あなただから、いいよ
返事がないのも、ひとつの返事
昨日、音信不通をテーマに記事を書きましたが、実は昨年、とても仲良くなった(と思っていた)男性が突然音信不通になり、しばらくの間、ものすごく凹んでいました。だって、すごくすごく、好きだったんですもの。
向こうも私のことを、気に入っていると思っていたのです。(いや、きっと気に入っていたはずです)。なのに、突然LINEに返信が来なくなり、そのまま3ヶ月ほど音信不通になってしまいました。その後、私が打ったどうでもいい内容のLINEに返事は来ましたが、以前のような親密な感じは、いつの間にか消えてしまったように思います。
音信が途絶えた理由は、聞いていません。聞くこともできたと思うのですが、私はあえて、聞かないことを選びました。可能性はいくつもあります。ものすごく忙しくて、会えないことに罪悪感を感じてしまったのかもしれないですし、付き合う相手としては違うな、と思ったのかもしれないですし、何なら、他に誰かいた可能性だって、あるかも知れません。でも、理由はもう何でも良かったのです。
「返事がないのが返事」。私の心理学の師は、そう言っていました。そこにどのような理由があるにしろ、「今はあなたと話したくない」。沈黙は、沈黙という答えなのだと、私は思っています。
相手を手放すと、心がふっと軽くなる
そこで、「そんなの嫌だ!」と追いかけるのも良いと思います。理由が分かるまで追求するのも、別に悪いことだとは思いません。相手が嫌がるような行動は避けたいところですが、自分の気持ちの落としどころを見つけるのは、大切なことですから。
ただ私は、「彼の気持ちを尊重しよう」と、自然にそう思いました。今は会いたくない。話をしたくない。彼がそう思うなら、いいか。と。いや、もちろん、最初のうちは、めちゃくちゃジタバタしましたよ笑 だって、好きですから。でも、ジタバタし尽くしたときにふっと、自分の中に握りしめている彼を、自分のために手放そうという気になったんです。
心理学では「執着を手放す」という言い方をします。「絶対この人じゃなくちゃ嫌だ」。という、相手に自分を縛り付ける鎖を解くようなイメージでしょうか。もちろん、相手のことを好きなままでも構いません。諦めることと、執着を手放すことは、イコールではないのです。ただ握りしめているものを、手放すだけ。それだけで、心はふわっと軽くなります。
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米津玄師の「カナリア」という歌のなかに、こんな一節があります。
「いいよ、あなただから、いいよ」。
私はこのフレーズを聴いたとき、彼のことを思い出しました。そして、「とても好きなあなたが、今は私に会いたくないなら、いいよ。他のことをやりたいなら、それでいい。他の人を好きになるなら、ちょっと悲しいけど、それでもいい。そのままを受け止めるから」。そう思ったのです。
これは彼から逃げてるだけじゃないか? と自分の気持ちを思ったりもしましたが、いま、この時点で私が出した結論としては、悪くないのではないかと思っています。