見出し画像

極秘の儀式。

 僕は子どものころ、儀式があった。横断歩道の白線を見つけると、それは決まって始まった。小さな足を大きく開き、大股歩きで、慎重に白線部分を踏んでいく。

 白線は宙に浮いている木の板みたいに、踏み外すと地面に叩き落とされてしまうと思ったのだろうか。それとも、白線のみを歩かないと叱られると思ったのだろうか。とにかく真相は分からないけれど、当時の僕にとっては大切な儀式だった。

 儀式が行われるのは、横断歩道の白線の上だけではなかった。点字ブロックを見つけたときにも、それは始まった。点字ブロックには2種類の模様があり、僕は同じ模様のブロックを進まなければならなかった。

 他にも、進む道に様々な色のレンガやタイルが敷きつめられていれば、同じ色を踏まないといけなかった。その日の気分で好きな色を選んで、同じ色だけを進んでいく。時にはジャンプをして飛び移ることもした。外を歩く時の僕は、とても忙しかった。

 儀式のことは誰にも言ってはならなかった。極秘の儀式であったし、口外してしまうと社会の秩序が保たれなくなる気がした。けれど、何の目的で行われる儀式なのかは、当時の僕ですら分からなかった。とにかく、踏み外すことが居心地の悪いものだということしか。

✳︎✳︎✳︎

 noteに文章を書きながら、大人になった今も、何か儀式はないかと考えていた。あ、あった。

noteの毎日投稿だ。

 これまで、幾度となく中断されてきたnoteの毎日投稿である。僕は毎日記事を完成させ、18時半に予約投稿をセットする。子どもの頃の儀式と同じで、罰則はないけれど、僕は記事を毎日投稿しないと居心地が悪くなる。

 投稿は、今のところ順調にできている。これからも、この儀式は守っていきたいと心から思う。

次に読むなら

子どもの頃、何度もみたアニメ映画がある。僕は当時、同じシーンを何度も何度も再生してみていた。そして、なんと最近、映画のそのシーンに出てきたBGMに再会した。記事に書いたので、ぜひ読んでほしい。 

 今日も記事を読んでくれてありがとうございます。みなさんは、子どもの頃に儀式はありましたか?大人になってからの儀式はありますか?「私も、僕も、こんな儀式があったよ」という人はぜひコメントをください。お待ちしております。
 さて、話は変わりますが、実は今日、僕の誕生日なんです。僕はそのことをすっかり忘れていて、朝起きて日付を見て気づきました。また歳をとってしまった。嬉しいような、悲しいような……。
 あと、僕は毎日18時半に記事を更新しています。主に、日常に潜む"学び"や"感じたこと"をテーマに「エッセイ」を書いたり、読んだ本を紹介する「読書日記」をお届けしたり、短めの小説をお届けする「ショートストーリー」を発信しています。まだの人は気軽にフォローしてください。それでは、また明日!!

今日もスキ も押してくれると嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!

雨宮 大和|エッセイ・短編小説
サポートして頂いたお金で、好きなコーヒー豆を買います。応援があれば、日々の創作のやる気が出ます。