空き家はあるが貸家はない!?活用率5%以下。奄美大島の空き家事情
田舎暮らしの良いところとして、「古いけどそこそこ広い家に格安の家賃で住めちゃう」みたいな話、ありますよね。
地域によっては行政が運営する「空き家バンク」の活用がさかんで、そこで探せばほど良い物件が見つかるところもあります。
きっと奄美大島に移住するなら、そういうところで家を探せばOKでしょ!家賃なんて安いでしょ!
…とか、思ったり、します、か?
ではここで奄美大島の各自治体の空き家バンクをご覧ください。
奄美市:現在募集している物件はありません。
龍郷町:現在登録されている空き家はありません。
瀬戸内町:現在、登録物件はありません。
なんと空き家がない奄美大島!さぞ人口増加が激しく、住宅がいっぱい埋まっ…
…ん?待てよ?でも一方で、「台風が来た時空き家から飛来物が飛んでくる問題」があるくらい、空き家はあるのではなかったか…?
そう、空家はあるけど流通していない。ゆえに貸家がない。それが奄美大島のリアル。
実際、海の近くに住もうかと思いつつ結局都市部(名瀬)に僕が住んでいるのは、奥さんが都会っ子なのでカルチャーショックをおさえるためとか、便利だからとか、津波が怖いとか、そういう理由もありますが、そもそも家さがしの難易度が高すぎてあきらめたというのも大きな理由です。
奄美大島の多くの集落では、「引っ越してきたい若い世代の人は結構いるのに、集落に貸家がないから住めないため、高齢化と過疎化が進んじゃう問題」という不思議な現象が起こっています。
これは、「そもそも引っ越してきたい人がいない」ことで過疎化していく地域とは決定的に違う状況です。
要は、空き家がちゃんと流通すればいいだけの話なのに、それができないから過疎化していく。もったいないことこのうえない。
…というわけで、この課題解決に取り組んでいらっしゃる、NPO法人「ねりやかなやレジデンス」が主催された、とある集落の「空き家空き地調査」の結果報告会に伺って、そのあたりの事情を勉強してきたのでシェアできればと思います。
「空き家活用のOKが出るのは5%以下」奄美群島の現実
え。空き家ですよ。使ってもらった方がいいに決まってますよね?なんで??
…って、思わないですか?僕は思います。いまだにこのあたりは僕も理解できない部分なのですが、これにはこんな色んな事情があるのだとか。ああ、ややこしや。
主な理由はこんなとこのようです。
・いつか使う(かもしれない)から
・いつか使うまで貸す、という貸し方をする習慣がない
・家賃が安いため、不動産会社等が仲介に入りたがらない
・そもそも相続の段階で持ち主がうやむやになっている
・相続でもめていて貸せる状況にない
・荷物の整理や補修など、貸し出せる状態にするお金と手間がかかりすぎる
・(特に島外からの移住者などの)借り主とのトラブルが怖い
・借り主と集落とのトラブルや面倒事が起きないか不安
まとめちゃうと「貸しても大してメリットないのに、面倒なことが多い」。わざわざ貸すためにその面倒をクリアしようとは、まー思いませんよね。そりゃそうだ。
同様に、住まなくなった家を取り壊したとしても「売ったところで大したお金にもならないから売らない」というのもあるようで、空き地が増えていっているのはそれがひとつの要因だそうです。
なので、島に移住してきた人が集落にコネをつくり、そこからなんとか突破口を開こうと奮闘してらっしゃったりするのが現状です。
実際、奄美大島が好きで、何度も通って、集落に友だちができても、結局その集落に住める家がなかった…という方もいらっしゃるようなので、奄美大島においては「きれいな海の見える集落の古民家で(リノベして)のんびり暮らす」というのは相当難易度が高いと思います。
なので、「きれいな海の見える家でのんびり暮らしたい」場合には、流通している空き地買って、自分で家建てちゃう方がいいです。確実に。
というわけで、僕に空き地買って家建てるお金を誰かください…!(笑)
この度は私のnoteをご覧いただき、本当にありがとうございます! これからも移住や働き方、南の島ってぶっちゃけどうなの?といった話をのんびりレポートしてまいります。 スキや感想のコメント投稿、サポートなどいただけると、とってもうれしいです。今後ともよろしくお願いします!