=熱・乾)にあり、IC(地面)に達しようとしている。☽は太陽☉(=熱・乾)のスクエア(□=90°)で受けた光を、♋️29°にある火星に運んで□になる配置。当時は乾燥した冬の風が強く吹いていたという。
正確な野火の発生時間は不明だが、午前6時30分のチャートではアセンダント(ASC)が2024年12月末(現地は30日14:26)の新月🌑があった位置と同じ♑️9°になる。
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Wikiによると、火災の通報が最初にあったのが7日午前10時30分ごろ。この頃には☽は♈️27°にあって♂との□がタイトになっていく。この時のASCは魚座♓️25°だが、バウンドとデカンが「♂」でもあり、海王星♆が上昇している(事態があいまいで、先の見通しが立たない象意)。
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☽はその♆と天王星♅(突発的な出来事)の中間点(ミッドポイント)にも位置する。そしてこのASC位置はLAで2024年9月17日に部分月蝕が起きた度数でもある(位置は12ハウス)。
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LAは2025年1月の13日14:26に満月🌕を迎える。しかも☽と♂が再接近するタイミングでもあり、その頃まで続く可能性があるのには注意したい。
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ちなみに、☽と♂は2025年2月9日にも大接近し中国〜ロシア・シベリアで火星蝕が観測されるという。日本でも月が西の地平線に沈むころに北海道や九州北部で火星蝕となるそうだが、高度が低いため観測は難しいとのこと。でも占星術的にはディセンダント(DSC)=敵・競合相手という意味もある。
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(04時47分、東京)
このチャートではASCを支配する土星♄がこの☽と♂の合☌にトライン(△=120°)となっており、太陽☉と水星☿が「カジミ(Cazimi=太陽の中心と重なる)」タイミングでもある。太陽☉は8ハウス(死)を支配し、水星☿は6ハウス(軍隊)と9ハウス(外国)を支配する。ちょっと(だいぶ?)不穏な感じがする配置でもある。
(了)
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