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離島移住から365日。本当のところを語ろうか。

あっという間に1年経ちました。

横浜で荷物を送り出し、空っぽの部屋を明け渡し。

成田で一泊して、成田空港から身重の妻と奄美大島に渡り。

これまた空っぽの部屋に到着し、1週間後に荷物が届き。

その後すぐに身重の妻と片付いたばかりの家を後に沖縄に向かった…(仕事です)

あれから、もう1年。

結論だけ先に書いておきます。いろいろあれど、理想には届かねど、移住して良かったです。本当に。

人間には、自然に触れることが必要です。だって、コンクリートジャングルで暮らし始めたのなんてここ50年のことですからね。少なくとも数千年とか、それ以上は自然の中で生きてきているんですよ、それはもう、つくりの問題なんじゃないかと。今になってそう思っています。

都会に比べれば生活は不便。でも僕らにはインターネットがある。

離島の生活なんて不便でしょ。すぐ嫌になるでしょ。

…という説もありました。

たしかに不便です。まちがいなく。

どれくらい不便かというと、「日常生活には困らないけど、欲しいものがあるとは限らないしいわゆる娯楽はないし買い物を楽しめるというわけではない」というくらいです。

食べ物・飲み物・生活用品は基本的に困りません。が、都会でブランドショップのウィンドウショッピングが趣味、とかいう人にとっては地獄でしょう、というのもまた事実。

実際、服はじめファッション系のアイテムはインターネットで調達するケースが多いです。それでも即日配送だって船便の都合で到着までタイムロスあるんですけどね…。

横浜に住んでいたころは15分20分歩けばショッピングモールがあったし、目の前にユニクロがあったんだけど…とか考え出して比べると不便も不便。

娯楽もないので、映画が趣味という人にとってはシネコンもなく、古い映画館で時差でしか公開されないのとかありえないだろうし、ボウリング場は傾いているってウワサだし、スポッチャなんてありません。

でもインターネットで動画を見れる時代なので幾分救われます。我が家の奥様は子ども産んだあと暇でしょうがなさすぎて銀魂のアニメ全話見てましたよ。子どもに良くない気しかしなかったけど。

一方で、子育てに関しては支援も充実しているし、保育園もそんなに待機児童とか出ないし、そもそも環境が良いし、とか。

家だって市街地の3LDKに住めているし(島にしては高い家賃だけど、東京の半分以下だと思う)、魚や鶏、野菜や果物など食べ物は美味しいですし。

不便だけど、悪いことばっかりじゃない。だから、不便さもおもしろがれるかどうか、が大事。

ちなみに、市街地に住んでいるため、集落の付き合いとか、田舎ならではのおすそ分け文化(帰ったら家の前に野菜が置いてある的な)をがっつり体験することはありません。

離島といっても、市街地はある程度都会的なスタイルで生活できたり、しますよ。

仕事を円滑に進めるには、離島にいる側より、都会にいる側の順応が試される。

所属している会社でいうと「思ったよりやるやん」みたいな感じになっています。期待値が低いってステキ。

基本的に光ファイバー接続は確保できているので、インターネットがつながれば仕事になるタイプのやつは問題なく仕事できます。

フルリモートだし、行き詰まったら海眺めに行ったりして気分転換できるし、という働き方は実は生産性高いんじゃないかという説があります。東京いるときより生産性は遥かに高いので、時短社員になったけどパフォーマンスがそこまで下がっている気はしないというか。

ただ1年くらいやってみて思うのは、リモートワーク前提で社内のシステムや業務の進め方がきちんと整備されているかどうかが重要だな、ということ。オフィスありきで業務を進められている環境で会社が動いていると、そのひずみみたいなものは出てきてしまいます。

なので、こちら側というより、一緒に働く都会側がどう順応するのか。逆にいえば、移住してリモートで仕事する場合、仕事相手側がリモートワーカーと上手に働けるか、によって仕事がやりやすいかどうかは大きく左右される覚悟は必要なんじゃないかなと思います。

自然と共存する暮らし。「本当の豊かさ」を探す終わりなき旅。

東京にいると、「雪で電車が止まって大変」くらいしか自然を感じることがなかったのですが(これは個人的な問題もありますが)、奄美大島では自然の猛威、美しさ、そして人に働く力を、感じる日々です。

台風が来れば船は止まり、物流が止まり、停電し、時には灯台が吹っ飛び(2018年本当にあった話)人の生活は不便になりますが、一方で海がかき混ぜられ、海水温が下がることでサンゴは守られることにつながったりもします。

ハブに噛まれると大変なことになりますが、彼らがいるからこそ守られている生態系があります。

東京ではまず見れない絶景を、週末車を走らせて30分1時間で見ることができます。

娯楽がなくても、海や山で遊ぶ方法はたくさんあります。

東京より収入のラインは低くくても、いきいきと生活している楽しい人たちと出会えます。

思えば、「お金を稼ぐことに自分の時間を費した先に何があるのだろう?」「もっと、自分の人生の限られた時間を、お金のためじゃなく、自分や家族のために使った方が良いんじゃないか?」みたいな疑問からスタートした南の島への移住。

1年経って、離島に移住すると決断し行動してきた今の方向性は(ひとつの選択肢としては)正しそうだ、という手応えは掴んだ反面、まだまだ理想とは程遠く、やりたいことでできていないことが山積みです。

そして奄美大島のことも、この島にいるいろいろな人々のことも、まだまだ分からないことだらけで、もっともっと知りたいことだらけです。

もっと素晴らしいはずの島の良さを、自然の楽しみ方を、人とのつながりを体験できるように。離島での「豊かな暮らし」を探す旅は、まだ始まったばかりのようです。

この度は私のnoteをご覧いただき、本当にありがとうございます! これからも移住や働き方、南の島ってぶっちゃけどうなの?といった話をのんびりレポートしてまいります。 スキや感想のコメント投稿、サポートなどいただけると、とってもうれしいです。今後ともよろしくお願いします!