エッセイ|短編小説を書きつづけることについて。
最近、[ミニ小説]を書いています。
ちなみに、[ミニ小説]というのは僕の造語で、1分間で読める物語のことです。だいたいは、500文字〜800文字くらいの文章です。
できれば毎日、[ミニ小説]を書きたいので、常にネタを探しています。すぐに思いつくこともあれば、何時間考えても、思いつかないこともあります。
とても調子の良いときは、一日に3つくらいのネタを思いつくことがあります。でも、それは滅多にありません。たいていの場合は、毎晩、寝る前に1つネタを考えます。具体的には、キーワードをひとつ見つけて、そのキーワードに関する物語を作ります。
キーワードが決まれば、そのキーワードを基に、ワンシーンが生まれることがあります。
少し前に書いた小説『透明人間になった少女』では、まず初めに「透明人間」というキーワードが思いついて、それからすぐに冒頭の文章が頭に浮かびました。
もちろん、きちんとした文章が初めから思いつくわけではありません。だいたい7割ぐらいの完成度で、ワンシーンの文章が思いつくイメージです。そして、その文章を自宅のホワイトボードにメモをして、ひたすら眺めます。
眺めているうちに、修正したい部分や書き足したい部分が見えてきて、ホワイトボードのメモを修正したり、メモを書き足したりします。そして、再度じっくり観察します。
それから、次にどんな物語が続いていくのか想像を膨らませて、話の筋を決めていきます。今度は、文章というより、話の要点だけをホワイトボードに書き記します。
たとえば、「友達と揉めて孤独になる→母の言っていたことを理解する→本との出会いと対話」といった具合にメモを書き足していきます。
(『透明人間になった少女』を書いた時、実際にどんなメモを書いたのかは覚えていません。完全に忘れました。ホワイトボードの文字も消したので、残念ながら痕跡もありません。)
話の要点は、結末の部分まで思いつけば書き記しておくし、思いつかない場合は次の日に考えます。
いずれにせよ、一晩アイデアを寝かせてから、翌朝、パソコンを開き、文章のつづきをnote編集画面に書いていくのです。
キーワードを見つけるまでが大変です。
僕の場合は、どんなキーワードで物語が書けるわけではないので、物語が書けそうなキーワードを思いつかないと、先には進めません。
大人のコーヒー、消えた文字、白紙の小説、人工知能、翻訳アプリ、森、未来人、透明人間、避難訓練、あいさつ運動、魔法使い……
これらは、最近僕が書いた[ミニ小説]のキーワードです。僕は、なにか不思議なことが起ころうとするようなキーワードが好きで、そういった言葉を常に探しています。
いつも夜寝る前に読書をするのですが、読書をしながら気になるキーワードを見つけることもあります。
実は、先ほど紹介した「透明人間」という言葉も何かの小説を読んでいて、急に思いついたものでした。そのとき、いったん読書を中断して、ホワイトボードに「透明人間」と書き留めた記憶があります。
小説を書くのは、とても大変な作業です。
書いている時間より、待っている時間の方が長いことも多々あります。キーワードが思いつかなくて、頭を抱えたまま、眠りにつくこともあります。
今日は書けませんでした、と正直に打ち明けたり、『おすすめnote』という記事で済ましてしまう日もあります。
それでも、好きだから僕はやっています。
そして、これからもつづけていきます。
明日もnoteを読んでくれると嬉しいです。
2022.10.23.