伝書鳩パーティー【毎週ショートショートnote】

「この精鋭揃いのモンスターが跋扈する魔城に侵入し、そして魔王の間までやって来るとは。人間ども、お前らは何者だ！」
「あ、魔王さんにですねー、お手紙を届けに来ました」
「は？」
「我々は、しがない郵便屋でしてね」

口をあんぐり開けた魔王の前に姿を現したのは――

鍛え抜かれた肉体を持ち、その盛り上がった筋肉から『鳩胸』と異名を持つ武道家。

独自に小型化し、かつ強烈な威力のある『豆鉄砲』の使い手、銃砲士。

何の変哲もないシルクハットから、自由自在にアイテムを取り出す『奇術使い』と呼ばれる調達士。

そして、癒しと祝福の白魔法と、いかなる敵も打ち倒す剣技を併せ持つ、『平和を司る者』聖騎士。

「俺たちは世界中、どんなに危険で困難な場所へも手紙を届ける郵便ギルド、『伝書鳩』。魔王を封じ込める『聖なる封印の呪文』をお届けしに来ました――」

そして四人は、英雄として凱旋した。

「さて、次は世界中に、平和記念パーティーの案内状を届けに行くとしますか」