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盲腸(虫垂炎)の話。

2021年の夏頃、いわゆる盲腸(正式な病名としては急性化膿性虫垂炎)になった。

結果的に2回の入院(2回目の入院にて虫垂切除)、ということになった。
覚書程度に状況等など書いておく。
(当時の代表的なツイートなぞも参考に貼っておきます)(痛みの経過ログとして)
ツイート数多いのと、ちと古すぎるので、当時の発言ログ的にひとまとめにしたものをmin.tにも置いておく。(そちらにも軽く注釈等はつけつつ)

2021年・入院時のまとめ(虫垂炎)

・・・なんで今頃こんなの書いてるかって?
前から書いてて、単に筆が止まってただけだよ!すまんやで!

忍び寄る謎の腹痛

始まりは下腹部の違和感からだった。
気づいたらチクチク・チリチリとした違和感が下腹部に居座っていた。
元々ときどきそういう謎の痛みが発生するものの、我慢すればそのうち消えるので今回もそうだろうと思い、なるべく気にしないようにしていた。

腹痛に言及しているのがこの辺りのツイート。だいたい5/28が最初っぽい。
腹部の張りも訴えているが、状況的に通常の腹痛(生理痛など)との区別がつかず放置

が、じわじわと痛みは波を伴って存在感を増し、ひどいときには
椅子に座る 衝 撃 が腹部(腹腔内)に響いてつらい
というレベルに。

その状態のままおよそ 半 月 経過(放置とも言う)。

いや、一応言い訳させてくれ。
当時は別の病気(※メンタル)で療養中だったために、そこまで動き回らずともどうにかなってたんですわ。
痛みの波がひどいときは家でじっとしてやりすごしていた。野生動物か?

あと、「万が一、盲腸(虫垂炎)だったらイヤだな・・・」
(※最悪腹膜炎に発展して死ぬ危険性もゼロではないため)などと思っていたので、普段は生理痛などでは温めるところを、なるべく無理のない範囲で冷やす方向で動いていたのもある。

そのおかげか(?)、特に熱も出ず食欲もあり特徴的な吐き気等も無かったので、「ちょっとした腹痛が長引いてる」くらいに思おうとしていた。
過去にウイルス性腸炎や腸閉塞なりかけ等やらかしてるのもあり、まあこれくらいの痛みだけならまだ動けるから耐えられるやろ、という認識だった。

ハイ、正常性バイアスですな。
なお、同じことを他人が言うてたら「今すぐ病院行け、いいから行け」って助言してるはずなので、マジで正常性バイアスだと思うわ。

だいたい5/31の時点で、下記のごとく母とのLINEでも腹痛についてぼやいていた。

・・・この時点で既に病名が出てるんだよなぁ
(当たってほしくなかった)
「冷やさないように」と言われているが、実際は炎症なので冷やすのが正解

メッセージ内でぼやいているとおり、過去に「腸閉塞なりかけ」と言われたこともあったため、腸関連の可能性はないかと一応警戒はしていたのである。
(しかしこの「腸閉塞なりかけ」、腸狭窄とどう違うのか誰か教えてくれ)

そして先に書いた通り、このままおよそ半月そのまま。
ときどき痛み止めの投入はするものの、気休め程度にしかならない。

さて、上記の「謎の腹痛が半月ほど続いている」という旨のツイートをしたところ、さすがに見かねた心優しいフォロワーさんから「病院行って」と優しいツッコミが入る。
・・・ハイ、至極ごもっともですね(正座)。
さすがに観念し、まずは近場のクリニックへ行くことに。

「どうせいつものごとく『大したことないですね』『病気じゃないです』って言われるんだろうけど行ってこよう」
(※『』内は生理痛や不正出血で婦人科受診時、実際に医師に言われた言葉)
という、諦め半分での受診であった。

痛む場所が場所なので内科と婦人科とでどちらに受診すべきか迷った結果、婦人科では前述の如き対応が多かったので、駅近のコンパクトな内科へ。
最近内科にかかることが少なかったので、コロナよりだいぶ前に風邪気味の際かかったきりの駅近医院・Tクリニックへ行くことにした。

