
日本の図書館の占いにまつわる収蔵書④
日本の占い文化は、歴史的な背景の中で多様に発展してきました。今回ご紹介する収蔵書は、奈良国立博物館、大阪府立中之島図書館、東京国立博物館に所蔵される貴重な資料です。これらの資料を通じて、日本の占い文化の奥深さに触れてみましょう。
1. 『陰陽五行図抄』 - 奈良国立博物館
「陰陽五行図抄」(いんようごぎょうずしょう)は、陰陽道の基礎となる五行説を解説した貴重な資料です。奈良国立博物館が所蔵するこの抄本は、陰陽道における木・火・土・金・水の相互関係を詳細に示しており、当時の占い儀式や自然観を理解するための重要な手がかりとなります。図面には、各要素が具体的な象徴として描かれ、占いの実践に使われた記録も含まれています。
出典: 奈良国立博物館 所蔵情報
2. 『暦占大全』 - 大阪府立中之島図書館
「暦占大全」(れきせんたいぜん)は、江戸時代に編集された暦に関する占いの総合的な解説書です。大阪府立中之島図書館が収蔵するこの書物は、陰陽道の占い術を日常生活に取り入れる方法が詳しく記されています。特に農作業や祭事に関する吉日や凶日の判断が記されており、当時の庶民文化と占いの結びつきを学ぶことができます。この書物には多くの図解が含まれ、視覚的にも当時の知識を垣間見ることができます。
出典: 大阪府立中之島図書館 所蔵情報
3. 『天文密記』 - 東京国立博物館
「天文密記」(てんもんみっき)は、天体観測を基にした占星術に関する書物です。東京国立博物館が所蔵するこの書物には、星座の配置図や天体の運行による吉凶の判断が記されています。特に貴族社会で行われた儀式や政務における占いの活用方法が記述されており、天文学と占いの融合を知ることができます。
出典: 東京国立博物館 所蔵情報
占いの歴史を紐解くこれらの資料は、日本文化の深さを改めて実感させてくれます。次回も、日本各地の図書館や博物館から、新たな収蔵書をご紹介しますので、どうぞお楽しみに。
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