情報リテラシー論⑪ 苦悩する紙媒体と電子書籍 長岡造形大学

紙とデジタル、どちらが「学び」に向いているのか?

紙媒体と電子書籍を巡る議論は、日常の中で深く関わってくるテーマだと思います。講義で話題になった「紙で勉強する方が効果が高い」という話は、私自身も共感するところがあります。

大学時代、タブレットでのノート作りや資料閲覧を試したことがあります。その便利さは目を見張るもので、資料の検索やコピー&ペースト機能には何度も助けられました。しかし、勉強においては、「便利=効率的」というわけではないことを痛感しました。紙に書き込むと、単に知識を頭に入れるだけでなく、書いている最中に自然と「考える」時間が生まれ、記憶にも定着しやすかったのです。

若者の情報消費と発信の変化

もう一つ興味深いのが、若者の情報の扱い方の変化についてです。新聞を読まなくなった一方で、文字離れしているわけではなく、むしろSNSを通じて積極的に発信している点には驚きました。ただし、その「文字」の質や量は昔と異なり、短文や断片的な情報が中心です。これにより、深く考える時間が短くなっているのではと感じます。

とはいえ、昔と違い、情報を受け取るだけでなくアウトプットを積極的に行う文化が根付いているのは、ある意味で「責任」や「主体性」が求められる時代の変化なのかもしれません。

紙媒体の「特別感」

また、紙のメディアには独特の魅力があります。たとえば、ファンクラブの会報が紙で届くと「特別感」があるため解約率が低いという話は納得です。紙の触感や重みは、デジタルでは味わえない感覚的な価値を提供します。それが消費者の心をつかむ理由の一つなのでしょう。

メディアの進化と多様化

一方、ニュースメディアのデジタル活用の進化も興味深いです。NewsPicksのように、各種SNSを使い分けて情報を届ける手法は、若者に寄り添った戦略として成功している例と言えるでしょう。「すべてのプラットフォームで無料」としないことで価値を感じさせるモデルは、他の媒体も学ぶべき点が多いと感じます。

おわりに

結局、紙とデジタルのどちらが優れているかを断言するのは難しいですが、それぞれの特性を活かして、どう使い分けるかが鍵だと思います。これからの時代、どちらかを選ぶのではなく、両方を補完的に使うスキルが求められるのではないでしょうか。私自身も、このテーマを機に改めて「学びの方法」を見直してみたいと思います。

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