ベテランと思しきおじいちゃん先生が出てきて触診。
患部を押されるたびに痛みで発する奇声。いやマジで痛いんだってばよ。
(特にレントゲン等は無く、触診と問診だけでした)

おじいちゃん医師「・・・紹介状書くから、大きい病院で診てもらって
おじいちゃん医師「なるべく早めに行ってね」

重ねて言われたのでさすがに不安になり、そのクリニックを出た足で電車で駅2つ分先の大きめ病院・T病院へ。同じ頭文字だがこちらは地名、クリニックは多分院長の名字。
受診時間ギリギリと思える時間(昼前)に大病院へ駆け込む。
(※駅からの距離を考えた結果、過去に突発性難聴で入院した病院とは別のところへ。結果的にかなり助かった)

まぁでも、いつものパターンだとせいぜい痛み止め貰って終わりでは?
病院内にあるド○ールの看板を見ながら「診察終わったら、広告に出てる美味そうなミラノサンドでも食べよう」なんて呑気に思ってたアホでした。

問診にレントゲン、血液検査や尿検査等を経て、既に昼の時間は過ぎ、もうじきおやつのほうが近いのでは?と思う時刻になっていた。
(いつ呼ばれるかわからんので、うっかり何か食べにも行けぬ)

さすがに時間かかりすぎだよなぁ、そしてそんな時間に駆け込み受診ですまんのぅ、なんて思ってたらようやく再度呼ばれる。

医師「虫垂炎ですね。いわゆる盲腸。入院です」
わし「今からですか?」
医師「もちろん」

え、いわゆる緊急入院ってやつですかこれ。
確かに痛みはひどいけど、波がマシなときは普通に動けるんですけど?

「これさっきのレントゲン。ここね、膿がたまってる
う、うおぉぉ・・・マジか・・・(と言ってもレントゲン(特に内臓)の見方ってぱっと見よくわからんですけどな!)
「かなりひどいねー」
・・・そんなに!?

あれよあれよという間に入院の準備が一方的に進められていく。
即日入院が決定される程度には緊急事態なのだから当然だ。

だがしかし。
(見たいTV番組の心配をしている場合でもない)

入院RTA開始!

重大なことが。我が家に居る、だいじな猫様のお世話である。

我が家の愛すべき猫様。そこそこおばあにゃん。
とても甘えん坊。うちのぬこ様のこと。を参照のこと。

わし「今から入院ですか?」
医師「そう」
わし「一旦帰宅したいんですが」
医師「無理」
デスヨネー。とはいえ、こちらにも引けぬことはあるので。

わし「家に猫が一匹居りまして。
これから他県に住んでる母親を呼び出しますが、今日さすがにすぐには来れないので(事実)、一旦帰宅して世話をしてすぐ戻ってくるのでもダメでしょうか!?」(切実)

実際、わし自身は一人暮らしで、猫様が扶養家族みたいな状態である。
(※ただの猫奴隷である)

普段からカリカリ(乾燥した食事)メインなので、多少山盛りにしておけば実際一日くらいはどうにかなる(そうやって一泊旅行にも行っている)、とはいえ今朝の時点で当然そこまでは気が回っていなかった(いつも若干多めに入ってるとはいえ)。

更に入院ともなればさすがに(普段はあまり関わりたくないと思っている)母にも連絡せざるを得ない。猫様のお世話は母に頼み込む以外の選択肢がないとしても、さすがに即応してもらえるなどとは思っていない。
当然に向こうの都合もあるし。

プラス、だいじなこととしましては。
母を家に呼ぶ場合、家の中が荒れ果てまくっている状態で呼ぶわけにはいかぬのだよ!(お小言が山のように降ってくるので)

つまり、
・猫の食事等を出しておかねばならない
・多少でも部屋をマシにしておかないと、母にヘルプお願いするにも支障がある

というどうしようもない状況(2点目は完全に普段の行いの問題)だったのである。

さすがに2点目を素直に医師に伝えたところで当然どうにもならぬので、実際優先度としても猫様の食事を出すという「ペットの健康状態に直結する」ということをメインに押し出し、最終的にどうにか
「自己責任だからね!?」
という医師の言質を取り、家へ取って返した。

