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呪いの臭み【毎週ショートショートnote】

「どうして僕を避けるんだい」
「それは……」

とある城の舞踏会。
王子フリードは、以前から心を寄せていた辺境貴族の一人娘セレナをパートナーにと誘いますが、セレナは丁重に断ると、顔を背けるばかり。

そこに現れたのは、悪役令嬢ヴェルファイア。

「いい気味だわ。貴女には『愛する相手から耐え難い臭みを感じる』呪いをかけたの。これ以上フリード様に近寄れないようにね!」

魔女ミラの力を借りたヴェルファイアは、高笑い。

「ならば――」

しかし、セレナの顔はむしろ晴れ、

「つまりこの臭みは、私がフリード様を愛するがゆえ、ということですのね。それなら、いくらでも耐えられましょう」

フリード王子にすいと近寄り、その手をとりました。
まさにそれこそが、呪いの解除法。
さっきまでの臭みが嘘のように消えたのです。

「王子……」
「セレナ!」

セレナを抱き寄せる王子。
その身体から、ツンとする臭みが。

「うわこれ呪いじゃなく本当の体臭? あーすいません無理です無理無理」

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