【マスターデュエル】後攻ワンキル型イビルツインスプライトは天盃龍の夢を見ていたのか?

こんにちは、天宮ユウキです。

マスターデュエルでは絶賛天盃龍環境で賑わってますね。
まあ、露骨な話題誘導はこれくらいにして、今回のテーマは天盃龍と天盃龍に本質的に1番近いであろうデッキとの話です。

1.天盃龍の本質について

ちなみに本質的に近いデッキというのは古代の機械ではありません。同じようなカードはありますが、私が見たところ本質から遠いデッキの方が多かったです。
御巫でもありません。基本的に遠いです。

そもそも天盃龍の本質って何?という話です。
天盃龍のイメージとしては、後手でカードパワーが高くて、超高火力でワンキルするデッキというのが一般的でしょうか。
天盃龍の本質というのはなんでしょうか?
パイドラ?チュンドラ?燦幻荘?
強いですが、ちょっと違います。
じゃあ、何なのかと言う前に次に進みます。

2.後攻ワンキル型イビルツインスプライトというデッキと手札誘発

みなさんは後攻ワンキル型イビルツインスプライトを知ってますか?
……まあ私のnoteやXを見てなかったら知らないですし、知らない人が大多数だと思います(ランクマで見かけた人はいるかもしれない)。
基本的にライブツイン1枚からワンキルを決めることを主としたデッキです。
どんなデッキなのか、想像つかないかもしれないのでシーズン34のマスター帯で使ってたデッキリストを貼ります。

ギチギチでパンパン過ぎて嫌

一応、後攻デッキなのでコイントスは後手を選びます。
やることは相手先攻時に誘発を投げまくって展開を妨害し、自ターン時に捲り札でノーガードに追い込んでから、ワンキルを決めるのが基本の戦術です。


なんか似てると思ったあなた、趣旨が読めています。



そうです、天盃龍です。
(捲りメインのデッキがあるとはいえ)天盃龍も誘発を投げて相手の展開を妨害し、邪魔なバックを除去して、パイドラチュンドラ燦幻荘で倒しに行くデッキです。メインテーマでの捲り方に違いはあっても、おおよその流れはほぼ一緒です。
そもそも天盃龍の本質というのは、数多の手札誘発の採用にあると思っています。ここが他の後攻デッキと根本的に違います。カードパワーが高いからできるというのもあるのですが、捲り札よりも手札誘発に重きを置いたことが、天盃龍の強さの秘訣では無いかと考えています。
大量に手札誘発を採用したら、回りにくいし勝てないのでは?と考える人もいるかもしれません。
それでも勝てる2つの理由があります。

1つは1枚初動がある点。

早い話、手札に1枚初動があるということは、ワンキルもしくは妥協展開が最低限できるカードが存在していることです。つまり、後攻時に4枚が手札誘発や捲り札だったとしても問題なく動けます。これがあるのと無いのとでは雲泥の差だと思います。

もう1つはそもそも手札誘発は相手の展開を大きく止められる(ことがある)点です。

後攻になった時に、何かしらの手札誘発があれば、相手を捲れたかもしれない、そう思ったことありますよね?もし、あの手札誘発があればマストカウンター取れたのに、なんていうのは誰しもが一度は思うことだと思います。つまり手札誘発は使って通るだけで、試合展開が変わる可能性を持っています。そのくらい手札誘発というのは、現代遊戯王にとって重要なカードになります。
手札誘発をたくさん採用できて1枚初動がある後攻デッキは強いです。それが天盃龍と後攻ワンキル型イビルツインスプライトです。

3.夢を見てたというか天盃龍が答えを出してくれた

天盃龍と後攻ワンキル型イビルツインスプライトは本質的に近いという話をしました。
じゃあ私が天盃龍を参考にしてデッキを組んでいたかというと違います。
そもそも、このデッキを始めに組んだのは1年前の5月、そうマスターデュエルにティアラメンツが到来した時です。少なくともその頃に天盃龍は存在していません。

紆余曲折あって、私は後攻の道を行くのですが、組む時に考えていたのは後攻デッキこそ手札誘発をしっかり使うべきだということです。それは増Gだけではありません。うららや泡影とかもちゃんと使う。そうすれば捲れるのだと考えていました。
それに捲り札だけで勝てるなら、後攻デッキはもっといても良いはずです。そうじゃないということは、捲り札だけで勝てる状況は思ってるよりも少ない、という自論に達していました。
そして、その答えとも言うべきデッキが天盃龍です。
手札誘発で相手の展開を妨害し、弱い盤面をカードパワーの高さで葬る。それが天盃龍の強さの実態です。
テーマの強さはもちろんありますが、それを支えているのは他ならぬ手札誘発です。
だからこそ、天盃龍は他の後攻デッキを駆逐できたのです。
手札誘発に重きを置かない後攻デッキは、環境の隙間から落ちていくことになりました。