往復の時間を含めて小一時間。自宅に居れる時間は正味30分ちょい程度。
リアル走れメロス、いや、自宅の環境整備RTAの開幕であった。

プラス、入院時に最低限必要な品を荷造りする、も追加で。
(猫様の食事準備そのものは・・・サクッと終わるので・・・ハイ・・・)
普段から持ち歩く荷物が多めな人間としては、ある程度は備えも含まれているが、さすがに着替え等までは持ち歩かんので・・・

帰宅する前から既に準備は始まっている。無駄なことをしている時間はないのだ。
最寄り駅前の百均に駆け込み、必要そうなものを片っ端からカゴに放り込む。その荷物を持って帰宅。
爆速で猫様のお相手&ご飯のカリカリをてんこ盛りにする。(猫トイレの砂もダッシュで片付け&整備)

「今日からしばらく居ないけど、おばあにゃん(※わしの母)が来るからねー」と猫様に言い聞かせつつ、近年稀に見る猛スピードでリビングに掃除機をかけ、見えるところに置いておけない有象無象を全て自室に放り込む。

あとは最低限必要そうな品をチョイスし、でかい袋に詰め・・・詰め・・・入らん!無理!
でかい紙袋など引っ張り出したりしていると、もう残り時間が既にヤバい。

最後に明らかに今まで以上に混沌としている自室のドアを閉めながら、
「走れメロスこんな気分では?・・・いやアイツはもっとのんびりしとったわ」などと思いつつ、時間短縮のためにタクシーを呼び、病院までとんぼ返りをキメた。
入院で便利だったアイテムとかも書いておきたいので、思い出し次第書く。

病院へ戻るタクシー内で、一都県挟んだ地に住む母親に現状をメッセージで送信。なるべく早めに家にきてほしい旨(※もちろん猫の世話がメイン)を伝える。我ながらひどい。

母とのメッセージのやりとり画面(抜粋)。
17時までに病院へ戻らねばならなかったのでこのくらいの時間かと。

母も突然のことで混乱しているが、何しろ時間がない。必要な内容だけ伝える。やはり当日内にこちらへ来ることは難しく、翌日になるとのこと。
これは当然、想定内である。当日来れるって言われる方が正直怖い。

そんなこんなで、どうにか医師に提示されていた時間内に病院へ到着!
急激に体調悪化することなくリターン完了!ミッションコンプリート!!

そのあと待ってたのは 絶 飲 食 だったんですけどもな!!
数時間でどうにか水分補給は解禁されましたが、絶食なのは変わらず)

お陰でツイートする内容、だいたい腹痛あるいはハラヘリの二択になってた。(普段からよく食べるので・・・)

病院へ戻ったあとは、鼻の奥に綿棒を突っ込まれ新型コロナウイルスの検査などをサクッと行いつつ、入院時の緊急連絡先に書いた母親の住所に何故か反応する主治医。
「僕、そこ出身!」
お、おぅ。母はそっちに嫁入りしたので(※再婚)、わし自身はそちらの地域にあまり縁はないのだった。まさかのご近所の可能性もあり、そっちに住んでたらきっと話が盛り上がったに違いあるまい。

検査結果にOKが出て(新型コロナ陰性)、無事に病室まで案内してもらえることに。
(それまで診療時間終わった待合でぼーっと大量の荷物抱えて座ってた)
全然自力で歩けたのですが病状的にはよろしくなかったらしく、入院する病室まで車椅子での移動と相成りました。

・・・そんなに!?!?そんなにギリギリだったの!?
ついさっき、家までダッシュで往復(※片道タクシー)した人間なのに!?
わぁ、割とガチでヤバかったんだなあこれ(今更ながら他人事)。

入院時の話(1回目)

と言っても、大した内容はないです。
基本的にはずっと点滴打って、寝てるだけ。
禁食以外は天職では?って感じではあった(怠惰マン)

この時点での病名は「急性化膿性虫垂炎」
膿瘍(のうよう)ができているのだということだった。
要は医師が言っていたとおり、膿が溜まっているということですな。

入院して数時間は禁飲食だったため、水すら飲めない状態でしたが、どうにか水だけは許してもらえた(麦茶含む)。
しかし入院のおよそ半分は禁食だったため、ある意味ずっと限界状態でした。基本、食いしん坊なので。

