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ユニーク輪唱【毎週ショートショートnote】

「あなたの歌声、とってもユニークよね。ただ、その……うちの聖歌隊にはちょっと、合わないというか……」

つまり、私の声は邪魔らしい。
いいや。私だって歌は好きだけど、周りに眉をひそめられながら歌うのも息苦しいし――

「おや? 教会を追放された悪魔の声の持ち主がいると聞いてきたけど、話が違うな。泣き虫しかいないぞ」

振り返ると、見慣れない大柄な女の人が立っている。

「……あなたは?」
「悪魔を地獄に連れていく使者だよ。あたしと一緒にくれば、周りに遠慮せず、もっと思いっきり歌えるよ。今、泣いてたようにね」
「行きます」
「……決断が早いね」
「だって、その声。……あなたも『悪魔』なんでしょ?」
「まあ、ね」

強くて張り詰めたユニークな声の彼女は、ニヤリと笑った。

「あんたのその声は、大勢のうちのひとりになれない、孤独な人間にこそ伝わる貴重な声だ。……だから、歌い継いでいかないとね。世代から世代へ、輪のように。そう――あたしからあんたへと」



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