未完成は最強のコンテンツになる話
本日は、「未完成は最強のコンテンツになる」というテーマでお話していこうと思います。
最近気づいたことがあります。それは、「未完成のもの」に人は熱狂するということです。
ぼくがパソコンを買った日
たとえば、僕が小学生の時にパソコンを買ってもらったときの話をします。当時、パソコンを持っていなかった僕は、おねだりをして家にパソコンを買ってもらえることになりました。
いつも新聞の折り込み広告として入っていた家電量販店のチラシで見ていたパソコンをついに買ってもらえるのです。学校に行くと、友達にも自慢していました。まさにウキウキ、ワクワクしていたのです。
ついに、家にパソコンが届きました。ちょうど親戚のお兄さんがパソコンに詳しかったこともあり、セッティングから使い方まで教えてもらいました。
その後、数週間が過ぎました。その時の僕は、パソコンが家にあるのが当たり前で、数週間前に感じていたワクワク感は完全に消滅していました。
つまり、「パソコンが家に届く状態」が完成されてしまったので、興味が完全に薄れてしまったのです。これは、人は、完成したものよりも、未完成のものの方が熱狂することを表す良い例だと思います。
これは、物だけに限った話ではありません。応援していた歌手でも同じかもしれません。
最初は、ファンも少なく、近い距離感で応援して、歌手として成長していく姿を応援していたのに、事務所に入って、デビューして自分たちの手の届かないところで完成品を届けるようになると以前感じていた熱狂は薄れていくのではないでしょうか。
未完成は最強のコンテンツ
そういう意味では、未完成は最強のコンテンツかもしれません。未完成が完成に近づいていく過程は最高に熱狂できるのです。
では、何かコンテンツを生み出す際に、未完成であることがファンを熱狂させる要素だと考えることができます。
もちろん、完成された作品で人々を魅了できるなら問題ありません。未完成のものでも、人々を魅了できるということです。
たとえば、サグラダ・ファミリアは、まさに未完成品です。着工から100年経っても、まだ未完成という状態です。未完成の建物に訪問した入場料と寄付で建設ができているのです。
今しか見えない景色
未完成のサグラダ・ファミリアには完成品に劣らない魅力があります。建設中ということは、常に完成に近づいている過程であるということです。
つまり、現在のサグラダ・ファミリアは今しか見れません。10年前のサグラダ・ファミリアも10年前しか見えません。
未完成品では、今しか見えない景色を見ることができます。(この場合、景色というのは、実際の「景色」ではなく、「状態」という意味です)
これが、「未完成」のコンテンツが最強たる理由です。完成されたものなら、常に見える景色は同じです。そして、常に同じ品質が求められます。
たとえば、プロのミュージシャンが録音環境の悪いスタジオで撮ったMVを誰も期待していません。以前リリースしたのと同じクオリティの完成品が聞きたいのです。
一方、アマチュアのバンドが自分たちのなけなしのお金でPVを撮った場合は別かもしれません。ファンはたとえ未完成品でも、彼らが成長していく姿に期待して応援するのです。
挑戦することが価値を生む時代
未完成のコンテンツといえば、何かに「挑戦」するコンテンツが価値を生んでいる気がしています。
たとえば、芸能人の東大企画。僕も好きですが、見入ってしまいますよね。人が何かに挑戦する姿は観ている人に勇気を与えますし、成長していく姿を見るのはとてもワクワクします。
東大企画といえば、以前『ドラゴン堀江』という番組がAbemaTVで放送されていました。これは、堀江貴文さんと他の3人の若手タレントたちが半年間で東大受験に挑戦する企画です。
最終回は、120万人以上が試聴しており、かなりの人気番組でした。僕自身も「どうなるのか」が気になり、毎週楽しみにしていました。まさに、「挑戦」という未完成のコンテンツが価値を生んでいるわけです。
芸人TAWASHIの東大合格チャレンジ
実は、これには後日談があります。堀江貴文さんと一緒に「ドラゴン堀江」に出演されていた、芸人のTAWASHIさんは今でも東大受験に挑戦しているのです。
しかも、YouTubeチャンネル『東大受験芸人TAWASHIの勉強チャンネル』でご自身の勉強の様子をアップされているのです。
現在、チャンネルの更新は止まっていますが、登録者数が2.7万人です。一つの動画で何万回も再生されています。中には、80万回以上も再生されているものもあります。
TAWASHIさんは、東大の勉強でも忙しいため、動画を編集する時間はありません。なので、ほぼ無編集で投稿されています。テロップもありません。それでも観られるのです。
それだけ「挑戦」という未完成のコンテンツには価値があるということが言えるかもしれません。
『浪人生は笑わない』
他にも、受験に挑戦する過程をコンテンツにしているユーチューバーはいます。たとえば、『浪人生は笑わない』(現在は、『あきのはケロッと笑いたい』)というチャンネルも浪人生として受験に挑戦している様子を動画にして投稿しています。
あきのさんの場合は、あきのさんの独特の一切笑わないトークが人気を博していました。(編集等はお姉さんが担っているようです)
もちろん、もともと有名だった訳ではありませんし、TVに取り上げられたわけでもありません。一般人のあきのさんでも、「挑戦」というコンテンツで人気になったということです。
ちなみに、現在は、志望校に合格して、キャンパスライフを楽しみながら、ユーチューブに動画をアップされています。登録者数も10万人を超えており、立派なユーチューバーですね。
「挑戦」を売る時代
TAWASHIさんもあきのさんも動画を投稿することで、広告収益を得ることができます。人に何か有益な情報を伝えたり、人々を魅了する歌を届けるのと同じように、誰もが「挑戦」を売れる時代なのかもしれません。
自分の挑戦でお金がもらえて、生活できるってすごいですよね。これから、何かコンテンツを作りたい人は、「完成された」ものよりも、挑戦という名の「未完成の」コンテンツを設計してみるのが良いかもしれません。
まとめ
今日のnoteをまとめると.....