あとは造影CT取りに行ったり、禁食なので同室の人がメシ食ってる間めちゃくちゃ腹が鳴ったり、定期的な検温・点滴・その他検査以外はフラフラしても大丈夫だったので興味本位で院内探検がてら地下の売店までポチ(点滴)連れて行ったり、思ってたよりあっさり入浴OK出たり(入浴はお風呂場の都合上、スケジュールがとてもタイトなのだ)、番組録画の調整を母に遠隔でお願いしたり(録画容量を泣く泣く削除してもらいながら)、そういや家のトイレのウォシュレットの電池が液漏れしてたのを完全に直す前に入院しちゃったので母すまん電池入れ替えといて、とか、点滴逆流してるの気づいてナースステーションまで自分で行ったり(看護師さんたち皆忙しそうだったので・・・)

入院時の友・点滴スタンド。通称ポチ。

―――と、まぁ普通の範疇ですね。(入院の普通:とは)
この最初の入院の時点では特に外傷もなく、痛み(炎症)は抗生剤のお陰で途中からだいぶマシになってきてたので、そんなもんでは?と。
(ちょいちょい夜に熱くて寝れないとかあったのは、炎症による熱だったのでは疑惑)(※コロナは陰性だったので)

・・・ここで一つ、でかい爆弾を思い出した。
この当時、体調崩して長期で病休になっていることをこれまで母に伝えていなかったのである。
虫垂はバクハツしなかったが、こっちの爆弾が炸裂した。
(この辺ちょっと家族関係ややこしいので、めっちゃ怒られた、とだけ)
アホなの?人生かけてマインスイーパみたいなのやってない?

ともあれ、己のアホさ加減は一旦置いておきまして。
数値が改善しなければ鼻から管入れて膿をどうにかする(ドレーン処置)という話もあったものの、抗生剤はそれなりに効果はあったようでその処置はしないままで終わりました。間一髪。

点滴等での抗生剤投与の結果として数値が良くなり、ようやく食事制限が解かれて紙パックジュースのような流動食(と書いてあった)を飲んで「量が足りない・・・」とぼやいたりしつつ、退院までじりじりしておりました。

こちらが流動食という名のジュース。

食事も流動食から全粥へ、あっという間にランクアップ。通常もうちょい段階踏まない?
まだ若いから?(入院中は四十路でも充分若いのである)
個人的に一番面食らったのは、次から食事OKになった途端に登場した、
「全粥という名のうどん」だったかな・・・粥:とは。

全粥と言う名のうどん。

というか、うどん食った直後に「このままなら明日退院できるよ」とか、割と唐突すぎんか!?(マジ)
入院時と似た感じでサクッと退院が決まり、そのまま特に急変もなく翌日に退院と相成りました。マジで急展開なんだわ。

正直、猫様に早く会いたい。その一心でしたがね・・・(猫様を文字通り猫可愛がりしているので、会えないのはとても悲しいのだ)

数値等が改善されて無事に退院はしたものの、ツイートのとおり原因は不明のまま、炎症起こした大元の虫垂も特に処置等はせず、という状態だったので、ある意味いつ再発するかもわからん状態での退院でありました。
(後日切除するのですが)

退院~2回目の入院まで・サブイベ三昧

退院してからも微妙な不具合はあったものの、さすがに激痛とまではならずそれなりに大人しく過ごしておりました。(一部を除く)
痛みはあったけど炎症反応とかも特に問題はなく。
(母とのバトルはいろいろありましたが割愛)

退院後、症状等の確認に通院時、
「手術の日程なんだけど」「(入院)いつがいい?」
とさらりと言われる、の巻。
先生の都合とわしの都合、それから病院自体の都合諸々でざっくりと日付決定。わぁお、割とライトな感じ。
こちらは長年連れ添った内臓切るんですけど?

