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【日常エッセイ】年齢と出会う場所は関係ない
40歳を過ぎてから知り合ったのに、
心を開いて話し合える関係になれた人たちがいる。
\大人になってからは、
利害が絡むから本当の友だちなんてできないよ/
そんなセリフを聞いたような気がするんだけど、
いつだったんだろう?
たぶん学生時代か、
社会人になって間もなくだったように思う。
でも、現実の私は違った。
冒頭に書いたように、
40歳を過ぎてから親しくする友人ができた。
その親しくなった人たちのうちの1人は、
知り合ってからオンラインでしか話していないのに、
何でも話せる間柄になった。
直接、リアルに顔を合わせていないのに
知り合うことができて、顔を見ながら話ができる。
すごい時代になったものですね。
昭和生まれの私は、いまだに感動してしまう。
知り合って約3年になる彼女は金沢在住、私は大阪。会えない距離じゃないけど、
「会おうか」って気軽に言う距離でもない。
その彼女が仕事の研修で大阪へ来るというので、
一緒にランチする時間が取れるなら会おうよって
誘ってみた。
そしたら、研修の集合時間は13時だそう。
早めに大阪に来てもらって、
お茶しながら話してランチもすることになった。
思いのほか、長い時間を一緒に過ごせそうで驚いた。
当日、待ち合わせの駅に着いたら、
先に到着してベンチに座っているという
彼女の元へと足早に向かう。
オンラインで顔を見ながら会話をしていたとはいえ、
リアルに会うのは初めてだから、
見たら、すぐにわかるんかなぁ、
話続かなかったらどうしよう…
なんて、少しの不安を抱えて緊張しながら
LINEで連絡が来ていたコンコースにある
ベンチのほうを見た。
あ、きっとあの人や。
膝をきちんとそろえて閉じて、
背筋を伸ばして本を読んでいる。
俯いているけど、髪型や雰囲気が、待ち合わせている彼女だと物語っていた。
私は人を避けることもなく、まっすぐ進んだ。
「こんにちは、おまたせ」
顔をあげた彼女は、
声を出すまで、ほんの少し間があった。
えっ、人違い?
動揺しそうになったとき、
「こんにちはー」
と彼女が挨拶を返してくれた。
あ、合ってた。良かった。
胸を撫でおろす。
彼女は読んでいた本をバッグに入れながら
立ち上がり、私の隣に並んだ。
同じペースで歩き出す。
「顔見たとき、あー、本物だーって思ったよ。
本当に存在したよって」
だから、返事に間があったのか。
苦笑が漏れてしまう。
確かに、ずっとオンラインだったから、
存在してるんだろうけど、本当にいるのか?って
思ってしまう感覚はわからなくはなかった。
このとき、10時過ぎ。
近くにあったチェーン店のコーヒーショップに入る。
1時間ほど話をし、
ランチの店を探しているときも話し続け、
お昼時で混み始める前の店に運良くは入れた後も、
食事中も話し続けた。
![](https://assets.st-note.com/img/1726359366-Cu37Ya6nPLOwExr0RBD9UIJl.jpg?width=1200)
そして、彼女の研修場所の会社の前まで
一緒に歩いていって、しゃべり続けた。
家族の恥部、過去に抱えていた心の闇など
オンラインで話していたことを再確認しあい、
今の状況も伝え合った。
こんなことを言ったら変に思われるかな。
こんな話をしたら、
欲しくもないアドバイスされるかな。
そんなことは一ミリも考えることなく話ができた。
まだまだしゃべれそうな勢いだったけど、
時間は13時少し前。
解散しないといけないけど、名残惜しい。
まさか、ここまでリラックスして、
話したいことを話せるとは思わなかった。
会話のテンポも心地よかったんだ。
人によっては、一方的に話して
こっちが話そうとしても話させてくれなかったり、
変な間ができたりするときがあるけど、
彼女とは全然そんなことにならなかった。
本当に心地よく過ごせた時間だった。
また、会おうね。
その言葉は必ず現実になるだろうという確信をもって
別れた。