文章が上手い人は、”文字起こし”できる。
文章が上手いかどうかは、話し方で決まる思う。きちんとした根拠や理論はなくて、あくまで僕の仮説なので、異論がある人は僕の独り言だと思って、聞き流してほしい。
物書きのプロである作家さんは、話をさせても上手い。芸人さんとは違った意味で話が上手い。まるでその人が書いた小説を読んでいるかのような印象を受ける。
試しに、ラジオ番組などを聴いてみてほしい。理路整然とした話し方で流れるようなリズムで話しているのが分かると思う。要するに、擬音語を多用したりはしない。(もちろん、話をする上で擬音語を使うのが悪いと言っているわけではない)
以前、仲間うちで対談企画をしたことがある。各々が話したいテーマを予め決めておいて、おしゃべりをする。それを文章にしてまとめて仲間内で共有する。そのとき、僕は書記係でボイスレコーダーを使って、彼らの話を録音して、紙にまとめた。そこで面白いことが分かった。
なんと、彼らの特徴が3タイプに分かれたのだ。
一人は、擬音語を多用するタイプ。リズミカルな話し方で抑揚があって、話が面白く聞こえる。しかもその人は毎回自分が話すターンになると、話にオチをつけるので場が盛り上がった。
もう一人は、助詞「て/で」を多用するタイプ。「○○て、〇〇〇で、○○○て」といった調子で話がなかなか終わらない。この手法を使う人は、放っておくとずっと話し続けるので、話の途中で横から割り込んだ方が良い。そうすることで、会話がスムーズに進む。
最後の人は、文で区切るタイプだ。「○○○なんです。それから、○○○なんですよね。」といった風に話が展開していく。区切りが分かりやすいので、次の話し手へ上手にバトンを渡すことができる。
僕は、この3人の話の文字起こしをして面白いことが分かった。
最初の一人は、擬音語を連発するので幼稚な文章になった。また、盛り上がった会話を文章で再現するのは難しい。次に2番目の人は、文が終わらないので無理やり文を区切らないといけなくなる。要するに、最初の二人は文章に直すときにかなりの編集が必要になった。
しかし、最後のタイプは二人とは全く異なっていた。区切りが明確にあるおかげで、会話の時点で文章としてもある程度成立している。そのため、ほとんど直す必要がなかったのだ。
おそらく、最初の二人は文章を書かせたらそれほど上手くはないだろう。文章を書く際は、頭に思い浮かんだことを書いていくのが基本なので、話しているように書くと文章にならないからだ。
もちろん、話し方に良し悪しがあるという話ではない。最初の二人の話し方は個性を表しているし、直す必要はないと思う。ただ、文章を書く点においては不向きなのかもしれない。
逆に、話し方を変えたら文章が変わったり、文章が変わったら話し方も変わるなんてことがあるのだろうか。謎が深まるばかりである。
2021.7.2.
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