そしてその入院・虫垂切除に伴って様々な小イベント発生。
サブイベみたいなもんですな(ゲーム脳)。
あらかじめ決まっている入院ってすごく大変なんだな!?というお気持ち。

  • 入院についての事前説明+検査

  • 新型コロナウイルスの検査のための検体持参

  • 初の大腸カメラ(内視鏡検査)

  • 入院に備えての書類作成(高額療養費・限度額適用認定証・プラスαとして加入している医療保険での扱い確認等)

などなど目白押し。
(書類作成は前回の入院中にも一部同じことをやったりなどしましたが)
わぁい、全く嬉しくないイベント三昧ー。

そして全く嬉しくない、大きめのサブイベントその2としまして。

この入院の合間にちょうど、以前書いた痴漢騒動がありましてな。
(あちらには詳しく書いていませんが、最終的には一応無事解決しました。無事、犯人に前科一犯つけてやりましたよ!)

プラス、新型コロナウイルスワクチン接種も並行して進めておりました(医師に相談・確認しつつ)。
1回目は思ったほど副反応はなく、ホッとしたりもしたのでした。

上記の各種サブイベント(?)を順にクリアしつつ、ついに2度目の入院&虫垂切除です。
あんまり待ち望んではいないが今後再発されても困るし、(自分的に)未知の体験はネタになる!という邪な思いで望みました。それもどうなのか。

なお内視鏡検査は医師の強いススメにより鎮静剤を使うことになってしまったため、自分の内臓を見る実績は解除されませんでした。
残念!次回に持越し!

そのかわりと言ってはなんですが、聞いてもいなかったのに「痔があるね」とさらりと暴露されたんじゃが。母親も同席している事前説明の場で。
痔主なのを身内に公開されるの、地味にダメージでかいんだわ。

入院時の話(2回目・手術)

今度は事前に決まっていた入院のため、準備が整えられておりました。
各種書類に必要なアイテムもりもり。
余計なモノだって持っていっちゃう。

猫様をモフれないので、入院に備えて虚無を錬成するなどしていました。(フワフワの毛糸をかぎ編み)
そういう余計なものも持ち込んで、いざ入院・手術!

の前に、おヘソの汚れを取るお掃除などしてもらうなどしておりました。
めっちゃくすぐったい!
(自分でやる場合よりもくすぐったいの何でだろうねアレ)

(↑うちの薬研もちは、別本丸の乱ちゃんからヘアピンを貰って付けています

気を取り直し、入院して翌日、手術。盲腸切除術である。
さよなら、わしの虫垂。ずっと一緒だったけど今回の入院関連を除いて特に何も思い出は無いな。内臓なんでそんなもんである。

手術そのものは腹腔鏡下手術であるため侵襲は少ない(ぶっちゃけ大きく切らなくていいので、傷口が小さいよってこと)。つまり、患者本人の身体への負担は少なく、入院期間がそれだけ短くなる、はずなのである。
はずだったのである。(予定は3泊4日程度とのことであった)

病名としては「急性虫垂炎保存治療後」+「虫垂切除術」(入院時の診療計画書に書いてあった)

あ、そうそう、盲腸(虫垂炎)といえばある意味創作物では定番(かもしれない)のアレ。剃毛。

こんなん聞いてもつまらんでしょうが、術前に一応剃毛はされました。
ただ全部をツルッツルにするというわけではなく、手術に関係するであろう身体の前面を主に、って感じでした。
体毛が薄い人はそこまで剃らないかもしれない、という感覚。
(残念ながら当人は毛並みがとても良く。要は毛深いので、ハイ)

入院して翌日朝(というよりも昼前)、手術着に着替え(T字帯と弾性ストッキング着用)、手術室へは自分の足で向かう。

手術室より手前の部屋で、再度手術についての説明を受ける。いや今更どもこもならんて。
(興味津々で病室内をガン見していたら、途中まで同行してくれていた母がドン引きしていた件)

手術室へ向かう途中で母とは別れ、途中の壁のあちこちに貼ってある動物たちのなごみ系ポスターを眺めながら「これは小さいお子さん向けとかなのかしら」などと考えて、手術前の緊張感を己自身で緩める。

最終的には自分で手術台に横たわり、点滴等の準備や姿勢を整えるなどする。
これ、「手術怖い!」って思ってる人には酷な道のりでは?
その場合はベッドで運ばれるのかな、などとふわふわ考えている間に―――


―――そこですっぱりと記憶は寸断され、気がつけばベッドの上(ストレッチャーかと思ったが、そのまま元の病室へスライドしたのでおそらく昨晩寝ていたベッドと思われる)で移動中に声を掛けられていた。ベッド横を見上げれば母も居る。

