「僕のちんこにピアス開けてください」8
気づいたら朝だった。
眩しいのが嫌いな俺が遮光カーテンにしないのは、紗季さんと繋がれる朝が来た喜びを毎日感じたいからだ。
天井を見つめ続けていたつもりだったが、そのまま寝てしまっていた。
握ったままの携帯を持ち直し、いつものようにDMを開いた。
「二十歳の誕生日おめでとう。二年越しの約束なのでピアス開けるの案内します。いつがいい?」
静かな部屋で、自分の心臓の音が響く。
ドッコ、ドッコ、ドッコ。
鼓動の大きさで身体が振れる。
夢じゃない。俺は正気だ。震える。身体の芯から携帯を持つ手の先まで。
紗季さんに、会える。 やっと会える。
紗季さんの視界に入って、紗季さんと直接話しが出来る。
紗季さんの手を握って、俺の初めての痛みを、紗季さんの見てる前で。
「紗季さん、返信ありがとうございます! 言葉で表せないぐらい嬉しいです! 本当にありがとうございます! 今週末の土曜日はどうですか?」
「いいよ。 じゃあ13時に原宿駅で待ち合わせましょう。」
「はい!ありがとうございます!」
浮かれた。とにかく俺は浮かれた。
シャワーを浴びながら適当な歌を歌った。外の空気はとびきりに美味しく、コンビニの店員にも笑顔で受け応えた。
大学の講義にも身が入り、バイト先でも意欲的に働いた。
その時付き当ってた彼女にも普段より優しくできたし、普段からして欲しがっていた首絞めセックスもしてあげた。
正常位で彼女の首を絞めながら、首を絞められている俺を想像した。
顔は赤くなり、目は充血し今にもどこかが弾け切れてしまいそうな俺は、微笑んでいた。
こめかみの血管を浮かべて、愛しいものでも見るような優しい目で。
一瞬、俺の首に手を伸ばす紗季さんの姿が浮かび、途端に強い快感に支配され射精した。
彼女を見ると、肩で息をしながら恍惚とした表情で俺見つめていた。
髪を撫でてみた。いつもはしない俺の行動に、彼女は一瞬目を見開いたが、すぐに幸せそうに俺の手に甘えてきた。
「お誕生日おめでとう。大好き。」
彼女の言葉に微笑みで返した。
俺は今週末、運命の人に合うんだ。
こんなに穏やかな気持ちはいつ振りだろう。
これが恋。幸せは、これだ。
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