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アニメソングとの再会の物語。

 最近、Spotifyで音楽を聴いていると、聴き馴染みのある音楽が流れてきた。ジャンルはクラシックで、それは子どもの頃に何度も聴いたことのある曲だった。

 真夜中の裏山の空に、とつぜん煌々こうこうと輝くひと筋の光。次第にそれは大きくなる。あ、列車だ。その正体は、列車だった。線路も踏切もないのに、列車は裏山へと停車する。

 列車に乗り込む。列車がふたたび走り出す。列車は裏山を飛び立つと、地上の家やビルがどんどん小さくなる。そして、広大な宇宙の旅へ出発する。そんな映像が、僕の脳内に浮かんできた。

 あ、ドラえもんだ。子どもころ、VHSで繰り返し観たドラえもんの映画で流れたBGM。そういえば昔、列車のシーンがたまらなく好きで、何度も何度も観たよな。映画を観ているだけなのに、まるで広大な宇宙を旅しているような躍動感を感じたころの自分を思い出した。

 僕は懐かしくなって、スマホを手に取り、「ドラえもん 宇宙 列車」と検索する。すると、『ドラえもん のび太と銀河超特急』という映画がヒットする。あった!! しかも、アマゾンプライムで観れるらしい。

 僕は期待を胸に膨らませ、アプリを開いて、再生ボタンを押す。東宝のロゴが映り、映画がはじまる。

 僕はすぐに電車のシーンの答え合わせをした。あ、合ってた。のび太とドラえもんが裏山で電車を待っていると、強い光を発した電車が近づいてくる。同時にあの音楽が聞こえてきた。

 電車は大空に向けて飛び立つと、大きくて真っ青な地球を出た。それから、木星、土星の横を通過すると、ワープに入る。

 太陽系の惑星を間近で見ているような躍動感、当時の記憶が蘇るノスタルジー、昔の映画なのに古さを感じさせない親近感。さまざまな感情や言葉が僕の頭の中を行き交い、渋滞を起こしていた。

 そして、映画ののび太くんは相変わらずヒーローであった。列車が宇宙空間で敵に奇襲を受けたときである。スネ夫は「ママー」と泣き叫び、しずかちゃんは「どうなるのかしら」と不安を吐露とろし、ジャイアンも体が小さくなっている。

 すると、のび太が立ち上がる。

ねぇ、みんな。やっと面白くなってきたじゃない。僕たちは、いつもこんな冒険をしてきたんじゃなかった? 何度も戦い、その度に乗り越えてきたじゃない。今度も逃げないでぶつかっていこうよ。

『映画ドラえもん のび太と銀河超特急』より引用

 勉強もスポーツもろくにできなくて、ドラえもんに頼ってばかりの普段はえないのび太くんは、映画になると大活躍する。全ての人類に勇気と希望を与える。

 絶体絶命のピンチに陥ったとき、僕たちはすぐに下を向いてしまう。みんなに合わせて、とりあえず困り果てた顔をする。僕はそんな時、こんなセリフを言える人になりたいと思った。

こんばんは。雨宮大和です。今日は懐かしい音楽について書きました。ちなみに、あのBGMは、メンデルスゾーンの劇音楽である、「真夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream)」です。気になった方は、ぜひ調べて聴いてみてください。懐かしさを感じる人も多いと思います。それでは、また明日!!

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雨宮 大和|エッセイ・短編小説
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