「そんな、たいそうな手術じゃあるまいし」
と声を出そうとして、ガッサガサな音しか出せないと気づく。腹腔鏡下の手術中は全身麻酔であり、その際の気管挿管によるものだと伝えられる。
退院してもしばらくこの影響は残り、声はガッサガサな期間が続いたのだった。

手術は無事に終了し、まずはナースステーションそばの集中管理室的な部屋へとベッドごと搬送される。そこである程度状態が安定するまで(少なくとも意識がしっかりし、ある程度身体が動かせるようになるまで)はこまめに状況をチェックするようだった。

ところで全身麻酔ということは、身体の呼吸等について全身管理した上での手術ということ。
つまり、先の気管挿管に加えて下の方も管理する。手術終わって意識が戻ると、股間にしっかりと尿道カテーテルがぶっ刺さっているのである。

術後意識が戻ってすぐ、この時点で導尿の尿管に対して違和感がありまくり(正直ずっとトイレに行きたい感じが続いていた)、早く動けるようになりたい一心でベット上で唸っていた。

そう、腹腔鏡下の手術なので傷口そのものは確かに小さいしそこまで不安のある手術ではないのだが、それでも内臓の一部を切り取る手術なのである。
そりゃまあ、身体もびっくりして熱も出すわな。
熱発により氷枕など所望しつつ、麻酔が切れれば今度は切ったハラが痛む。

手術を終えたのであろうこの部屋に運び込まれてくる人は、皆同様に痛みと熱に唸っていた。それはそう。どこかしら皆切ってるのである。
中には「そんだけ文句言えるなら結構元気では・・・?」と首をひねりたくなるような大きな声も聞こえるが、こちらもそれどころではない。

そんな「野戦病院ってこんな感じなのかなぁ」とうすらぼんやり考えている間に、ある程度身体は動くようになってきていた。
そうして入院した際の元の部屋へ戻ってもOK、と許可が出た。

ここでやっと尿管が引っこ抜かれ、T字帯から通常の下着(おぱんつ)へ装備変更となる。(ここで運悪く生理中だったのでちょっとした面倒はあったものの、看護師さんもほとんどは女性なのでだいたいのことは問題なく進んだ)
「あとで排尿時にしみるかも」とも言われましたな。そんなに!?(確かにちょっとしみた)

そんなこんなで昨日入ったばかりの元の部屋へベッドごと移動し帰還。
ベッドテーブルに乗っけてた荷物達よ、ただいまー!(ぐんにょり)
熱と痛みに唸りながらも、ツイ廃なのでどうにかスマホを握りしめ渾身のツイート。アホです。

午前中に手術室入って、どうにかスマホ持ってこのツイートできるようになるまでにだいたい半日ってとこですかな。
虫垂炎でこれなので、もっと複雑な手術ではきっと更に大変だと思います。

早く普通に動けるようになりたかった要因が
「トイレに行きたい(尿カテ早く引っこ抜いてくれ」
ともう一つありまして。

「腰痛が手に負えなくなる前に身体を動かさせてくれ」
という切実な願いがですね(※

頸椎・腰椎椎間板ヘルニア持ち)

同じ姿勢を続けるのが腰によろしくないために、なるべく早く寝返りだけでも打てるようにならねば、というのがマジで切実だったんですわ。
(傷の痛みとのダブルパンチで割とつらい)(途中から生理痛も参戦した結果トリプルパンチ大戦だったよ!地獄か!?)

さすがに小さい傷とはいえ腸切った直後は食事以前の問題でしたが(丸一日食事ナシ)、翌朝から普通のメシが出たんですが。
まあ完食こそしなかったけれども一応食べれましたね・・・恐るべし食欲。

術後しばらくしてからのメッセージ上でのやりとり。
割としんどいながらもツッコミは欠かさない。

ところで術後当日の夜中に吐き気を催し(どうにかトイレまで行き)盛大に吐いたのだが、どう見ても血。虫垂切除後にまさかの吐血ぅ!!!

