耳読書の可能性を広げたい。
少し前、『YouTubeに苦戦する日々。』という記事を書きました。
知らない人のために説明すると、僕はYouTubeに読み聞かせを配信しています。主に、著作権の切れた文学作品を読んでいますが、noteにも投稿している自作のエッセイや短編小説もアップしています。
去年(2021年)の11月から本格的に配信を始めました。はじめは『ヤマトの朗読アニメ』というチャンネル名にしており、noteに投稿している短編小説にイラストを加えた紙芝居動画をしていました。
しかし、なかなか思うように再生されませんでした。
そして、始めてから2週間が経ったときに書いたのが、『YouTubeに苦戦する日々』というnote記事です。ここから新たな挑戦をしています。
BGM感覚で聴ける読み聞かせ
この時から、BGM感覚で聴ける読み聞かせを始めました。夜寝る前に読み聞かせを聴きたい人にターゲットを絞り、動画の画面は基本的にずっと変わらない静止画にしました。
夜寝る前にスマホの画面を見たくない。音声だけ聞いて寝落ちしたい。夜にリラックスをしたい。そういった需要があると思ったのです。
また、YouTubeを始めたばかりのころは、検索流入が大事だと知りました。なので、自作の短編小説ではなく、なるべく多くの人が知っていそうな作品の読み聞かせにシフトチェンジしました。 『走れメロス』とか『ごんぎつね』とかです。
さらに、チャンネル名も一新しました。この時期には、『ヤマトの夜語り』になっています。
他にも、サムネイル(アイキャッチ)を揃えたり、ノイズがないように念入りに編集したり、読み聞かせの間の取り方を工夫したり、とにかく色んなことをこだわりました。
そして、半年がたった現在(2022年6月)、登録者数が300人超え、月間の視聴回数がもうすぐ2万回を達成します。出している本数がまだまだ少ないのに、過去の動画が伸びていて、かなり順調です。
ちなみに、最近になって、チャンネル名を『やまとの夜語り』に変えました。「ヤマト」を「やまと」に変えただけです。変えた理由は、ひらがなの方が柔らかい印象になると思ったからです。
自作の文章の読み聞かせ
最近新たに分かったことがあります。それは、『走れメロス』や『ごんぎつね』などの有名な作品でなくても、動画が再生されるようになったことです。
noteにも公開している『ありがとうカフェ』の読み聞かせをYouTubeに配信したところ、多くの人に聴いてもらえました。(現在、約4200回突破)
もちろん、はじめは認知度が低かったため、検索流入を狙っていかないとだめでした。けれど、最近になって自作の文章の読み聞かせでも多くの人が聴いてくれることが分かったのです。
おそらく、YouTubeのAIが適切な視聴者にレコメンドをしてくれているのだと思います。実際、検索流入よりも、ブラウジング機能(ホーム画面などにオススメしてくれる機能のこと)や関連動画から動画を見つけてくれる割合の方が上回っています。
さらに興味深いのは、視聴者の年齢層がほぼ65歳以上という点です。チェンネル運営者だけが見れるアナリティクスの画面を確認すると、65歳以上が約45%を示していました。ちなみに、10代、20代は0%です。
YouTubeにお年寄りのイメージがなかったので、かなり衝撃でした。また多くのYouTuberが自分と同じくらいの年齢層のファンが付くことを考えると、驚くべき結果だと思います。
いつも聴いてくれている皆さん、ありがとうございます。
耳読書の可能性を広げたい
読み聞かせを聞く大人の心理を考えてみると、次のようなことが考えられます。
文章を読むことが億劫になっている。
人は歳をとるにつれて、文章を読むことが難しくなる。文章を読むよりも、話を聞く方がはるかに楽だ。この前、50代の母がそう言っていました。
65歳以上ともなれば、より一層そう感じている人が多いのかもしれません。
最近は、Audible(オーディブル)などの登場により、ながら読書をする人が増えてきました。けれど、小説やエッセイのラインナップは少ないのが現状です。多くの場合、忙しい人が効率的に情報を仕入れるために使われているような印象があります。
寝る前に布団のなかでリラックスをしながら、ラジオ感覚で話を聴きたい。文章を読みたいけれど、目が疲れてしまう。本を読むのは苦手だけど、聴くのはラク。
僕は、そんな耳読書の可能性を広げていきたいと考えています。
2022.6.29