#1 Amane Dressy star Episode.0
【Dressy star Episode.Amane】
------第1話¦ネット廃人の生き様
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「っはぁぁ!!!こいっつ……まぁた知ったか病みついしてる……
大量にタグ付けしてくるせに1人になりたいは無理があるだろうよ……!」
今日もSNSの人達のツイートに文句を付ける終わってる性格の女
「天川あまね」。偉そうな事を言っているが、
学校サボり魔&勉強が出来ない社不。
…何者かになりたい。楽してみんなにチヤホヤされたい。
叶うわけない夢を掲げて今日も眠りにつく
──夢を見たの。
今よりもっと幼い頃の夢。暖かくて、どこか儚くて。
辛い記憶だってある。でもそれをかき消しちゃう位に
大切な思い出。それは、両親と一緒にデパートに出かけた日。
その日はそのデパートで地域アイドルのライブイベントがあって
人がいつもより多かった。
この日まではアイドルなんか興味無かった。
本当の自分じゃない「虚像」をオタクに「愛」してもらう。
虚像を愛されたところで自分じゃないから誰も幸せになんかならない。
そんな活動に魅力を感じられなくて。
その日はちょっとだけ気が向いたからライブを少し見ていた。
…あの人達は「好き」を貫いているんだ。
彼女達は本当にすごく輝いて見えたの。
私はその時、ほんの少しの勇気を貰ったんだ。
目覚めると、知らない間に涙が溢れていた。
「…何やってんだろ、私。」
今も学校で頑張ってる子達は
限りある青春を思いっきり楽しんでいるのだろう。
それに比べて私は………
考えるだけで吐き気がする。どこで間違えたんだろう。
そんな劣等感を掻き消すために今日も沢山の社不の集い、
SNSを見始めた。
……どうしてだろう?いつもはみんな愚痴ばっか吐いて
喧嘩して、消えたがってるのに今日はインターネットが暖かい。
トレンド1位は「アイドル」だった。
どうやらアイドルユニットの話で盛り上がっているらしい。
珍しく気が向いてるから調べてみよう。
画面に映し出されたのは3Dモデルのアイドル、
バーチャルアイドルだった。
私が憧れたアイドルとは少し違ったけど
最高にかわいくて、かっこよくて……
──あの頃、確かに私はアイドルを夢みていた。
どうしようもないくらいキラキラしてる人達を見て
「あんな風になりたい」と何度願ったことか。
でも、友達の口から吐き捨てられた言葉をきっかけに
自分の顔が嫌いになって、アイドルを憧れるなんて
自分には許されない…って。
そう思っていた。
「…バーチャルアイドル。」
3Dモデルっていくらかかるのかな。
そんなことを考えてしまう程、
私はバーチャルアイドルに惹かれていった。
「げっ…モーションキャプチャするだけで3万…
モデル代××万……払える訳……」
ワンチャンあるかも!?と思った自分が馬鹿だったと思い知らされた。
でも、ここで諦めちゃったら全て終わってしまう。
直感だけど、そう思ってしまったんだ。