色が茶褐色じみていたので、
「なるほどこれは消化管からの出血!そりゃ腸切ったばっかだもんな!」
程度の認識で、その場をきれいに片してベッドに戻ってしまったのだが、よく考えたらこれはもしやナースコール案件だったのではなかろうか。

まぁ過ぎたことを言うても仕方ない。結局は無事に退院しているのだし。
とはいえ、予定だった3泊4日を超過する程度には身体が弱っていた模様。貧弱貧弱ゥ!

術後は少なくとも熱が収まるまではゆるっと安静を維持。氷枕とお友達。
なお傷口は本当に小さく、ヘソに1ヶ所・右ではなく左下腹部に1ヶ所・更に中央下腹部にもう1ヶ所、の合計3か所でした。
この手術の傷を保護する役割で腹帯を装備したりなどしていました。
妊娠出産ではないが腹帯装備の実績だけ解除したわ。

この腹帯やらT字帯やら、汚れがそこそこついてしまったので最終的に再利用は難しそうだったんですが、自分の背中あたりまで黄色い汚れがべったりついてたのでアレは消毒液の一種だったのか、それとも浸出液だったのか、と未だに答えは出ていません(浸出液とかだった場合だいぶヤバそうなので多分消毒液だと思っている)
尿だったら確実に臭いし、そんな不衛生なもの装備させっぱなしにしないはずなので確実に違うと思うの。

傷口のサイズ感としては通常の絆創膏で充分隠れる程度。このサイズの隙間から引きずり出される虫垂・・・と考えるのもなかなか面白かったです。(「このサイズの隙間から手術用器具が入って、切ったり縫ったりしたんだー」というのも、もちろん考えましたよ!すごいな技術の進歩)

なお、表面上では左に傷口があるのに、パッと見何もない右下腹部の内部がじくじく痛んでいたのは、なかなか不思議な気持ちでした。
腸って痛覚なさげなのに切った後はやはり痛いんだなぁ、とか。

あとは食事はどうにか取れるものの、熱が行ったり来たりでなかなか炎症治まらずに入院予定がずるずると伸びてしまったりしました。
熱も血中値も下がらない状況では、そりゃあ退院は無理ですわな。

傷口の消毒やら点滴やらも体調が落ち着いてくればもうひと安心。
あとはひたすら食べて回復、寝て回復。
とはいえ、ベッドで寝っぱなしではマジで廃用症候群待ったなしの怠惰な人間であるため、なるべく病棟の廊下をぐるぐる歩き回ったりなどしておりました。
本当にちょこっとの運動にしかなってないけどな!

2度目の退院!!

予定よりも超過した入院生活も無事(?)終了。
なんと8/26~9/1までの入院だったのである。
3泊4日どころか、6泊7日になっとるが!?虚弱にも程があるんだわ。

帰宅してから腹帯の洗替的に、普段の腰痛ベルトが地味に役立ったりなどしました。Tシャツの上から装備すれば傷の固定はできるので。
腰痛で使うときより若干緩めに固定しておけば横になっても安心。

その後のサブイベとしては、

  • 経過観察の通院(傷口には保護のためマスキングテープのようなテープを貼ってある)

  • 2度目の新型コロナワクチン接種、盛大に熱発(しかし直前に虫垂切除を味わっているので、アレよりはまだマシ精神で乗り切る)

  • 入院に関する書類の手続き(後編)

  • 前回のサブイベ・痴漢との遭遇関連で、警察署まで赴き、事情聴取を受ける

  • PCが絶不調だったので諦めて新しく購入する(なお購入・引継作業後、旧PCは完全に壊れました)

などがありました。
それなりにイベントに事欠かない人生です。それもどうなん。

そうそう、気づいたらヘソの形状がちょっと変わってしまったり(ヘソにも傷口があったのでしばらくちょっと腫れてるのか出べそっぽかった)
ヘソ掃除する際に傷口に引っかからないか、それだけは割と心配でしたね・・・。

猫様を抱っこした際に傷口に爪等引っ掛けないか、猫様が腹の上に乗った際に傷口を踏んでいかないか、そのあたりも地味に心配ではありました。(猫様は手加減を知らないので)

とまぁ、人生初の手術が絡んだ入院はこんな感じでした。
いやぁもう手術はこりごりだよぉ~!!!
(アイリス・アウトしていく画面)

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