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告白水平線【毎週ショートショートnote】

愛が欲しかった。
いつも一緒で、何でも共感しあえ、同じ方向を見て進む。心も身体もひとつになれるような、そんな絶対的な愛が欲しかった。

だから、この人はと思えた相手には積極的にアプローチし、交際を始めたら、献身的に尽くした。相手が好きなものを好きになり、欲しがるものを与えた。
でも、いつも上手く行かない。物やお金や身体をいくら捧げても、残るのは「重い女」「都合のいい女」という悪評ばかり。私はただ、愛しあえる人を見つけたいだけなのに。

「あのさ、無理して合わせなくていいよ」

3回目のデートで訪れた海岸で、そう言われた。
ああ、今回の彼も、ダメか。

「ほら、見て。空の青も海の青も、交じり合わないけど、だからこそ調和している。染まる必要なんてない、僕はありのままの君が好きなんだ」

相手から告白されたのは、初めてだった。

沈みゆく夕陽と凪いだ海面に映る光が、きっぱりと空と海とを区切る水平線で接すると、ゆっくりとひとつに溶けあっていった。

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