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劉備はなぜ督郵をボコったのか

三国志というのはゲームやマンガなど日本でも幅広いジャンルで人気を誇る歴史である。

ただ、沼にハマればハマるほどその物語の複雑さに驚く。

そもそも、三国志には歴史書である『三国志』と後の時代に書かれた小説『三国志演義』がある。演義は小説とはいえど、7割は史実と言われているためリアリティの中に3割の魅力的な創作が加えられ読み応えのある作品になっている。

その3割の創作は諸葛亮が風を起こしたり、南蛮に身長約280cmの人物が出てきたりとわかりやすいものもあるが、史実を知らなければこれが創作だと気付かないものも多い。

今回題名にも挙げた「督郵」という人。私は最初これを人名だと思っていた。しかし、これは役職名なのである。ただ、三国志を読み進めていく中で漢字2文字が出てきたらそれは人名と思ってしまうことに共感してくれる人も多いはずだ。

そして、私はこの督郵をボッコボコにしたのは、張飛だと思っていた。

そう。これが演義の創作の1つだったのだ。「徳」の劉備が人ボコる描写は描きづらかったのだろう。

ここで気になるのがなぜボコったのか。

正解はこの督郵という役職の人から賄賂を要求されたから。

うん。そんなんでボコんなや。

「徳」の劉備が賄賂を求められてついカッとなったって?

師の盧植も賄賂断ってからそれを習ったって?

違う。この時の劉備の役職・尉と督郵の役職の差にある。

まず、この時劉備は黄巾の乱鎮圧の功績で安喜県の尉(警察署長的な)という役についていた。官位は高くないものの、皇帝の命を受けた勅任官であった。それに対して督郵は地方採用職。もちろん俸給も劉備の方が上。にも関わらず督郵が劉備に対して賄賂を要求したのだ。うむ、腹立たしい。

いやいや、現在の日本に置き換えてみよう。

国家公務員の試験に受かり、出先機関に赴き県警の監察を行う劉備。そこに現れた地方公務員の県職員が劉備に対して賄賂を求めた。

すると劉備はその職員を棒で200回叩いた。


やっぱ劉備はろくな奴じゃねえ…


つまり、自分よりも官位が上の人物から賄賂を求められていたら、渡していた。せめてもやんわりと断ったくらいなのだ。

自分よりも官位が低い野郎が賄賂を求めるなんて屈辱かもしれないが、劉備はそれほどの人物なのだ。


と、劉備のネガティブキャンペーンをやってきたが、シンプルに私の「なぜそこまで?」という疑問が解決されたから記事にしてみた。

次は曹操のポジティブな記事が書けると良いなぁ〜




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