4.後攻ワンキル型イビルツインスプライトは弱い天盃龍ではある

サブタイトルでオチをかましていますが、構築と後攻での強さは天盃龍の方が上です。
まず、2テーマ分扱うのと1テーマだけなの、どっちが自由度があるのかと言うと分かりますよね?
もう一つ問題があります。除去札の必要性です。天盃龍はテーマとEXで大体解決してしまうので最悪バックを除去するカードさえあればどうにかなります。後攻ワンキル型イビルツインスプライトは、前と後ろ両方を自テーマ以外で対処しないといけないことが多々ある為、必要枚数がどうしても多くなりがちです(ただしアーゼウスが使える点やシャドーモスキートを使えば無理に倒す必要が無い点は天盃龍より上)。
後攻時の強さは、燦幻荘での無敵化やバトルフェイズでの連続シンクロで強硬突破ができる天盃龍が圧倒的に上です。倒せず妥協することが少ないのは、後攻ワンキルにおいては絶対に有利です(ただしアトラクター可においては、下振れがほとんどない後攻ワンキル型イビルツインスプライトの方が若干優位)。

5.後攻ワンキル型イビルツインスプライトの強み及び差別点

ここまで話をすると、大体の人は天盃龍を使うべきだと思いますし私もそう思います。
では、後攻ワンキル型イビルツインスプライトが天盃龍に勝ってるあるいは差別化出来ている点はあるのでしょうか?

答え:4つあります。

1つ目は、アトラクターの採用のしやすさです。アトラクター投げると墓地が使えなくなる為、ファドラやバイデントの蘇生が使えなくなります。すると下振れが大きくなってしまい、ワンキルできない展開が増えてしまいます。……という理由がある為なのか、天盃龍ではアトラクターはあまり採用されません(強い人の見ても何故かあまり採用されていませんでした。何故なんですかね)。一方で後攻ワンキル型イビルツインスプライトは、下振れが天盃龍より少ないのでアトラクターを採用しやすいです。


2つ目は、ギガンティックスプライトの存在です。ここが一番大きいです。ギガンの効果が通るとレベル2ランク2リンク2以外は特殊召喚できなくなります。分かりやすいのは、バトルフェイズ時に特殊召喚されるスピリットオブユベルです。手札から特殊召喚して壁になるシーンは何度か見かけた人は多いと思います。流石の天盃龍も捲れはしますが苦労します。その心配が後攻ワンキル型イビルツインスプライトにはほぼありません。ギガンを通すとほとんどのモンスターは特殊召喚できなくなるので、バトルフェイズでモンスターが横入りする可能性を捨てられます。


3つ目は展開ケア能力が高いことです。展開ケア能力自体は天盃龍もあります。しかし、特殊召喚自体にチェーンが挟まる為、妨害を当てられる余地が生まれてしまいます。一方の後攻ワンキル型イビルツインスプライトは、ライブツインのコスプレ体やメインのスプライトを特殊召喚できますが、チェーンを挟まないので妨害されずに特殊召喚できます。また、2テーマ使ってるだけにケア札が豊富なのも強いです。

4つ目は基本先攻展開が強いことです。天盃龍も先攻を譲られた際には妨害を構えることができますが、天球の聖刻印だけです。後は泡影や一滴、手札誘発ですが、これは相手もほぼ同じなので実質の妨害は天球だけになります。また、チュンドラはバトルフェイズは強いですが、メインフェイズではなんの妨害にもならないので、除去や無効化手段があると無力化します。一方の後攻ワンキル型イビルツインスプライトは、スプライトキャロット(レッド)とリンクリィラの2妨害です。単純な妨害数ならこちらの方が上です。また、キスキルフロストを墓地に落としていると1ドローできる機会ができる為、追加の妨害を構えることができます。


6.これからの後攻デッキの話

天盃龍が登場したことにより、全ての後攻デッキは天盃龍と比較されます。というか比較された結果、天盃龍以外のほとんどの後攻デッキは死滅しました。正に後攻デッキ統一時代であり、終焉期です。少なくとも上位帯ではほぼ見ないと思います。
そんな中で敢えて後攻デッキを握ることは難しいです。
理由は幾つかあり、全ての先攻デッキが天盃龍に合わせて展開してくるのでガードが固いです。それこそ捲り札だけではどうにもならないことが多々あります。また、罠ビデッキも増えてきてこちらの展開を妨害してきます。結果、必要な捲り札が散ってデッキがぐちゃぐちゃになります。
そんな時代に敢えて天盃龍以外の後攻デッキを握る理由はなんですか?
メリット?
好き嫌い?
意地?

それとも?


私は今、夢と現実の狭間にいます。後攻ワンキル型イビルツインスプライトが、正解かどうか分からないまま握っています。いや、天盃龍を握ってたのに戻ってきたんですから、最早狂気です。
最近はやれることがまだできてないのか、達成感に満たされてないのか、それすらも分からないまま握っていました。しかも天盃龍が出てきたのに握ってその後戻ってくる辺り、頭のネジが取れてると思います。
冷静に考えたら天盃龍握ってる方がいいです。バカです。それでも握らず、真っ向から環境と戦うその精神は、常人には理解し難いです。

……なんか自分に酔ってる気がするので、あまり長くは語りませんが、天盃龍後の後攻デッキにとって、あまりいい時代ではないです。
そんな時でも、後攻デッキを握って環境と戦う方がいましたら、ほんの少しでいいので優しく見守って欲しいです。客観的に無理な気はしてますが。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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