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INTJが覚悟ガンギマリな理由
創作において、自らの信念に従って大きな行動を起こす覚悟のキマったキャラクターにはINTJだと言われる者が多い。現実にもスケールの差はあれどそういうストイックな雰囲気をまとったINTJは結構いるのではないだろうか。
なぜ覚悟がキマっているのか
Niの主目的は核心を掴むこと、結論を得ることだ。だから"考えているがまだ結論が出ていない(物事の核心を掴めていない)状態"を評価しない。結論に向かっていくらか近づいたとか、結論を得るために労力を割いたとか、そういうことに対する評価が低い。というか、自分の中で結論や核心を掴んだ瞬間それまでに支払ったコストのことを全て忘れてしまうようなところがある。だから何に取り組むにしても、その物事の核心を掴んだ地点から物語が始まる。自分が掴んだ核心が正しいということを前提に全てを進める。核心は出発地点であると同時に、最終的に成すべき形を自然と指し示す。もちろん歩みはそこに向かっている。こうやってNiに突き動かされて生きているのがINxJだ。
Teは社会的多数の意見、正誤の判断をかなり重視する。多数派の意見が力を持つのが公平というものであると考える。INTJにとっては補助機能なのでNiが得た結論と多数派の考えが噛み合わない可能性は大いにあるが、世界がそう言っているということは認める。INTJの天上天下唯我独尊なイメージとは少し離れるかもしれないが、この性質はINTJの独特な振る舞いにかなり影響する。
Fiは自分が好き勝手していることを直接的に自覚する機能だ。Fiの世界観では、基本的に全ての人間は自分の好き勝手に生きている。利他的な行動も「利他的な行動という自分勝手」だ。自分の心を直接見るFiは、この「自分勝手」の部分にピントが合いやすい。これが代替で不器用に機能していると、自身の自分勝手に対する心境は複雑だ。
Ni、Te、Fiのこれらの性質が、INTJが重たい覚悟を背負い込む理由だ。まずNiが自分の出発地点と最終目的地を決めてしまう。これに従わないというのは完全な自己否定になるので、基本的にはありえない。しかし時として社会や多数派は自分の掴んだ核心や目的地を否定してくる。(自分の中に飼っている社会が)それは正しくない、お前が間違っていると言うかもしれない。そして自分の選択は結局全てただの自分勝手だ。こうなったとき、自分勝手を自覚しながらも自分の主義主張を曲げないのがINTJだ。最後まで否定できないからこその主機能だ。社会に対する離反、勝手を自覚するからこそ責任は自分だけが背負い、自分の力でNiが見た最終目的地へと辿り着かなければならない。
同じNi主機能でも、ここはINFJと差がある部分だと思う。鍵はTiとFiだ。矛盾にぶつかったとき、選択の正しさと根本的な理由を不器用ながらつぶさに、そして理論的に見出そうとするINFJに対して、INTJは最後の最後には自分がそうしたいという気持ちに従うべきだと考える。お互い代替機能なのでここは不器用だ。INTJの覚悟は自分自身を賭けてのものだが、INFJの覚悟は自分の周りの世界を背負ってのものになる。
おまけ:INTJは自信過剰
Niと同様に過程をあまり評価しない傾向がTeにもある。INTJは自信過剰な人物として映りがちだが、これは本人の目が自分の出した結果にばかり行っていて、過程にあった泥臭い努力の方には視線が向いていないからだと思われる。考えに考えまくり、目的達成のためにあらゆる努力を惜しまないINTJは、大抵はそこそこの結果を出す。しかしその泥臭い努力を本人があまり注視していない。だから自分は大した努力もしていないのにある程度の結果を出せた、という認識になるのではないだろうか。努力を努力と思わないのはINTJの長所ではあるのだが、自身に対する過大評価という弱点と表裏なのだ。
過程より結果を重視する傾向に影響するのはまずT-F軸、次にP-J軸、最後にN-S軸だと思っている。F型よりT型、P型よりJ型、N型よりS型が結果を重視する傾向にあると思う。INTJについては少し語ったが、他タイプが結果を重視するメカニズムも気になるところだ。