僕の中にある”es”【ミスチルが教えてくれたこと #4】
自分の中にある得体の知れない何かが、自分を動かしている。
そう思うことは、ありませんか?
”es”というこの曲のタイトルは、まさに人間のその部分を表す言葉です。潜在意識や無意識ともいわれる、自分でコントロールできないのだけれども、自分の行動を左右する「本能」ともいえる強力な自分の一部分。
阪神大震災や地下鉄サリン事件など、社会に閉塞感が漂っていた1995年にリリースされたこの曲は、決して明るくはないけれども、もがき、あがき、なんとか前に進もうとする、そして己を進ませるようその本能に問いかける、壮大なバラードです。
そしてそれは、わずか数年でトップアーティストに駆け上がり、成功を手にしていくなかで創られていく自分たちの虚像と現実の間で揺れ動く、20代のMr.Childrenが抱えていた葛藤を吐き出した魂の叫びでもあったのかもしれません。
だからこそこの曲で歌われている言の葉は、いつまでも私たちに響くのではないか?なんて、ふと思ったり、しています。
※以下、引用部分はMr.Children「【es】~Theme of es~」(作詞:桜井和寿)歌詞より引用。
答えなんて、見当たらなくていい
Ah Ah “答え”なんてどこにも見当たらないけど
それでいいさ 流れるまま進もう
答えが欲しい。
それは人間の性みたいなものかもしれません。いや日本人の性なのか。
ところがこの曲で桜井和寿は、「見当たらないけど、それでいい」と歌います。
学校の勉強では、まず正解が用意されていて、用意された正しい答えにたどり着くための術を学んでいきます。
でも、ちょっと待ってください。
人生において、正解が用意されているシチュエーションが、どれだけあるでしょうか。
プライベートでも、仕事でも、そう。
社会に出て大人になれば、そこには正解なんてない問いが無数に散らばっていて、その答えが見当たらないことなんていくらでもあるんじゃないでしょうか。心当たり、ありませんか?
だからこそ「見当たらないけど、それでいい」。流れるまま進もう。
大人になるということは、そのことを知るということなのかもしれません。
…と、こんな話を書いていてこの曲を思い出した。
何が起こっても、変じゃない
何が起こっても変じゃないそんな時代さ覚悟はできてる
よろこびに触れたくて明日へ 僕を走らせる「es」
何が起こっても変じゃない。そんな時代だ、と。
だからこそ自分を突き動かす無意識の衝動、本能を大事にするべきなんじゃないか…?
これを聞いて思い出すのは、たとえば最近でいうと話題になっている「老後2000万円問題」であり、あるいは某損保や某IT企業や某金融機関等で粛々とリストラが行われ、「終身雇用が完全に崩壊してきている」というような話。
老後は年金生活、とか。定年まで会社を勤め上げる、とか。
過去の常識は簡単に葬り去られようとしています。何が起こっても変じゃない時代に私たちは生きているのです。
であるならば、いつか変わりゆくかもしれない、明日消えてしまうかもしれない、「一般的な価値観」とか「世の中の常識」に振り回されるのではなく。
後悔がないように、自分に正直に生きることはとても大切なことではないでしょうか。
そういえば私が奄美大島に来たのは、まさに自分の”es”に動かされたから、なんだろうと思います。自分の中のどこか―自分の”es”のどこか―に入り込んだこの曲が、一歩を踏み出すのを後押ししていたのかもしれません。
何が起きても変じゃないこの時代を生きていくことを考えると。
迷った時には「自分に正直に、選んだことを後悔しない方を選ぶ」こと。
そして一見「あえて何かをしなくても、選ばなくてもいい」と思える時には、それは「何かをしない、選ばない、現状を維持するという選択をしている」ということであることを認識して、本当にそれでいいのか自問すること。
そういうことが大事なのではないかと、感じています。
栄冠も成功も地位も名誉も、たいして意味ない。
Oh なんてヒューマン
裸になってさ 君と向き合っていたい
栄冠も成功も地位も名誉も
たいしてさ 意味ないじゃん
それはミスチル様くらいになればこれ言っても説得力出ますけどねえ…と思わなくもないですが。
多くの人が得たいと思うであろう、栄冠・成功・地位・名誉。
でも結局、1人の人間として誰かと向き合おうとするとき。
栄冠も成功も地位も名誉も、大した意味は持たない。それは、限られた成功者が、限られた成功者だからこそたどり着く境地なのかもしれません。
凡人の私たちには知る由もないことなのかもしれませんが、しかし。
これは世の中の真理ではあるのではないでしょうか。
そういえば、多くの伝説を残してこの世を去った、スティーブ・ジョブズも死に際に「自分のビジネスでの成功や富は、今となっては大した意味がないことだ」と述べていたと言われています。
結局、人にとって本当に大切なのは、自分に正直であることと、身近な人と向き合い、大切にし、共に人生を豊かにしていくこと…なのでしょう。
私は別にMr.Childrenやジョブズのような華々しい成功を遂げてきたわけではないので何の比較にもなりませんが、ちょっとだけ重なったのが、移住する前にずーっと悩んでいた時期に考えていたコトです。
当時住んでいた近所にあったスーパー銭湯に毎週行っては数時間、「自分の人生にとって本当に大切なことは何なのか。本当に大切なことを優先するために、どう生きるべきなのか。」そんなことを考え、悩んでいました。
結果的に、大きな変化を起こすために住む場所を変えよう、となぜか考えるに至り、「生き方を変えたら働き方も変わった」という形で今は離島リモート時短社員となったわけです。
まあ、私の話はどうでもいいとしても(笑)、「自分の人生にとって本当に大切なことは何なのか。本当に大切なことを優先するために、どう生きるべきなのか。」
そんなことを、自分の中にある”es”に問いかけてみると、ひょっとすると新しい人生を始めるきっかけが見つかるかもしれません。
この度は私のnoteをご覧いただき、本当にありがとうございます! これからも移住や働き方、南の島ってぶっちゃけどうなの?といった話をのんびりレポートしてまいります。 スキや感想のコメント投稿、サポートなどいただけると、とってもうれしいです。今後ともよろしくお願いします!