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「僕のちんこにピアス開けてください」6 ー紗季と少年ー

 趣味で作ったアカウントに届いた一通のDM。

「僕のちんこにピアス開けてください」

 よくあるパターンか、と思いつつも、羞恥や露出を希望するM男が多い中、初っ端から性器にピアスをつけてほしい、と振り切った内容のDMだったので目を引いた。

 気分で返信をしてみたら、SM経験の無い高校生のスポーツ少年だった。
まだあどけなく、純粋な少年から届く希望は、酷く破滅的だった。

「ちんこにピアス開けてください、何個でもいいです」
「針を刺してください、血だらけにしてください」
「酷くしてください、僕の身体なので自分で責任とるので好きにしてほしいです」
「僕のちんこを壊して欲しいです」
「全て捧げます、紗季さんに壊して欲しいです」

 この子は何なのか。
高校生と言えば、異性が気になりにきゃぴきゃぴと浮かれている頃だろうに、この少年はそんな同級生の中息を潜めこんな事を切望しているなんて。
どういう人間なのか、興味を持った。

 DMを続けていく中、わかったこと。
この子は、私を運命の相手と思いたがっていた。
依存したい。自らを消耗させ、辛く切なく苦しい選択の中、私を女神のように思い縋っていた。
そして、とにかく若かった。SMに関しては知識はほとんど無く、今から調教すればまるっと私好みに仕上がる貴重な存在ではあった。
日々のやりとりも、拗ねる反応も、喜ぶ反応も、とにかく若さを感じた。
それでいて少年は不意に、美しく切ない、破壊的なパワーをもった言葉を使い、私の心臓は何度も握り潰されそうになった。
大人が口にしても到底響かせることなんて出来ない、純粋でストレートな言葉を、使いこなした。

 可愛かった。そして切なかった。
 毎日届く言葉が、少年の血に見えた。
 私で消耗される日々を止めてほしかった。
 私は君を所有できない。


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あまね@ SM短編
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