さわがしい夏の気配。
最近、毎晩のように我が家に蚊が訪問してくる。どうやら夜行性の蚊で、昼は全く顔を合わせないのに、夜になると急に出現する。こちらはまったく歓迎していないのに、網戸の隙間を縫うように侵入してきて、顔の近くに接近してくる。
スマホで色々と調べてみると、アカイエカという種類の蚊だと分かった。薄暗い場所を好むので、夜の8時頃から朝の6時くらいまで活発に活動するらしい。エアコンをつけるにはまだ早いので、当分の間は付き合っていかなくてはならない。
奴らはなかなか手強くて、僕は毎晩苦戦している。とにかく捕まえるのが大変で、飛んでいる蚊を追いかけていっても、すぐに見失ってしまう。けれど、毎日のように追いかけっこをしていると、少しずつコツを掴んできた。今では、彼らが部屋のどこへ逃げるのかが分かってきた。
奴らはカーテンにくっ付いていることが多かった。僕はカーテンにゆっくりと手を伸ばし近づいていくと、蚊は一目散で逃げていく。次に奴らが向かうのは、天井だ。上を見上げると、じっと張り付いている。
初めは、紙で押し潰そうと試みた。けれど、効果はほとんどなかった。奴らはするりと逃げてしまう。すばしっこい。空振りしたみたいで、悔しくなる。
最近は、スーパーで無料でもらえるビニール袋を手袋みたいにはめて、捕まえている。これがかなり効く。僕はカーテンで休んでいる蚊を見つけると、ゆっくりと限界まで近づいて、一気に袋を覆い被せる。ゲット。
もしこの記事を読んでいる人で、飛ぶ虫を捕まえたい人がいたら、ぜひ参考にしてみてほしい。僕は虫を手で叩いて潰すのは気持ちが悪いし、紙で押さえつけてカーテンや壁を汚すのは気分を害する。ビニール袋を使うと、そんな心配もないし、的中率もかなり高い。だから、今ではこの方法を採用することにした。
奴らはどういうわけか、1日に2匹以上入ってくることはなかった。いつも1匹ずつ入ってくる。謎だ。
蚊たちは、行方不明になった仲間を毎日探しに来ているのだろうか。毎晩ミーティングを開いて、「次はお前だ」と決定を下された蚊が僕の家に探しに来ているのだろうか。まさにミイラ取りがミイラになる現象である。
申し訳ないけど、こちらも家に招き入れて、ご馳走を提供するわけにはいかないのだ。アカイエカの関係者でこのnoteを読んでいる人は、ご理解頂きたい。
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ところで、ここ2年くらいずっとマスクをつけて外を歩いていると、僕たちは季節の香りを感じにくくなったと思う。気付けばそれが当たり前になっている。そういえば、今年の春だって、「春が来たなぁ」と実感することはなかった。
いつもだったら、雑木林から漂う独特の匂いが立ち込めてくるはずなのに、今年は何も感じなかった。去年も一昨年もそうだ。感染症が流行してから3年目になるけれど、春の訪れを感じたのはずいぶん昔のような気がする。
けれど、代わりとなる季節を感じるセンサーは、他にもあると思う。最近、蚊が出たことだってそうだ。暖かくなったからだし、そろそろ夏が来ているのだと思う。さわがしい夏の気配である。